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“実はコンビニよりも数が多い”歯科医院向けCRMのDentaLightが1.6億円調達

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歯科医院向けの予約・CRMサービス「ジニー」などを展開するDentaLightは2月5日、500 Startups Japanドーガン・ベータF VenturesBEENEXT、および千葉功太郎士、秦充洋氏、山口英彦氏ら複数の個人投資家を引受先とする第三者割当増資を実施した。調達金額は約1億6000万円だ。

DentaLightのメンバー。写真中央が代表取締役の藤久保元希氏

DentaLightは歯科から予防医療に挑むことを目指し、歯科医院向けの予約・CRMサービスのジニーや、診察券代わりに利用できるアプリ「my Dental」などを提供するスタートアップだ。

ジニーでは、これまで紙で運用されることの多かった予約台帳をオンライン上で運用できるほか、予約の”うっかり忘れ”を防ぐために、診察日が近づいた患者に自動でリマインドメール(SMSかE-mail)を送ることができる。また、歯のメンテナンス時期が近づいた患者をリストアップすることも可能なので、医院からの能動的な集客にも役立てることができる。

DentaLight代表取締役の藤久保元希氏に聞けば、歯科医院には「サブカルテ」なるものがあるのだそう。これは、電子化が進む通常のカルテとは違い、医院ごとに独自のフォーマットで作られている紙の書類だ。そこには、「家族は何人」や「ホワイトニングに興味がある」など、今後の患者とのコミュニケーションや集客に役立ちそうな情報が雑多に書き記されているという。

なぜ、わざわざ別の資料にそういった情報を書くかというと、基本的に電子カルテには「どこどこの歯に治療を行った」など、その後の保険請求につながる事柄しか書かないからだ。しかも、そうして別資料として作られたサブカルテは患者ごとに分けられたクリアファイルに入れられ、そこに問診票、見積書のコピー、Web検索結果をプリントしたものなどが一緒に入れられているような状況だと藤久保氏はいう。そこをテクノロジーで置き換えるのがジニーの役割だ。

また、歯科医院は激しい競争にさらされている。日本歯科医師会の発表によれば、日本全国にある歯科医院の数は約6万8000軒。これは全国にあるコンビニの店舗数(2017年12月現在で約5万5000店舗)よりも多い数字だ。そういえば、僕の自宅近くにある古い商店街のなかだけでも3軒はある。ちなみにコンビニは1軒だけだ。

藤久保氏は、「競争が多い歯科医院は集客に苦労している。サブカルテに書かれた情報こそ、その後のアップセルやコミュニケーションにおいて重要な情報なのに、それがしっかりと管理されていない」と語る。自身がマーケッターでもあった藤久保氏は、サブカルテに書かれた情報をオンライン上で管理することができれば歯科医院の集客の助けになると考え、ジニーを開発した。

ジニーはフリーミアムの料金モデルを採用。予約機能だけを利用できる無料のフリープランと、患者のリストアップなどマーケティング機能も利用できる月額2万8000円のスタンダードプランが用意されている。同サービスはこれまでに50の歯科医院に導入されている。

ただ、正直に言うと、ジニーには個人的に残念と思う点もある。ジニーを使えば患者に予約のリマインドメールを送ることはできるが、そこから実際に予約するためには、メールに書かれた電話番号に電話をかける必要があるのだ。せっかく「myDental」というユーザー向けアプリもあるのだから、それを通して予約ができれば電話嫌いな僕としては助かるのだが。

それについて藤久保氏に聞くと、アプリを通した予約機能はもちろん実装を目指していたが、それに至るまでには大きな障害があったのだという。

医院が提供する治療のなかには、特定の医師でなければ提供できないものがある。また、治療には長く時間がかかるものもあれば短くて済むものもある。そのため、そのような事情を理解してスケジュールの前後を調整できる受付係が必要だという意見が歯科医院から多くあがったのだそうだ。つまり、医院側からすれば、アプリのスケジューラーに空きがあってもそこに“勝手に入れてもらっちゃ困る”というわけだ。

とは言え、ユーザー側からするとアプリから予約できた方が便利であるのは間違いない。アプリを通した予約機能について藤久保氏は、「導入前のヒアリングなどを通して医院ごとの事情を理解し、それをインプットとしてシステム上に反映することができれば、アプリを通した予約機能も実装できる」と話す。