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Toastが150万ドルを調達、アジアの移住労働者のために海外送金サービスを展開中

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盛り上がりを見せる東南アジアのフィンテック業界で最近資金調達を行ったのが、海外に住む移住労働者向けに、簡単で安い海外送金サービスを提供しているToastだ。

シンガポールを拠点とするToastは、”プレシリーズA”と同社が呼んでいるラウンドで、150万ドルを調達したと本日発表した。Aetius Capitalがリードインベスターを務めた今回のラウンドには、アメリカの1776やオーストラリアの金融サービス企業Pepper Groupが参加した。

Toastは、東南アジアのスタートアップの多くと同様に、これまでMoneygramやWestern Unionなどのサービスを利用して母国の家族へお金を送っていた、多数の移民労働者をターゲットにしている。2015年に設立された同社は、Androidアプリを介して、電子海外送金サービスを安価な手数料(もしくは無料)で提供している。毎月送金を行っている人であれば、1年間で手数料が1ヶ月分の給与に相当することもあるため、これはユーザーにとっては大きなアドバンテージだ。

さらにToastは、現状のシステムを壊して一からサービスを構築する代わりに、受取人がお金を回収するときなどは、地元の既存の送金業者と協力してサービスを提供している。その一方で、海外決済から1番恩恵を受けているWestern Unionのような大企業は、彼らのサプライチェーンには含まれていない。

「私たちは、銀行など旧来の金融機関を代替しようとは思っていませんが、事業を成長させるため、流通やアクセス面で意味のあるパートナーシップを結んでいきたいと考えています」とToastのCEO兼ファウンダーであるAaron Siwokuは、TechCrunchとのインタビューで語った。

当初Toastは、ビットコインやブロックチェーンテクノロジーを使っていたが、将来的に暗号通貨への規制が強まる可能性があることを考慮し、利用を取りやめた。

「規制を受けたくないという理由からビットコインを使っている企業はたくさん存在します。確かにビットコインやブロックチェーンテクノロジーは素晴らしい技術ですが、私たちが関わっているビジネスの実情を考えると、個人的には暗号通貨にも規制が必要だと考えています。今後、送金ライセンスを持っている私たちにとっては有利な状況になっていくと思いますし、いつかはビットコインも規制の網にかかることになるでしょう」とSiwokuは説明する。

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現在Toastは香港とフィリピンでオペレーションを行っており、フィリピンの送金市場の規模は、推定で年間297億ドルと世界で3番目の大きさだ。また、資金調達に関するニュースの他にも、本日同社はシンガポールで送金ライセンスを取得したと発表し、近日中に同国でもサービスが開始される予定だ。

イギリス出身のSiwokuは、家族へお金を送るために店頭に並んでいたフィリピン人労働者の列をシンガポールで見て、Toastのアイディアを思いついた。彼は、送金のために何時間も辛抱強く列で待っている労働者の手に、スマートフォンが握りしめられていることに気付いたのだ。

Siwokuによれば、今後Toastは、送金サービスの需要が多いと彼が考えるインドネシア、マレーシア、インド、パキスタンにサービスを展開していく予定だ。その後ヨーロッパへ進出していく可能性もあるが、そのためには追加で資金を調達する必要があり、18〜24ヶ月くらい先の話になるだろうとSiwokuは付け加えた。

3月のサービスリリース以降、Toastは成長を続け、今ではフィリピンから香港への月々の送金合計額が100万ドルを超えるほどだ。

またSiwokuは、Toastが他の国にサービスを展開する前に、単なる送金以外の新しいサービスを増やしていきたいと考えている。新サービスの内容は、香港やシンガポールに住む移住労働者向けの、マイクロローンや保険商品かもしれない。というのも、移住労働者のクレジットヒストリーやレーティング情報を集めるのは難しく、旧来の金融機関は彼らをターゲットにしていないのだ。

「私たちはお金の流れを把握していますし、融資やその他のサービスを提供するために必要な、顧客の情報やクレジットヒストリーも手元に持っています」とSiwokuは話す。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter