英国教育産業

エデュテックがフィンテックに続く狙い目だ

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【編集部注】著者のDavid Bainbridge氏はKnowledgemotionの創業者でCEO。

フィンテックは第4次産業革命の要だ。いまや完全に世界を席巻し、銀行とのつきあい方を永遠に変革した。しかし多くの人々は、それがまだまだこれからだと思っていて、数字もそれを示している: 今年の第1四半期におけるグローバル投資は、53億ドルに達した – 前年同期比でなんと67パーセントの伸びだ。

では何故その成功に悲鳴が上がっているのか?フィンテックスタートアップは、貪欲な消費者たちによる革新的デジタルサービスへの要求を社会の変化として捉えたのだ。実際、最近の研究によれば、もし最新テクノロジーを提供しなかったならば、銀行の3分の1以上の顧客は離れていくだろうという報告も出されている。

簡単なことだ ‐ 私たちは物事が簡単で、アクセスしやすく、すぐに提供されるようになっていて欲しいからだ。フィンテックの発案者たちは、この期待を察知し、金融サービスの伝統的な概念に革新のひと捻りとテクノロジーの手触りを追加し、銀行業務の未来が変わることを見つめて来たのだ。

そしてまあ、ベンチャーキャピタリストが目をつけたというわけだ。英国とアイルランドだけで、フィンテックスタートアップは2008年から2013年の間に投資家から4613億ポンドを調達した 。そして今や、私たちは携帯電話の電波で支払いを済ませ、時計に話しかけて資金を転送し、現金を必要とすることがほとんどなくなっている。

さて、では次は何だろう?フィンテックバブルは、まだはじける兆しはないがないが、現在のグローバル経済情勢の安定性が揺るがされるにつれ、減速の兆しを見せている。

世界が、Brexitの後遺症や、これから迎える米国の選挙、不安定な欧州の金融市場などによる経済的動揺の辻褄を合わせようと努力していることを思えば、投資家たちが過飽和のベンチャーマーケットで、賭けをして投資を行うことに消極的になる理由も理解できる。そこで、「フィンテック」の次の波を見つけ、捉え、乗ろうとしている投資家たちに、機会の窓を示したい。

エデュテック(edtech)へようこそ ‐ 2017年にやってくる、大きくて、手付かずで、安全な投資機会へ。

投資家たちへの呼びかけ

教育市場は巨大だ。ここで私たちが話題にしているのは世界で年間5兆ドルの規模を持つものである。エデュテックはまだ他の赤熱した投資機会に比べれば完全に見劣りしている。フィンテック産業だけでなく、他の産業にくらべても。例えば2015年には、全エデュテック業界に対するものよりも、Uber 1社により多くの投資がなされている。

しかし、ようやく猫が袋から出るところだ。新しい教育と学習世界の発展が、投資とともに始まっている。エデュテックへの投資は2020年までに、世界的に2億5200万ドルへ達する見込みである 。デジタル化が金融サービス業界を変えたのと同じように、その進歩的な手は教育も程なく掴みとっていくだろう。

過去150年の間というもの、ほとんどの学習モデルは – 特に子供に関しては – ほとんど変化していない。教師や講師は教室の前方に立って、主に印刷された教科書やプリントを前に座って聞いている生徒たちを相手に、考えや入門的な事実について説明している。

エデュテックは、最大のそしておそらく最も収益の高いデジタル適用分野の地位を求めてさまよっている最中だ。

しかし、いまや、デジタル技術は、今日の教室の姿を変え始めている。より多くの学生が、コンピューターやタブレットを使用しており、教師たちは講義の内容を表現するために、ますますスクリーンを使用するようになって来ている。物理的な教科書は、オンラインのインタラクティブサービスで置き換えられつつある。それらは、より最新で内容が深く、学習者に自分自身のペースでの探求と学習を可能にするものだ。

これは、2つ点で重要だ。まず、学生がデジタルDNAを持って生まれているということだ。ビジネスとして考えると、教育機関は、その消費者のデジタル需要に応える必要がある – 教室の外のデジタル技術に常にさらされている人々は、学習環境の四方の壁の内側にも同じデジタル機能を期待するようになる。

第2に、急成長するデジタルスキルが私たちの社会を分断することに、世界が気付き始めていることだ。デジタルは、程なくすべての産業の核となる。私たちは既に、人事からヘルスケア、そしてファッションに至る場所で、それが起きていることを目にしている。実際には、今から4年後には、英国ではデジタル熟練労働者だけで230万人が必要とされることが予測されている。私たちはそうした職場に向けての準備を若者たちに適切に与えているだろうか?多くの人はそうではないと言うだろう。実際には、10パーセントの学校だけが、何らかのコンピュータサイエンスのクラスを提供しているに過ぎない 。もし学校のレベルで、生徒たちを教室の外にあるテクノロジーに触れさせることを始めないならば、すぐにスキルのギャップは埋めることのできない谷になるだろう。

エデュテックは次のフィンテックだ

教育と学習テクノロジー界は、毎年英国経済に10億ポンド以上の寄与を行っていて、その過程で世界で最も革新的なスタートアップ企業を生み出している。Raspberry PiからBlackbullion、そして私たちのKnowledgemotionまで、現在英国には1000を超えるエデュテックスタートアップがひしめき合い、教育イノベーションで世界をリードしようとしている。

学校や、カレッジ、そして大学への直接アクセスを持っている唯一のテクノロジー業界であることとは別に、エデュテックは投資家にとって最も安全な賭けである。金融市場の浮き沈みとは異なり、エデュテックは安定していて、より広範な地政学的な情勢の圧力の多くから守られている。これは、賢い投資家からのスマートな資金のための、安全な避難所のようなものだ。

しかし、これは氷山の一角に過ぎない。エデュテックが、世界最大のコンテンツプロバイダー、最大の教育機関、「確実なこと」を探している投資家などに約束する機会は、ほぼ無限である。やがて「デジタルファースト」の仲間に遅れて加わるとしても、今のエデュテックは、最大のそしておそらく最も収益の高いデジタル適用分野の地位を求めてさまよっている最中だ。

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(翻訳:Sako)