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コインロッカー革命へ「ecbo cloak」がJRやメルカリとタッグ、1万店舗への導入と配送サービスの実現目指す

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写真右がecbo代表取締役社長の工藤慎一氏、左が取締役の藁谷ケン氏

店舗の空きスペースを活用した荷物預かりシェアリングサービス「ecbo cloak(エクボ クローク)」を運営するecbo。同社は2月6日、事業会社とVC、複数の個人投資家から資金調達を実施したことを明らかにした。

今回ecboに出資したのはJR東日本、JR西日本イノベーションズ(JR西日本のCVC)、メルカリ、エウレカ創業者の赤坂優氏、元グルーポン・ジャパン取締役会長の廣田朋也氏、ラクスルやビズリーチの創業メンバーである河合聡一郎氏だ。調達金額は非公開。ただ関係者の話を総合すると数億円規模の調達ではないかとみられる。

ecboでは今回の調達を踏まえ、引き続き各地で荷物預かり拠点を増やしていくとともに、新たな配送サービスなど機能拡充を進め”荷物のない世界”の実現を目指す。 同社のプロダクトを踏まえると、JR東日本・西日本とタッグを組めた今回のラウンドは、今後のビジネス拡大に向けてかなり大きい意味を持つだろう。

主要地域の開拓、大手企業との提携を通じて導入店舗を拡大

ecboは2015年の創業。当初はオンデマンドの収納サービスを手がけていたが、代表取締役社長の工藤慎一氏が「渋谷駅で訪日外国人旅行客のコインロッカー探しを手伝ったこと」をきっかけに、コインロッカー不足の課題に直面。

店舗の遊休スペースを使った荷物預かりプラットフォームecbo cloakを開発し、2017年1月から渋谷や浅草エリアを中心に約30店舗からサービスを始めた。

3月にANRIや個人投資家の渡瀬ひろみ氏、千葉功太郎氏から数千万円を調達。それ以降は関西(京都と大阪)や福岡、北海道、沖縄など各地域への展開を推進。同時に他社との業務提携、インキュベーションプログラムの参加などを通じて、導入店舗の開拓に力を入れてきた。

「観光は日本全国が対象。荷物を預ける場所の問題も各地で起こっていて、それを解決したいというのは変わらない。コインロッカーの設置は簡単ではないし、企業が預かり事業をやるのもハードルが高い。ecbo cloakならサービスに登録さえすれば、その場所がすぐに荷物預かり所に変わる。その世界観を広めながら店舗の開拓を進めてきた」(工藤氏)

直近では三越TSUTAYAの一部店舗も加わったほか、アパマンショップの18店舗にて試験導入され、東京駅の手荷物預かり所でのサービス提供もテスト的に実施している。2月21日以降は東京、神奈川の一部郵便局でも実証実験(2月21日より5局、3月1日より合計31局で導入)を始めるなど、大手企業との協業も活発だ。

ecbo cloakは2018年1月にサービス開始1周年を迎えた。現在の導入店舗数は非公開だが、直近の取り組みや今回JRとタッグを組むことで、目標とする1万店舗に大きく近づくという

郵便局とは2018年7月頃を目処に荷物配送サービスの実証実験にも取り組む予定。これは2017年12月に工藤氏がピッチコンテスト「Launch Pad」にてプレゼンをしていた、「ecbo delivery」という新たな構想の一環だ。

僕はよくコインロッカーを使うけど、目的が済んだ後でいちいちロッカーまで荷物を取りに戻るのは正直面倒。せっかくなら預けた荷物をそのまま次の目的地まで運んでくれたら楽なのにと思うけれど、ecboが今後実現しようとしているのはまさにそんな世界観。

将来的には預けた荷物をボタン1つで配送手配することを目標に掲げ、実証実験ではまず郵便局からecbo加盟店への配送サービスとして始める予定だという。

鍵を握る「駅前の好立地」を開拓、今後は預けた物の配送サービスも

これまでは「利用できる店舗を1万店舗まで増やすこと」をひとつの目標として、導入店舗数の拡大に注力してきた。地方進出も進めてきたが、工藤氏によると現状では東京や大阪といった都市部の売り上げが高いそう。「まずはこのエリアをしっかりと押さえきること」が今後のポイントだという。

「店舗数はもちろん、いかに駅前の好立地を開拓できるかがユーザーの利便性に直結する。その点では(JR東日本、西日本とタッグを組めた)今回のディールはすごく大きい。ビジネス規模が広がるだけでなく、もし今後大手企業などが参入してきたとしても立地面では優位に立てる」(工藤氏)

JR東日本と共同で、東京駅の手荷物預かり所にてサービスを提供

JR西日本とは業務提携も締結。駅構内の拠点の利用や関西地区の預かり所の開拓などを進める。上述した配送サービスにも東日本、西日本双方と取り組んでいく方針だ。

また今回はメルカリからも出資を受けている。同社の組織構築力やシェアリングエコノミー型サービスの広げ方などの知見をサービス拡大に活用。事業提携も検討する。

ecboでは調達した資金をもとに人材採用やプロモーションに力を入れ、まずは「この領域で圧倒的No.1の存在を目指して」全国1万店舗での導入やアプリ開発などに着手。その先では荷物の“保管“に“配送“の要素を加えた、新たなプラットフォームの実現に取り組んでいく。

「去年1年間は主に訪日外国人向けの荷物預かりサービスだった。ただ自分たちがやりたいのは、単なるマッチングサービスを超えたもの。今後はテクノロジーを活用して『ボタン一つで荷物を保管し、運ぶ』ことができる革新的なプラットフォームを目指していく。今回のディールはその目標に近づくものだ」(工藤氏)