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スウェーデンのスタートアップGretaが、巨大なCDN市場を突き崩す

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スウェーデンのスタートアップGretaが、数百億ドル規模のコンテンツデリバリーネットワーク(CDN)市場を静かに突き崩そうとしている。この新しい法人にはすでに Jan Erik Solem(Polar Rose and Mapillaryファウンダー)、Hampus Jakobsson (TAT and Briskファウンダー)、Jeremy Yap(先日The Europasでベスト・エンジェル投資家に選出)など、有名なエンジェル投資家がずらりと名を連ね、ベンチャーキャピタルのBlueYard Capitalも後援者となった。

このベルリンを拠点とするBlueYard CapitalはGreta向けに110万ドルのシードラウンドを率いた。さらにSophia Bendz(Spotifyの前マーケティング・グローバルディレクターで、現在はベンチャーキャピタルAtomico幹部)も投資家リストに加わった。筆者の理解ではBlueYardの投資家調査の中で「市場の分散化」「性能の民主化」について触れており、この調査書がきっかけでGretaが同ベンチャーキャピタルに興味を持ったと記憶している。

「ラウンドに加わりたいベンチャーキャピタルは他にもありましたが、現状で考えられる機関投資家はBlueYardしかありませんでした。私たちの主な目的は資金確保ではなく、BlueYardsの知識とグローバルなネットワークの助けを借りることにあります」とTechCrunchに話すのは、GretaのCEOで共同設立者のAnna Ottossonだ。

「今年末までシードラウンドは行わないつもりでしたが、Jason Whitmire(BlueYardのパートナー)に初めて会ったとき、その調査書と世界観に大変興味を持ちました。テクノロジー系スタートアップで大胆な賭けをする意志があることも、Gretaのビジョンと同様に『インターネットをより良くする』という使命についての真剣さも、BlueYardは既に証明済みでした」。

昨年末にローンチしたGretaは、画像や動画などのウェブサイト・コンテンツへの最適ルートを計算し、既存のサーバーとCDNプロバイダーか、Greta独自のピア・ツー・ピアソリューションを経由して配信する。どちらを経由するかはエンドユーザーがより良いエクスペリエンスを得られる方で決定する。

「Gretaが解決しようとしているのは、企業側がエンドユーザーに十分なサイトのパフォーマンスを提供するのは困難で、動画のバッファリングで待たされたりサイトの読み込みが遅かったりするせいで、潜在的な収益だけでなくユーザーも失っている問題です」とOttossonは述べる。

「しかも、重大な局面に限って快適なサイトパフォーマンスが提供できないことが多々あります。ウェブサイトへのアクセスが殺到して、前述のようなパフォーマンスの問題が起きるリスクが高まることが原因です」とも付け加える。

たとえば重大な局面には、大規模なスポーツイベントのライブ配信、eコマース会社による新しいキャンペーンのローンチ、ニュースサイトによる一大スクープの配信などによる動画のストリーミングなどがあるだろう。あるいはHacker News(ハッカー・ニュース)で1位になったスタートアップのウェブサイトにアクセスが殺到し、高サーバー負荷でクラッシュが発生するようなケースもある。GretaのJavaScriptコード1行がここで役に立つ。

「ウェブサイトにGretaのスクリプトを追加すると、リアルタイムなトラフィックの分析を開始し、数時間のうちに個々のサイトに応じたパフォーマンス向上のための推奨事項を提供します。たとえば特定の地域でCDNを切り替えたり、Greta独自のピア・ツー・ピアソリューションを有効にしたり、といった項目です」とOttossonは説明する。

「Gretaのピア・ツー・ピアソリューションはwebRTCに基づくので、直接ブラウザにピア・ツー・ピアでコンテンツの配信が可能です。トラフィック負荷が高い場面でも、動画のバッファリング、サイトのスローダウンやクラッシュのような問題を防ぐことができます。エンドユーザーのエクスペリエンスが最大限に向上するよう、Gretaは常に最適化を行います」。

エンドユーザーのブラウザがwebRTCをサポートする限り、特に追加のソフトウェアをダウンロードやインストールしなくても、GretaならブラウザベースのP2Pコンテンツ配信に切り替えることができる。つまり既存のCDNネットワークから比較的離れたアフリカや中東のような地域でもサイトやメディアストリーミングのパフォーマンス改善が可能になる。

Ottosonはこう締めくくる。「既存のCDNは物理的なインフラストラクチャの構築による制約がありますが、Gretaにはそれがありません。彼らがより優れたパフォーマンスを提供するには、ネットワークを建て増さなければならないでしょう。今あるCDNインフラストラクチャは西ヨーロッパと北米に集中しているので、インターネットのトラフィックが前年比で40パーセントも増えている中東やアフリカのような地域では非常に限られたインフラしかないのが現状です」。

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(翻訳:Ayako Teranishi / website