エクサウィザーズ

AIの活用で介護領域の課題解決へ、エクサウィザーズが産業革新機構などから8.9億円を調達

次の記事

Google Cloudがアプリケーションパフォーマンスモニタリングのツール集を提供

医療・介護領域を中心に、AIを活用して様々な業界の課題解決を目指すエクサウィザーズ。同社は3月29日、産業革新機構など合計8社から総額8.9億円を調達したことを明らかにした。今回のラウンドに参加したのは以下の企業だ。

  • 産業革新機構
  • 三菱東京UFJ銀行
  • SOMPOホールディングス
  • D4V
  • iSGSインベストメントワークス
  • Scrum Ventures
  • SMBCベンチャーキャピタル
  • IDATEN Ventures

エクサウィザーズは「介護×AI」分野でサービス展開をしていたデジタルセンセーションと、大手クライアント向けにAIソリューションを提供していたエクサインテリジェンスが2017年10月に経営統合してできたスタートアップだ。

デジタルセンセーションはリクルートでAI研究所を立ち上げた石山洸氏がジョインした際にTechCrunchでも紹介。一方のエクサインテリジェンスも京都大学等の研究者・学生と、ディー・エヌ・エー元取締役会長の春田真氏らが運営するベータカタリストが共同で立ち上げたスタートアップとして2016年に取り上げた(エクサウィザーズでは春田氏が代表取締役会長、石山氏が代表取締役社長を務める)。

これまで同社では認知症ケア技法「ユマニチュード」の普及や、熟練者のケア技能を解析することで特徴を抽出し、介護者の育成を促進する「コーチングAI」の開発に力を入れてきた。これらの活動には今後も力を入れつつ、今回の調達を機に新しい取り組みも始めるという。

AIを活用した科学的裏付けに基づくケアの確立(ケアのエビデンス・ベースド化)はそのひとつ。介護領域ではケアの内容を科学的に評価・検証することが難しかったが、現場にあるデータをAIで解析することで、新たな評価手法の確立を目指すという。

構造化されたデータだけではなく、動画や音声、テキストなどのデータも合わせて解析。この結果から優れたケアの動作や対話を可視化できるようにれば、それをケアの内容に反映することもできそうだ。今後は産業革新機構や政府機関、地方自治体と連携を強化し、実証実験や事業化を進めるという。

またエクサウィザーズではAIを活用して、自治体が保有する介護データの無料解析サービスも始める。こちらについては認知症ケアの現場などが抱える課題の解決を目的としている。

認知症は時間の経過と共に症状が進行していくため、ケアの介入効果を検証することが困難だった。同サービスを活用すれば事前に適切な介入タイミングを予測し、予測結果に対する介入効果の比較検証ができるようになる。症状進行前に介入することも可能で、予防介護にも繋がるという。

なお直近では今回の資金調達先でもあるSOMPOホールディングス、三菱UFJフィナンシャル・グループと業務提携を締結(三菱UFJフィナンシャル・グループについては、子会社であるJapanDigitalDesignと提携)。SOMPOホールディングスとは介護や認知症の領域おける取り組みを、JapanDigitalDesignとはオンラインファイナンス関連商品やHR Techサービスの開発検討を進めていく方針だ。