米国版TechCrunchも教材に ― IT業界特化型の英語学習アプリ「HiNative Trek」に新コースが登場

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2016年の年末、「来年こそは英語をもっと上達させよう」という抱負とともに年を越した読者も多いのではなかろうか。

ただ、英語の学習を毎日続けるには相当なやる気と根性がいる。TechCrunch Japanの読者にはIT業界やスタートアップ業界で忙しくはたらく人も多いことだろうから、「そんな時間なんてないよ」という声も聞こえてきそうだ。

そんな悩みを解決してくれるのが、ITやスタートアップ業界に特化した英語学習アプリ「HiNative Trek」だ。同アプリを提供する日本のLang-8(ランゲイト)は2月19日、HiNative Trekに新コースを追加することを発表した。

1日1題、ネイティブの添削付き

HiNative Trekは、平日に1問ずつ出題される課題を解くことで英語学習ができるサービスだ。ユーザーはその課題の回答を英語で記入するとともに、自分の発音を録音する。すると、英語ネイティブが自分の回答を添削してフィードバックしてくれる仕組みだ。午後1時までに投稿すれば、当日中に指導が行われる。ユーザー数は非公開。

HiNative TrekはIT業界特化型のアプリということもあって、業界で働くユーザーであれば日頃の業務で頻繁に使うような英語表現を集中的に学べるのが特徴だ。

「IT Part2」と名付けられた新コースは、これまでと同様にIT業界やスタートアップで働くユーザー向けの学習内容となっている。用意されているシチュエーションとして、例えば「プロジェクトの目的やKPIをチーム内で話し合う」、「スポンサードコンテンツ出稿を想定して、価格交渉や進行管理を行う」などがある。

また、IT Part2では米国版TechCrunchで実際に公開された記事を教材にしたコンテンツも用意されているそうだ。TechCrunchの記事を和訳したり、記事に対する意見を英語で伝えるという課題があるそうだ。(僕は米国版TechCrunchの翻訳も担当してるので、その楽しさは保証する)。

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Lang-8代表取締役の喜洋洋氏は、IT業界に特化した理由を「IT系の人はフットワークが軽く、新しいタイプのサービスも抵抗なく使ってくれる人が多い。また、自分の周りでHiNative Trekが利用されるイメージができたことも大きい」と語る。

5月頃には一般ビジネス英語コースも開講

しかし、HiNative Trekは今年の5月頃に転換期を迎える。Lang-8は、これまでのIT業界に特化したコースだけでなく、一般のビジネスユーザーも対象にしたコースを開講する予定だ。

さらに、このコースでは日本語の他にも、中国語、韓国語、ロシア語、スペイン語の教材も用意される(学ぶ言語は英語のみ)。これまでは日本人だけが対象だったHiNative Trekだが、今後は外国人ユーザーを積極的に獲得していく構えだ。

Lang-8はHiNative Trekの他にも、「HiNative」と呼ばれるQ&A方式の英語学習アプリも提供している。2014年11月にリリースしたHiNativeは順調に成長を続け、現在のユーザー数は48万人だという。質問と回答の数は、それぞれ157万件と545万件だ。質問に対して4倍近い回答が集まっているところを見ると、コミュニティは活発なようだ。新規ユーザーが話す言語を多い順に並べると、英語、中国語、ロシア語だという。HiNativeは以前にもTechCrunch Japanで紹介している。screen696x696

Lang-8は、「英語を学びたい日本人」と「日本語を学びたい英語話者」との需給のバランスを保つことにフォーカスしている。そのため、喜氏は「今でも日本人ユーザーは自然増加に任せている」と話し、現在は外国人ユーザーの獲得に注力しているそうだ。具体的には、英語で国内の情報を発信する、さまざまな国籍のYoutuber(ユーチューバー)へアプローチして、サービスを紹介してもらうなどの外国人ユーザー獲得のためのマーケティング施策を行っている。

だからこそ、Trekでも一気にグローバル化を図り、対象ユーザーの幅も広げることで、HiNativeからHiNative Trekへのユーザー流入を目指すようだ。

HiNative Trekの利用料は月額9800円。単に「英語学習アプリ」という枠組みで考えると少し割高だという意見もある。それについて喜氏は、「たしかに、アプリを利用する前のユーザーからは『アプリなのに高い。会話できないのに高い』という声もあった。しかし、リリースしてみると、実際にアプリを利用しているユーザーはこの価格に納得して頂いていると感じる」と話す。

1日あたりに換算すると490円。たしかに、スターバックスのコーヒー1杯分くらいの価格で毎日ネイティブから添削してもらえると考えると安いとも言えるかもしれない。喜氏は価格設定には強気で、「感覚的にはもっと高くてもいけると感じている」と話している。

Lang-8は、昨年10月に京都大学イノベーションキャピタルなどから総額2億円を調達した。2017年はその資金を利用してアプリのリテンション率を高めることを目指す。