「服作りをもっと自由に軽やかに」CAMPFIREとワールドが新たなファッションの仕組み作りへタッグ

次の記事

ASUSが暗号通貨マイニング専用のマザーボードを発表…自己診断機能を充実

写真左からCAMPFIRE代表取締役社長の家入一真氏、ワールド代表取締役 社長執行役員の上山健二氏

「イメージとしてはファッション業界版のインキュベーションのような仕組みに近い。もっと自由に、軽やかに、ファッションやブランド作りに挑戦できる環境を作りたい」――CAMPFIRE代表取締役社長の家入一真氏は、これから老舗アパレル企業と始める取り組みについて、そのように話す。

このアパレル企業とは、約60年に渡ってさまざまなファッションブランドを世の中に展開してきたワールドのこと。CAMPFIREは6月1日、ファッションの領域で新たなチャレンジをしたい個人やクリエイター、企業、自治体を支援するべく、ワールドと資本業務提携を締結したことを明らかにした。

双方のノウハウをクリエイターに還元、ブランド作りの支援を

CAMPFIREではこれまで資金集めの民主化をテーマに掲げ、クラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE」を軸に複数のプロダクトを運営してきた。特にクラウドファンディングと相性がいい分野については領域ごとに特化型のサービスを展開。たとえば社会貢献分野の「GoodMorning」や地域に関する「CAMPFIRE×LOCAL」がそうだ。

同じようにファッションに特化したプラットフォームとして2016年10月に「CLOSS(クロス)」をスタート。コンテスト型のFashion Forwardも実施し、選ばれたブランドにはPRや流通面なども含め、ブランドを育てていくために必要なサポートも行ってきた。

「(ファッションに限らず)それぞれのジャンルにおいて僕らにできることは何かを突き詰めていくと、すでに各業界で事業を展開されている大手企業と組むという選択肢もでてきた。ワールドの上山社長と話をしていく中で『一緒にできそうなことがいろいろありそうだよね』となり、ファッションの領域で共に仕組み作りをしていくことになった」(家入氏)

具体的な取り組みについては今後詰めていく部分も多いそうだが、軸となるのはクラウドファンディングを始めとするCAMPFIREの資金調達ノウハウと、ワールドの持つファッションのアイデアを形にしていくノウハウやアセット。これらを掛け合わせてクリエイターや企業に提供し、ファッション産業全体の活性化を目指していくという。

「ファッションは受注から製造、販売までのサイクルが長いビジネス。若手のデザイナーに話を聞くと入金までの期間がながいことがネックで、資金繰りでつまずくことも多い。その点クラウドファンディングは先にお金を集められる仕組みなので、クリエイターにとって助かる部分もある。ワールドがブランド立ち上げのノウハウ面で強みを持っている一方で、僕たちはレンディングなど他の手段も含めた資金調達の仕組みを使ってクリエイターを支えたい」(家入氏)

ファッションをもっと自由で軽やかに

家入氏によると、ワールドではパターンを作るノウハウや流通、PRに至る知見まで、自社の保有する資産をオープン化し、ファッションプラットフォームの構築を進めているそう。今後はこのような双方が持つナレッジに加えて、ワールドが青山に持つスペースの提供など、リアルな場も絡めた支援を進めていく方針。この点で冒頭でも触れたように、ITスタートアップのインキュベーションに近い側面もあるという。

「さまざまな業界において、産業構造や市場、経済状況が変化する中で、高度経済成長時に作られたモデルが成り立たなくなってきている。そこで1番大変な思いをしているのは、末端にいる個人のクリエイターやアーティスト達。(彼ら彼女らが)それでも声を上げたいと思った時に、どんな支援をできるのかということが、ずっと取り組んできたテーマでもある」(家入氏)

フレンドファンディングサービスの「polca」もこのような文脈で生まれたサービスであり、幻冬舎と取り組む新しい出版のモデル作りについても同様だ。

実はCAMPFIREでもすでに新しいファッションの形が生まれてきているそう。一例として家入氏があげるのが、隔月で新たなクラウドファンディングプロジェクトを立ち上げ続けているブランド「ALL YOURS」。同ブランドでは小さなコミュニティの中で熱量を高め、その中で自分たちの思いやアイデアを発信し、実現している。

家入氏は「オンラインサロンなどのファンコミュニティとも共通するような、今っぽい感じの服の作り方」と表現するが、このようなモデルがこれからどんどん広がっていくのかもしれない。

「ITスタートアップのように、少人数で作りたいものをぱっと作って、ファンに直接届けるという形がもっと増えるとおもしろいと考えている。近年、起業のイメージがだいぶライトになって、それこそバンドを組むようにスタートアップをする人たちも増えてきた。ファッションやブランド作りも同じように、もっと自由で軽やかなものにしていきたい」(家入氏)