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ライドシェアリングで新たなユニコーンが誕生:Careemが楽天などから3億5000万ドルを調達

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2016年も残すところあと少しだが、ライドシェアリング業界に誕生したもう1つのユニコーン企業を紹介する時間はまだ残されている。エマージング市場におけるUberのライバル企業Careemは、楽天とSaudi Telecom Company(STC)がリードするラウンドで3億5000万ドルを調達したことを発表し、世界中の脚光をあびることとなった。

今回の資金調達により、ドバイを拠点とするCareemのバリュエーションは10億ドルとなる。STCが発表したところによれば、同社はCareemの発行済株式数の10%を1億ドルで取得するという。

4年前に創業したCareemは現在、11カ国47都市でビジネスを展開しており、そのほとんどがトルコ、パキスタン、北アフリカ諸国など中東の国々だ。同社が「Captains」と呼ぶドライバーの数は15万人にものぼり、すでに600万人のユーザーを獲得している。Crunchbaseによれば、Careemがこれまでに調達した合計金額は7200万ドルであり、今回の調達ラウンド(シーリズD)は同社にとって大きなステップアップだったと言えるだろう。

今回調達した資金は、主にマーケット拡大のための費用に充てられるようだ。先日Careemはトルコへの進出を発表したばかりであるが、その他にも、12月中にパキスタン、サウジアラビア、エジプトの15都市にもビジネスを拡大すると発表している。これにより100万人の雇用を創出することを目指すだけでなく、R&Dにも一定の資金を投下していくとのこと。今年の夏、Careemは中東地域における「交通関連のテクノロジー・インフラストラクチャーを加速する」ための1億ドル規模の研究計画を発表している。

Careemの共同創業者兼CEOであるMudassir Sheikhaは、プレスリリースのなかで「楽天やSTCのような世界クラスの戦略的パートナーをもつことができ、身の引き締まる思いです」とコメントしている。「彼らとのパートナーシップは新しいCareemを支える大きな力となるだけでなく、彼らがもつグローバル・テクノロジー業界におけるリーダーシップとローカルマーケットにおける豊かな経験によって、この地域に住むすべての人々の生活を改善するという私たちの目標にさらに一歩近づくことができました」。

Careemに投下される資金はこの3億5000万ドルだけではない。同社によれば、今回の調達金額はCareemが現在交渉中の5億ドル規模の資金調達の一部でしかない。この資金調達が完了するまでの具体的なタイムフレームは公表されていない。

本調達ラウンドには、UberのライバルであるLyftと南アフリカのCabifyにも出資する楽天と、中東最大の通信企業であるSTCの他にも、Abraaj Group、Al Tayyar Group、Beco Capital、El Sewedy Investments、Endure Capital、Lumia Capital、SQM Frontier、Wamda Capitalなどが参加している。

STCはこれまでにも、STC Ventures(同ファンドはSTCとは独立して運営されており、STCも主要LPの1つとして参加している)を通してCareemの株式をすでに取得している。しかし今回の調達ラウンドは、STC本体が「イノベーティブなデジタル企業への投資戦略」の一環として直接Careemの株式を取得するというものだ。

Uberがビジネスを展開する都市には中東諸国の都市も含まれているが、それだけではなく、同社とこの地域には財政的なつながりもある。Uberは今年6月、サウジアラビア政府が出資するPublic Investment Fund(PIF)から約620億ドルのバリュエーションで35億ドルを調達したと発表している。その当時、中東地域におけるUberドライバーは39万5000人だった。女性による運転が禁止されているサウジアラビアでは、Uberを利用する乗客の約8割が女性だという。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter