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山登りの地図アプリ「YAMAP」が12億円調達、業界で連携し登山者の裾野を広げる

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登山者向けの地図アプリ「YAMAP」を運営するヤマップは4月13日、ICI石井スポーツや九州広域復興支援ファンドなど合計14社を引受先とする第三者割当増資を実施した。調達総額は12億円だ。

投資家リストは以下の通り:

YAMAPは、電波が届かない山の中でも、スマートフォンのGPSを使って現在地が確認できる登山者向けアプリだ。道中であった出来事や危険な場所などを日記のように残し、他のユーザーに共有するというSNS的な機能もある。YAMAPでは、国土地理院の地図データにユーザーの軌跡データを重ねて”山専用”の詳細な地図を独自に作成。これにより、自分が山のどの部分にいるのか、コース上のどの辺りにいるのかを確認することが可能だ。下にあるちょっと奇妙な見た目の写真は、YAMAPが対応する山を日本地図上にマッピングしたもの。これを見ていただくと分かるように、国内にある山の大半はカバー済みだ。

2013年のTechCrunch TokyoファイナリストでもあるYAMAPのダウンロード数は、現時点で80万件を超え、アクティブユーザー数は50万人、月間のPV数は1億回に達した。ユーザーが投稿する活動日記の数は約155万件だ。

YAMAPはフリーミアムのマネタイズモデルを採用していて、地図アプリやSNS機能など基本的な機能は無料で提供している。月額480円〜の有料会員では、フルカラーの立体プレミアム地図を利用できたり、「YAMAP年次総会」という名のリアルイベントに参加できるなどの特典がある。

特徴的なのは、ヤマップはこの有料会員制度のことを、まるでサッカーチームのファンクラブのように「YAMAPサポーターズクラブ会員」と呼んでいることだ。ヤマップ代表取締役の春山慶彦氏によれば、登山という趣味をあつかうYAMAPでは、よりコミュニティ性を持たせた現在の呼び方の方が良いと判断し、2017年8月に「プレミアム会員」から名称を変更したという。実際、いまの名称に変更したあと課金率が上昇したのだとか。

取材のなかで春山氏は、「登山業界は高齢化が進んでいる。若い登山者を増やし、登山業界の裾野を広げるためには、業界で連携しながら登山の良さを伝えていかなければならない」と、登山業界が抱える課題について触れた。

本ラウンドの投資家リストには、地銀系のベンチャーキャピタルが多く名を連ねている。登山は観光と結び付けられることが多く、地銀と連携することで得られる地方の観光団体とのコネクションが重要だと判断したようだ。そのほか、登山グッズを取り扱う大手スポーツ用品店のICI石井スポーツと手を組み、両社の会員連携や割引特典などを用意する。おしるこやラムネなど、登山者に重宝される食品を取り扱う森永製菓とは、「食×登山」という文脈で連携を進めるという。

ヤマップは今後もこのように業界内外との連携を進め、登山業界の活性化、ひいてはYAMAPのユーザー基盤の拡大をめざす。