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Minecraftが予見する未来の協働作業

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【編集部注】著者のJim Fowler氏はGEのCIO

子供たちは究極のベータテスターだ。新しい技術が何のためのものであるかを理解するとすぐに、彼らはそれを使って他の何かをさせようとする。彼らは限界を押し広げ、規則を破り、可能なことは何でも使って遊び、そしてリアルタイムでその結果を共有する。

私の息子と彼の友人たちがどのようにMinecraftで遊んでいるかを見たとき、私はエンジニアリングと技術の未来を見たのだ - そしてそれはとてもエキサイティングなものだ。

Minecraftは没入できるデジタルレゴセットのようなものだ。それはあなたに少ない種類のデジタルブロックから、世界全体を組み立てさせる。そうすれば、あなたはMinecraftアカウントを持つ友人たちやその他の人たちを世界に招いて、そこでやり取りをしたり、世界を変えたり、あるいは元の世界をベースにパラレルワールドを作ったりすることができる。

基本を学んでしまえば、組み上げることができる複雑さのレベルは事実上無制限だ。Minecraftを使った遊びのスタイルは、デジタルワークプレイスのための優れた訓練手段でもある。それは協働的で、リアルタイムで、対話的かつ終わりのない活動なのだ。

ゾンビや溶岩湖、そして本当にクールなモンスターたちもいる。

これからMinecraftが予見する未来の協働作業を紹介しよう。

自分自身のデザインした世界の中に住む

2014年に25億ドルでMinecraftを買収したMicrosoftは、このゲームを拡張現実ヘッドセットであるHoloLensと統合した。これが意味するのは、今やプレーヤーたちは目の前の現実世界の上に重ねられたMinecraftの風景を見下ろすことができ、他のプレイヤーたちが小さなアバターとして歩き回っているところを眺めることができるということである。

エンジニアのチームが進行中のデザインに対して、同じことをしていると想像して欲しい。あるエンジニアたちは仮想的な自分を縮小して自分たちのデザインの中を旅することができる。あたかも人体の中を旅する映画「ミクロの決死圏」の中の小さな探検家たちのように。他のエンジニアたちは全体のデザインを一度に眺めることができ、その構築過程をアリがアリ塚を作るのを眺めるように観察できるだろう。

スキルを引き寄せ創造性を解放するプラットフォーム上で働く

Minecraftはゲーム以上の存在である。サードパーティとユーザーはカスタム部品を作ることができ、それが創造性とスキルのためのグローバルなプラットフォームへと発展した。他の人が購入したり遊んだりするためのカスタムアイテム、キャラクター、そして世界は誰でも作ることができる。

ジョージ・R・R・マーティンのゲーム・オブ・スローンズのファンタジー世界全体がMinecraftの中に作られている

皆を引きつけるクールなものを開発し、世界的な創造性の井戸へと投げ込むことによって、Minecraftのデベロッパーたちは大当たりを引き当てている。彼らは1つの会社で雇うことは夢にも思えなかったほどの、多くの創造力を入手したのだ。例えば:ジョージ・R・R・マーティンのゲーム・オブ・スローンズのファンタジー世界全体が、ボランティアの共同体によってMinecraftの中に作られている。また別のグループは、ちゃんと動作する16ビットのコンピュータのモデルを作った。

Minecraftはこれまではゲーム世界の外にいた人たちの想像力にも火を点けている。アイルランドの小説家Julian Goughは、Minecraftの最初の冒険のエンディングクレジットとして画面に流される詩を書いた。そしてデンマーク政府は、ある会社にゲームにデンマークの実物大のマップを作るよう依頼した。

デジタル産業時代には、人を集め創造性を解放する力のあるプラットフォームを開発することができる会社こそがより繁栄するのだ。あなたのソフトウェアはもはや、ただ目の前の問題を解決することだけでは済まされない。それはまた、解決を続けるエコシステム全体への入り口でもあるのだ - その解の一部はあなたが作り、他の部分は顧客やユーザーから得られるものだ。

複雑すぎて協働的かつリアルアイムに解くことができないという問題はない

私の息子は学校から戻ってくると、(もちろん宿題を終えた後に)コンピュータにかじりつき5、6人の友人たちと一緒に世界を創り始める。彼ら自身のゲームのための部品(mod)をコードして、それを使って新しい世界を築くのだ。もし私が、彼らがたどり着こうとしている場所の半分でも理解していると言ったなら私は嘘つきということになる。私は世界規模のテクノロジー企業のCIOなのだが。

私の息子と彼の友人たちが一緒に複雑なことを創り上げていく過程で、私を魅了してやまないことは、そこには誰も責任者がいないということなのだ。にも関わらず、必要な変更を加えながら、すべてのものが素早く完全に出来上がるのだ。

私たちは、教室の外にある、アクティブで生涯続く技術への興味を引き出すものも見過ごすべきはない。

私たちは企業の世界における仕事の現場において、すでにこの種の自然発生的な、大いに効果的な協働作業を目撃している。CIOとして私はこれまでに、人びとがデータを使う際により快適に探求と発見を行う自身の方法を見つけていくところを目撃してきた。まだキャリアが浅いころ、私は人びとに技術の使い方を指図しようと躍起になっていた。今私がすることと言えば、データが必要な人に対して、ただ最大限の流量を確保することだけである。ある一定のガードレールは設置するものの、それ以外は人びとが探求し実験するままにしておくのだ。時々私は、リソースとデータを用いた、オープンエンドでオープンソース、そしていちかばちかのゲームの審判を自分がしているように感じることがある。

私の息子と彼の友人たちが苦もなく働くスピードも未来を感じさせる。私はエンジニアたちに与えられた現代の協働デザインツールが、巨大な産業プロジェクトのデザインと最初の製造を、何週間の単位から数日、時には数時間のレベルで行わせるところを見てきた。私の息子の世代が労働力として社会に出るとき、いったい何が可能になるのかを想像してみよう。

科学技術教育はいっそうゲームのようになり、学校くささは減っていく

米国におけるSTEM教育の不足が多いに議論されている、私たちはより多くのハードサイエンスを教室に持ち込むために、公式に力を合わせて努力しなければならない。けれども私たちは、教室の外にある、アクティブで生涯続く技術への興味を引き出すものも見過ごすべきはない。

私のCIOへの道は、父親の薬局のカウンターの後ろにいた子供の頃に始まった。私は1台のIBMコンピュータの上で走る1つの専用アプリケーションが、それまで必要だった月2日の余分な仕事をなくし、保険会社が紙で行っていた時よりも4倍速く父親へ払い戻しをしてくれることに、すっかり魅了されていた。今日私がしている仕事は - 世界的なビジネスのために企業資源計画(ERP)を最適化すること - 最初のIBMを使った時に感じた興奮の延長なのだ。

子供時代に経験するこの種類の魅惑と驚きが、コンピュータサイエンスにおける重要なキャリアをいくつも始めさせてきた。計算科学のパイオニア、クロード・シャノンとダニー・ヒルズは、MITで出会った時二人とも子供の頃3目並べを遊ぶための単純な機械を作っていたことを知って強い絆で結ばれるようになった。やがてシャノンはサーチ・エンジンに用いられる数学を発明し、そしてヒルズは最初のスーパーコンピュータの1つを設計した。

ヒルズとシャノンのようなキャリアをより多くひき起こして、そして我々の将来の労働力がデジタルと産業両方の言葉を確実に使いこなすことができるようにするために、より多くの子供たちを科学、技術、エンジニアリング、そして数学に、自然で自発的かつ創造的なやり方で触れさせなければならない。

最近GEは、私の母校ヴァン・ウェルト高校のロボットクラブに2万5000ドルの寄付をした。設立から5年ほどの間に、このロボットクラブは山のような受賞歴を重ねていた(やるじゃないか!)- しかしそれがGEがチームをサポートを決めた唯一の理由ではない。私たちは全米を横断して様々な組織と、若者たちをテクノロジーへ自然で自発的かつ創造的なやり方で引きつけるために提携を結んでいる。

結局のところ、技術の未来は遊びの中にあるのだ。

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(翻訳:Sako)