Spotifyの新モバイル・アプリは無料版を強化――数週間で世界に展開

次の記事

iPhone Xは16%、過去モデルがiPhone売上の40%を占める?市場調査会社のレポートが発表

今日(米国時間4/24)、ニューヨークのグラマシーパークシアターで開催されたプレスイベントで、Spotifyの最高R&D責任者、 Gustav Söderströmは無料版音楽ストリーミングアプリの全く新しいバージョンを発表した。

Spotifyでは機械学習アルゴリズムの開発に多大の投資をしてきたおかげで、これまでの無料版でもリアルタイムでユーザーの好みを判断して曲を薦めることができるた。しかしシャッフルでしか同じ曲を聞けないなど再生形式に制限があった。

新バージョンでは各ユーザー向けにカスタマイズされた15チャンネルのどれかに含まれる曲であれば回数制限なしに何度でも繰り返し再生することができるようになった。15のチャンネルにはデイリーミックス、ディスカバーウィークリー、リリースレーダー、トゥデイズトップヒットなどがある。

Spotifyのユーザーは合計750トラック(再生時間にして40時間以上の楽曲)をオンデマンドで聴くことができるようになった。

無料バージョンのSpotifyアプリでもユーザーが作成したプレイリストに基づいて曲を推薦する。 ここに含まれる楽曲だけでなくプレイリストの名前も参考にするという。同社ではこれをプレイリストのアシストと呼んできるが、簡単にいえばユーザーがプレイリストに追加するために楽曲を検索するつど、Spotifyはユーザーの好みに合いそうな似たような曲を推薦してくれる。

また新アプリでは省データモード(同社ではデータ・セーバーと呼んでいる)が用意され、データ消費を最大75%節約できる。 これまでSpotifyの無料バージョンではオフライン再生ができなかった。つまり無料で音楽を聞きたければ常にインターネットに接続している必要があり、通信量を節約するならWiFiを使うしかなかった。

新しい省データ・モードでは3G回線を使って楽曲をダウンロードし、データをデバイスにキャッシュする。そのためユーザーは携帯網を利用しても以前ほどの通信量を必要としない。また3G回線を利用する以外に、データ通信量や電力消費を抑えるようストリーミングサービスとそのアプリが改良された。

ただし無料版に広告が流れるのは従来と変わらない。これは単に広告収入を得るためだけでなく、ユーザーに無料版を利用していることを意識させ、有料のプレミアム版にアップグレードさせるためでもある。

2014年にSpotifyは広告が流れる無料版のモバイル・アプリをリリースした。ユーザーはこのアプリで曲を再生し、プレイリストをシャッフルすることができた。この無料版のおかげでSpotifyは急激な成長を遂げた。現在Spotifyの無料版には9000万のユーザーがいる。無料版にこれほどユーザーがいれば、そこから有料版を契約するユーザーも大勢出てくる。実際、有料版ユーザーは7000万人以上だ。

Spotifyの世界のクリエーター・サービス事業の責任者、Troy Carterは「デート中にSpotifyで音楽を流しているとしよう。突然CMが流れるのはうれしくないはずだ」と言う。

同社では2014年以降、モバイル、ことに有料版のモバイルアプリに力を入れてきた。

Spotifyには3つの重要な柱がある。普遍性、個人化、フリーミアムだ。 「Spotifyのビジネスは90年代までのラジオ局のようなものだと考えている」とSöderströmは述べた。ラジオは楽曲の合間にCMを流し、リスナーはラジオで聞いた曲が気に入るとレコード店に行ってレコードを買った。

Spotifyの無料版はまさにこのラジオ局に相当する。Apple Musicのように3800万人がすべて有料版ユーザーであるような堅実なビジネスとなることが目標であれば、Spotifyはまず無料版で多数のリスナーを獲得し、その中からできるだけ大勢を有料版に転換させていく必要がある。

〔日本版〕Spotifyのプレスリリースによれば、新アプリはiOS版とAndroid版が用意され、数週間かけて世界に順次公開されるという。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+