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オンデマンドクリーニングのMulberrys―、退場者も出ている業界に新風を巻き起こせるか

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オンデマンドのクリーニングサービスが厳しいビジネスだということは、既に一部では知られている。Washioは昨年事業をたたみ、資産を競合のRinseに売却中だ。当時RinseのファウンダーのAjay Prakashは、クリーニングサービスに関して言えば、オンデマンドがもっとも効率的で経済的なモデルだとは言えないとTechCrunchに語っていた

しかし、ベイエリアでクリーニングサービスをスタートさせたMulberrysという新しいスタートアップは、オンデマンドのプラットフォームと従来のクリーニング店をかけ合わせたサービスを武器に、Prakashの意見が間違っていることを証明しようとしている。

今週ベータテストを終えたMulberrysは、10軒の拠点とドライバー隊を利用してサンフランシスコの顧客にサービスを提供しようとしているが、ミネアポリスでは既に数年前から営業している。

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ファウンダーのDan Millerは、マッキンゼーにコンサルタントとして勤めていた頃にこのビジネスをはじめたが、その後すぐにマッキンゼーを去ってSchool of Drycleaning Technologyに入学し、以前は自分が着ていたような高級スーツのプレスの仕方を学びはじめた。

「ドライクリーニング・洗濯業界の現状が、現代のベストプラクティスと考えられているものからかけ離れていることに、いつも驚かされていました。ほとんどのドライクリーニング店はウェブサイトさえ持ってませんからね」とMillerは話す。

それからすぐに彼は、もっと現代的なオペレーションに少し捻りを加えたサービスを開始する。Mulberrysは通常のクリーニングに加えてドライクリーニングサービスを提供しており、ピックアップから洗濯、配達まで全てを自社で管理している。さらに全ての作業は、委託業者ではなくMulberryの社員が行っている。

ここが、Washioの判断が誤っていたポイントかもしれない。というのもオンデマンドの分野では、外部に業務を委託した場合、人材の入れ替わりが激しく人材管理のコストが高くついてしまうのだ。Rinseでも、受託業者や外部の人材ではなく、社内のスタッフが実作業を担当している。

シリコンバレーでの営業開始と共に、Millerは2000万ドル前後の資金調達も視野に入れている。もしかしたら、彼は上手く投資家を説得できるかもしれない。シリコンバレーに拠点を置く大多数のスタートアップと違い、MulberrysはこれまでVCからの投資を受けていないとMillerは言う。さらに同社は何年間も黒字を出しているのだ。また、ビジネスの全ての側面を社内で管理することで、Mulberrysは利益を拡大しつつも顧客にシームレスなサービスを提供できている。

実際のサービスの流れは競合他社とほとんど変わらない。ユーザーがピックアップの日にちと時間を指定すると、Mulberryのスタッフが洗濯物の回収に向かい、クリーニング、配達までを通常同日中に完了させる。しかし、Rinseは夜間の2時間しかピックアップを行っていないところ、Mulberrysユーザーはピックアップの時間を朝と夜から選ぶことができる。

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実際のサービスはどんな感じなのだろうか?ベータテストの期間中に、彼らのサービスを私が実際に試してみたところ、ドライバーが同じ日に2度洗濯物を取りにきたり、私が指定したい日がアプリに表示されなかったりと、予想通りいくつかの不備があった。しかし今週の正式ローンチ後、このような問題は起きていないようで、今は好きな日時に自分の家まで洗濯物の回収に来てもらえる。

さらに紫色のブラウスをドライクリーニングに出したところ、油汚れが一部残っていた。Mulberrysのデリバリースタッフは、もう一日あれば全ての汚れがとれそうだったが、翌日配達指定だったので一部汚れが残ってしまったと説明すると同時に、私が希望すれば無料でもう一度クリーニングを行い、全ての汚れを落とすこともできると提案してくれた。

その他にも、Mulberrysは環境にやさしい洗剤を使っており、変なものが混ざった状態で配達されないように、全ての洗濯物は配達までに10回もチェックされているとMillerは話す。

彼らは厳しいクリーニング業界を生き抜いていけるだろうか?Mulberrysはベイエリアでは少なくとも一社と競合していかなければならないが、サンフランシスコにはお金を払ってでも料理、洗濯、掃除といった家事を誰かにお願いしたいと考えているテック企業の社員がたくさんいるだろう。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter