中国の宇宙ステーション、天宮1は間もなく墜落――重量9.4トン、正確な落下地点は不明

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「上がったものはやがて下りてこなければならない」とことわざに言うが、使命を終えた衛星にも当てはまる。中国の最初の宇宙ステーション、天宮1( Tiangong-1)は7年近く軌道にあったものの、制御不能となり降下を続けている。今夜〔太平洋夏時間〕にも盛大な火の玉となって太平洋上に落下するはずだが…正確な場所はわからない。

不明な要素が多すぎるため天宮-1の軌道は推測するしかない。専門家が一致しているのは向こう24時間以内に大気圏に再突入するだろうという点だ。落下地点は北緯43度から南緯43度の間だという。

しかしESA(欧州宇宙機関)の専門家が最近説明したところによれば、巨大な物体が超高速で上層大気に突入するという事態の性質上、正確な時刻、地点はそれが起きるまで分からないという。

それだけ聞けば深刻な事態のように思えるが、実際にはさほどでもない。

天宮1はバスくらいの大きさで重量は9.4トンある(The Aerospace Corporationのビデオではスクールバスと比較されている)。しかし同サイズの隕石に比べると天宮1は内部が空洞なのできわめて軽く、脆弱だ。大気圏に突入すれば容易にばらばらになる。宇宙ステーションははるか以前に放棄されており乗員はいない。他の有人衛星と衝突する可能性もないという。

天宮1は2011年後半に2つの衛星として打ち上げられ、軌道上で結合された。中国の宇宙開発計画で最初の試みだった。その後2年にわたって3基の神舟(Shenzhou)衛星が宇宙ステーションとのドッキングに成功している。神舟8は無人のロボット衛星で、神舟9、10はそれぞれ3名の宇宙飛行士が搭乗していた。

天宮1は中国の宇宙ステーション技術をテストするプラットフォームだった(その後2016年に天宮2が打ち上げられている)。2013年には予定されたミッションを終えて退役した。中国の宇宙機関はスラスターを噴射させて天宮1を洋上に落下させる予定だった。いかに危険は小さいとはいえ、よその国にスペースデブリを振りまくのは良いマナーとはいえない。

The Aerospace Corporationによる図解。天宮1の軌道高度は120km程度で、高度80km程度まで降下したところで分解し、大きな破片は幅70km、長さ2000kmの区域のどこかに落下する。

残念ながら2年前から宇宙ステーションは地上からの指令に反応しなくなった。つまり制御された落下は不可能になった。落下日時が推定されたのは数ヶ月前だ。

テレメトリーが作動していないので、天宮1の現状は外部からの観察に頼るしかない(ドイツのフラウンホーファー研究所のレーダー画像)が、不確定要素が多数あるため正確は予測はできない。24時間程度の誤差で落下予測が可能になったのは先週のことだ。

天宮1の落下を目撃できれば大型隕石が大気圏に突入するときのような火の玉が出現するだろう。宇宙ステーションが上層大気と衝突してランダムに旋転し、分解、炎上するところは中国の宇宙機関の表現によれば「壮大な」宇宙ショーになるはずだ。おそらく1分以上目視可能だろう。

落下が近づくにつれて予測精度はさらに改善される可能性があるので、新たな情報があれば記事をアップデートする。

画像:Fraunhofer

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+