ピーター・ティール、トランプの政権移行チームに自らのFounders Fundの幹部を引き抜く

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ピーター・ティールが自分の選んだ人材に対して信義に厚いのは有名だ。逆もその通りで周囲の人材はティールに忠実だという。シリコンバレーでは何十人もの人々がティールの創立したベンチャーキャピタル、Founders Fundやヘッジファンド、Clarium Capitalで働いたことがある。ティールはClariumのマネージング・ディレクター、Ajay Royanと共に後期のスタートアップを対象とするベンチャーキャピタル、Mithril Capitalの共同ファウンダーでもある。

そこでティールがFounders Fundのプリンシパルの一人、トレイ・スティーブンス(Trae Stephens)をドナルド・トランプ次期大統領の政権移行チームに引き抜いたのは不思議ではない。ティール自身はチームに2周間前に正式参加している。Bloombergによると、スティーブンスはトランプ政権そのものに加わるわけではないが、国防総省および安全保障関連の政策立案とスタッフの任命を助けることが期待されているという。

スティーブンスの移行チームへの任命は奇妙であると同時に予想通りという二面性を持っている。 ジョージタウン大学で中東の比較政治学を学びながら首都ワシントンで下院議員のインターンを務め、卒業後はLexisNexisでデータ・アナリストを2年間務めた。その後Founders Fundが支援するPalantirのデータアナリストを経て2013年の12月にFounders Fundに加わっている。

スティーブンスはともかく優秀なのだろう。その点でティールを始めとするトランプの政権移行チームのメンバーには似たところがある。トランプの娘婿、ジャレド・クシュナー、息子のエリック、ドナルド・ジュニア、娘のイバンカ・トランプ(ジャレドの妻)、ヘッジファンドのマネージャー、アンソニー・スカラムッチ(Anthony Scaramucci)、外科医のベン・カーソン(Ben Carson、住住宅・都市開発省長官のポストを打診されているが本人は迷っているもよう)などの人々と同様、スティーブンスも優秀ではあろうが、政府機関でこれというほどの公職に就いた経験がない。

しかしティールは「アメリカ政府(Palantirの売上の40%を占める)は破綻している」と繰り返し述べており、新しい政治の必要性を説いている。ということは政権の要職にティールやスティーブンスのようなアウトサイダーをあてるのも予期したとおりかもしれない。

さらに予想どおりなのは、ティールがトランプの政権移行チームのメンバーに選んだ人間がティール自身の会社の幹部であるという点だ。ティールは人を見る目に自信を持っており、採用した人物を信頼しているという。一方でシリコンバレーではティール自身のサークル以外からはトランプを支持する人材を見つけるのが難しいという事情も伝えられている。

Washington Postの記事によれば、ティールはトランプ政権の要職について「編集可能な候補者リスト」をiPad上に持ってるということだ。このリストにはビジネス・ノンフィクションのベストセラー、『ゼロ・トゥ・ワン―君はゼロから何を生み出せるか』の共著者、ブレイク・マスターズやPalantirの共同ファウンダー、ジョー・ロンズデール、連続起業家で若者の起業を応援するThiel Fellowshipのエグゼクティブ・ディレクターのジャック・エイブラムが含まれるという。

Washington Postの記事によればシリコンバレーではトランプを嫌っており、トランプに接近することはビジネスに不利益になる可能性があるとしてティールを評価しない人々も多いという。

〔日本版〕シリコンバレーのベンチャーキャピタルにおける「プリンシパル」はアソシエートとパートナーの中間の職位。パートナーに昇進する可能性の高い地位だとされる。

画像:: Joe Raedle/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+