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AltSchoolは子供たちの学習の変革を目指す、しかしそこで学ぶ子供たちの将来に対する懸念が浮上

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Business Insiderの最近の報告によれば、多くの家族が、AltSchoolでその子供たちが受けている教育に不満を募らせている。AltSchoolはサンフランシスコを拠点とする野心的なエデュテックであり、4年前に実際の学校を開校し、多くの子供たちが受けている標準化された教育よりも、遥かに優れたパーソナライズド学習アプローチを提供することを約束していた。

しかし、AltSchoolに関する懸念を高めているのは親たちだけではない。教育者たちもまた、AltSchoolは来る教育の中で最良のものなのかどうか、あるいは営利目的の会社は、関わる子供たちの将来の妨げにはならないのか、そして将来に渡っても影響を残すのではないかと懸念している。

AltSchoolに対する嫌悪感は、この1年の間に増してきたように見える。それは、もともとはその学校と教室のネットワークを拡大しようしていた同社が、成長を加速させるために、自身の学校を作る代わりに、パーソナライズド技法を取り入れたい他の学校に初期プログラムをライセンスし始めたときから始まった。

欲求不満は、最近沸点に達し、ある母親はBusiness Insiderのインタビューに答えて、自分の子供たちは「モルモット」にされていると訴えた。

この言葉は、ここ数ヶ月の間に私たちが出会った、幾組かのAltSchoolファミリーの間で囁かれている。多くの親たちが出席した9月の誕生日パーティーで、ある母親は2人の子供をプログラムから連れ出して、近隣の公立学校に入れたと語った。パーティには参加した他の親たちも、次の秋には別の場所に子供たちを参加させられるように積極的に動いていると語った。彼らが指摘する最大の理由は、彼らの子供たちが学業的に遅れているという点だ。ある匿名希望の母親が私たちに対して語ったところによれば、約3万ドルの年間授業料を払っているだけではなく「子供たちが学んでいないものを補うために、皆沢山のお金を使っています」ということだ。

AltSchoolに2人の子供が通う別の母親は、最近サンフランシスコの名門私立学校の校長と話した際に、もし将来彼の管理する学校への入学を認められたいならば、子供たちを他の学校に移した方が良いというアドバイスを受けたと語った。

あなたには怒る権利がある

彼らの怒りを更に複雑なものにしているのは、ごく最近明らかになったAltSchoolに関する新事実である。これまで7箇所にまで成長していた既存の学校のネットワークが、現在はわずか4つにまで減少しているのだ。カリフォルニアに2つ、そしてニューヨークに2つである。この動きは親たちに疑問を投げかけた。AltSchoolはただ子供たちからデータを抽出して脇に投げ捨てるために、家族たちをそのプログラムに誘い込んだのだろうか?

そのような不満について質問したところ、同社を創立して運営していた元GoogleエグゼクティブのMax Ventillaは、AltSchoolの実際のロケーションを縮小する決定はAltSchoolのソフトウェアに対する「想像以上に大きな需要」に起因していると答えた。このソフトウェアは既に半ダースほどの私立または公立学校にライセンスされていて、 学校のサイズに応じて、年間生徒1人あたり150ドルから500ドルが課金されている。

「学校の数を減らそうという私たちの動機は、残っている学校に対して限られたリソースで最高品質の体験を提供できるようにしつつ、AltSchoolビジネスのソフトウェアの側面を当初の計画よりも速く成長させることができるようにしたい、というところから来ています」とVentillaは語る。

そして彼は、パロアルト、サンフランシスコのドッグパッチ地区、そしてニューヨークのイーストビレッジの拠点を閉鎖するという決定は、Bloombergが最近報じたように、同社の財務には影響しないと付け加えた。その一方で、AltSchoolはシリーズCのラウンドをクローズさせようとしている。また「追加の融資と調達資金によって、銀行には引き出し可能な6000万ドルがあります」ということだ。

彼らはありのままが良いと言う

それでも、AltSchoolが他の学校のために、ソフトウェアを製品化して販売する必要があるかどうかと尋ねることは、おそらく意味があるだろう。現時点では、内部の人間も、外部の者も、それはまだ早すぎると言っている。

Jennifer Carolanは(初期段階の教育テクノロジースタートアップに焦点を当てたベンチャーキャピタルである)Reach Capitalの共同創業者兼ゼネラルパートナーである。彼女は当初から、AltSchoolは親たちが飢えているような種類のパーソナライズド教育アプローチを売り込んでおり、これまで何十年もの間試みられてきた、画一教育から離れて個々の子供たちの必要性に合わせて調整される教育の実現を狙っているのだと指摘する。

それにもかかわらず、パーソナライズド学習は「上手く実現することが非常に難しい」と彼女は語る。実際、CarolanはAltSchoolが立ち上がる際にも時間を費やし、多くの革新的なアイデアがあると結論付けてはいるが、現在の彼女の懸念は、それがまだ初期の試行錯誤を行っている段階での、あまりにも多額の資金導入が、「時期尚早の拡大」につながってしまうのではないかということだ。

他の投資家たちが投資を行う中で、Reachは投資しないことを選んだ。AltSchoolはこれまでのところ、Facebook CEOのマーク・ザッカーバーグや、Founders FundやAndreessen Horowitzなどを含む著名なベンチャー企業から、1億7500万ドルの資金調達を行っている。

AltSchoolで3年間を過ごす前に、公立学校の教師として4年間働いた経験を持つ若く熱心な教育者Paul Franceは、この学校の魅力を十分に理解している。しかし彼もまた、AltSchoolや他の新しい学校が推進しているパーソナライズド学習のブランドについては特に懸念している。「初めてAltSchoolに着任したとき、私たちは新しい学校を開設している最中でした。話し合える沢山のクールな人たちがいて、沢山のクールなアイデアに溢れていました」。彼は「パーソナライズド学習の基礎は非常に興味深い」と考えたのだ。

3年後、Franceはこのアプローチについて、大きく異なる気持ちになったと語る。「私たちは現在、パーソナライズド学習に価値を置く個人主義の社会に生きています。おそらく度が過ぎる程に。それは『私が、私が、私が』なのです。しかしそれは教育の真の問題に対する解ではありません」。実際、現在はシカゴで教えているFranceによれば、AltSchoolや同種の学校は、生徒たちに対してあまりにも個別化されたコンテンツを作ってしまうことによって(「それは実際の社会システムや仕事が行われているやりかたではないのですから」と彼は指摘する)、図らずも生徒たちと教師たち両者の動きを妨害してしまっていると語る。それだけでなく、現実的でない期待に応えるよう求められる教師たちに酷い負担を強いることになるとも付け加えた。

「すべての子供がそれぞれのニーズを満たすために異なるアクティビティを必要とするという前提があって、テクノロジーを利用することによって、ビデオやアクティビティカードを通じて個別のコンテンツを与えることができます」とFranceは言う。「しかし、それは必ずしも真実ではないのです。子供たちが、主に消費のために送信されるビデオやその他のコンテンツだけを通じて学ぶのは、最善の方法ではありません。そして、この前提の下で運営されるテクノロジーは、教育者と良い教育両方の価値を損なうものなのです」。

Ventillaは、AltSchoolが教育へのアプローチを再考しなければならなかったことを、あっさり認めている。AltSchoolが始まったときには「運営に焦点を当て、施設に焦点を当て、偉大な教師たちを雇用し、課題の発生に対応して入学、顧客支援、などのサービスを行ないました。しかし教育体験そのものには力を入れていなかったのです」と彼は語る。「私たちは生徒たちと教師たちの関わり方に焦点を当てていませんでした。それどころか、私たちは生徒たちの邪魔さえしなければ、生徒たちは十分に成長するだろうと考えていたのです」。

AltSchoolが学んだのは「それは上手くいかない、ということです」と彼は続けた。「もし生徒中心の経験を創り上げたいならば、教師たちと生徒たち、そして学校の責任者たち全員が、教室の四方の壁の中でより多くの支援を必要としているのです」。

いま弁明のとき

それに気が付いて以来、教育者、技術者、ビジネスオ運営スタッフを含む180人を雇用しているAltSchoolは、多くの問題を解消してきており「親御さんたちの満足度と、学業的そして非学業的な基準で生徒たちが成し遂げたという点で、大きな改善が行われました」と、Ventillaは強調している。

Ventillaによれば、昨年AltSchoolを卒業した30人の子供のすべてが、本人の第1希望、もしくは第2希望の学校に合格している。彼はさらに、AltSchoolの経験についての質問に答えた家族の92%が満足だと回答したと話した。これは昨年の85%から上昇している。

私たちが取材した2つのベイエリア在住の家族は、この結果を補強した。Gilead SciencesのエグゼクティブSharon Grehanには、AltSchoolに通う2年生の子供がいる。その子の通っている学校が来年の秋に閉鎖されるため、別の場所に転校しなければならないのだが、彼女は同じ組織の学校に留まりたいと言う。

「AltSchoolにおける社会的感情の要素は、学業的要素と同じくらい重要なことです。そしてそれが私にとって重要なことなのです」とGrehanは、同校の魅力を語る。「3年前にAltSchoolに入学するまで、私の息子はグループに参加せず、仲間とやりとりすることもなく、自分自身を惨めなものと考えていました。現在は、息子は人生を愛し、学校を愛し、沢山の友達を持っています。パーソナライズド教育の部分は、彼にとっては非常に重要なのです」。

昨年Grehanは、午後11時に息子の教師からステータス報告を受け取って、とても心配したと言う。「先生の疲労がとても心配だったのです」と彼女は言う。しかし、Streamと呼ばれるアプリを通して親たちにプッシュされるこのような記事は、現在は数も減り間隔も開くようになっている。そして主に「遠足や社会イベント、そして定期的に、学校が私の息子について私に伝えたい事柄を含んでいます。例えば、息子が克服した恐怖や、先生たちが喜んだ息子の楽しい行動などについてです」。

いじめ予防について教えていて、同校に2年生と5年生の娘を通わせるもう1人の母親Sandya Mysoorも、同じように子供たちをAltSchoolに通わせ続けるつもりだと語った。新しい学校に入学することは「サイコロを振るようなことだと知っています」と彼女は語った。「何が起こるのかは分かりませんでしたが、ならば『何が起こるのか見てやろう』という気持ちでした」。

それから「本当に沢山の変更がありました」と、Mysoorは語る。しかし、彼女はこのことには驚いていない。「彼らが行った変更は、よくあるものでしたし、スタートアップの時と同じ路線で進んでいると思います」学校はいつでも内容を改善するためのリトライを行っている。「正しい学校は存在しませんが、私たちの見るところ、AltSchoolは他の学校よりも厳しくそして深く行動しています」。

上手く行けば、子供たちが成長するにつれ(学校がこの先も続くなら)親たちの学校に対しての気持ちもより熱心になって行くだろう。娘が現在AltSchoolに通っているVentillaは、親たちはそう思ってくれるだろうと語る。「私は4歳の息子もAltSchoolに入れようとしている最中です」と彼は言う。「そして私の息子が無事この学校を卒業することを期待しています――できれば高校に至るまで」。

それまでにAltSchoolの高校ができないときにはどうなるのだろうか?そうした場合の異なる可能性を念頭に置いて、私たちはAltSchoolについてあまり熱心ではないと伝えられている私立高校の校長に問い合わせを行ってみた。私たちは彼がAltSchoolの卒業生たちに懸念を抱いているのは本当どうかを尋ねた。彼は「応募者の背景は1人1人別個に見ます」と述べた上で、しかしその学校のカリキュラムには「何らかの」懸念はあるかもと付け加えた。

「学校というものは難しいものです」と、匿名を希望したこの人物は付け加えた。「良い学校と、良いソフトウェアを開発することは全く異なる活動です。両方を行うことは難しいかもしれません」。

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(翻訳:Sako)