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ビョークが衣装に3Dプリントマスクを導入予定、日本科学未来館でお披露目も

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歌手のビョーク(Björk)は、今後のライブで着用を予定している大胆なデザインの3Dプリントマスクを共同制作した。MITのMediated Matter研究所やStratasysとのコラボで誕生したマスクは、Rottlaceと呼ばれ、最新の3Dプリント用フィラメントや3Dプリント技術によって、不思議な毛のような質感が表現されている。マスクの製作にあたっては、Mediated Matter研究所のNeri Oxman教授がチームを率いた。

「Neri Oxman教授の作品には、本当に心から感動しました。ついに彼女と一緒に仕事ができるということにも興奮しています」とビョークは語った。「Oxman教授は、3Dプリントを使って繊細で素晴らしい生物的表現を行う、真の意味でのパイオニアです。仕事を通じて彼女のことを知ることができたのもとても嬉しかったです!」

マスクは「ビョークの顔の構造を模倣」しており、彼女の顔の高速3Dスキャンデータや大胆なレンダリングによって、表面の筋肉組織や毛が表現されている。

プレスリリースの中には、「パーツのない全体(whole without parts)」や「調節可能な物理的属性(tunable physical peroperties)」といった奇妙な表現が見られたが、とにかく今回作られたマスクは本当にかっこよくて、普通の方法では作ることができないということがわかる。

今回作られたマスクのひとつは、日本科学未来館で行われたビョークのパフォーマンスでも使用され、Stratasysのマルチマテリアル3Dプリンターで作られました。この製法によって、ある物体の幾何学的に入り組んだ構造上に散らばった、様々な属性の複雑な組合せを表現することが可能となります。今回使われたStratasysのConnex3という技術では、3つの異なる素材の配合を事前に設定することで、幾何学的・構造的・生理学的制約に応じた剛性・不透明性・色を変化させることができるのです。

それぞれのマスクのデザインには、人間の筋骨格系の根底にある、幾何学的・素材的なロジックが勘案されています。ここでの筋骨格系とは具体的に、人間の声をコントロールしている、筋肉や、結合組織、腱、靭帯の複雑な構造を指します。この厚く織り重なったコラーゲン繊維が、筋肉と骨、骨と骨、筋肉と筋肉の繋がりの、機能的な「類型」を形成しているのです。人間の体内で繋がりあったコラーゲンのパーツが、それぞれに作用させ合う力によってその化学的、力学的属性を変化させるように、それぞれのマスクは「パーツのない全体」を成す合成繊維としてデザインされています。さらに各マスクが調節可能な物理的属性を持つことで、マスクの下にある顔の形や動きを再現したり、拡張したり、コントロールすることができます。着用者の顔をもとに「筋肉繊維」として生み出された今回のマスクは、マルチマテリアル構造によって、着用者の顔や首の形状や構造だけでなく動きまで再現することができるのです。

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3Dプリントで作られたこんなに複雑な造形物が、ステージの上で利用されるのは恐らく初めてだろう。さらにそのデザインから、数時間に及ぶライブ中の着脱にも耐えることができるため、その奇妙な(または素晴らしい)姿をライブで見ることができる。また、ビョークはファッションブランドthreeASFOURのPangolinと呼ばれるドレスも着用予定で、こちらはさらに耐久性・柔軟性の高いNano Enhanced Elastomeric Technologyフィラメントが使われている。要するに、ビョークはその革新性を持ってビョークであり続けなければならないのだ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter