ベトナムのICOで6.6億ドルと首謀者7人が消えた――愚か者とその金は…?

次の記事

コードレビューサービスの繁盛でPullRequestはシードから数か月後に$8MのシリーズAを調達

ベトナムに本拠を置くスタートアップ、Modern TechはPincoinというトークンを売り出してICOを行い、3万2000人から6億6000万ドルを集めた。Modern TechはPincoin ICOの後、投資に対する継続的利益を約束しつつ、続いてiFan(セレブ向けソーシャルネットワーク・トークンとやらいうもの))を売り出した。Picoinの出資者は当初、キャッシュで配当を受けるが、その後iFanのトークンが利益として支払われるはずだった。

その後、連中は姿を消した。

こういう手口はエグジット・スカムと呼ばれるが、その中でも今回の事件は近年稀に見る規模だ。またICO市場の今後を考える上でも大いに示唆するものがあった。ベトナム国籍の7人組は、騙されたと知った大勢の投資家が本社に押しかける中、密かに国を脱出していたという。

Tuoi Treの報道によれば、

この事件の首謀者はベトナム国籍の7人で、チームはハノイやホーチミン市、さらに地方都市でもカンファレンスを開き、投資家を釣り寄せていた

7人組は投資家に対して最初の出資に対して月48%の利益が得られるとし、4ヶ月後には投資元本が回収できると説明していた。また新たな投資家を紹介できた場合、その投資額の8%がコミッションとして与えられると約束した。

この「新たなメンバーを引き込むとボーナスが支払われる」というPincoinの仕組みはどこかで聞いたことがある人も多いだろう。スカム屋どもはこの1月までは約束どおりキャッシュで支払っていたが、その後は支払をiFanトークンに変えた。そして先月、洒落たオフィスはもぬけの殻になった。後に残ったのは作りかけではあるが妙に出来のよいウェブサイトだけだった。

そのサイトを詳しく観察すると、ビジネスモデルが巧みなごまかしの上に成り立っていたことがよくわかる。「PINプロジェクトの使命は、共有経済の原則の上に世界のコミュニティーのために共同消費のプラットフォームを構築することであり、これにはブロックチェーン・テクノロジーによる暗号通貨が用いられる…」といった空中のパイ〔絵に描いた餅〕の羅列だけで、どこを探してもファウンダーやアドバイザーについての言及がない。しかも多国語の洒落たホワイトペーパーにさえファウンダーの身元をはっっきりさせるような情報がない。簡単にいえば7人組が力を入れたのはもっともらしいウェブサイトを作ることで、これによって大勢にちゃんとした会社であると信じ込ませることに成功した。

Viet Baoによればチームは以下の7人だという。Bui Thi My Ngoc、Ho Phu Ty、Ho Xuan Van、Luong Huynh Quoc Huy、Luu Trong Tuan、 Nguyen Duc Trong、Nguyen Trung Hieu、Vu Huu Loi。彼らはPincoinとiFanをゼロから立ち上げて数ヶ月で数千万ドルの規模にした。【略】

口先巧みに人を丸め込もうとした興味ある例がiFanのページに見出される。ページの中ほどに彼らのトークンは「Ethereumプラットフォームを利用している」とあり、続いてEthereumの値動きやビジネスの規模が紹介されている。つまりiFanトークンの価値がEthereumと直接連動しているかのように思い込ませようとした表現だ。

このくだりは7人組のホワイトペーパーの中にも出てくる。

現在のような規制のないICOビジネスは「愚か者とその金はすぐに別れる」ということわざの興味深い実例となる雲行きだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+