監視カメラがあなたを認識して警告や解説をメッセージするパーデュー大学のPHADEシステム

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[筆者: Sarah Wells]
今や、通りにも、美術館にも、お店にも、どこにでもカメラがあるという認識は、人間の第二の天性になっている。でもそんなカメラが、人間とコミュニケーションできたらどうだろう? パーデュー大学のコンピューターサイエンスの研究者たちは、そのディストピア的な未来を現実化して、今日、ペーパーに発表した。ただし彼らによると、それはそんなに怖いものではないそうだ。

そのシステムはPHADEと呼ばれ、PHAの部分は“private human addressing,”(プライベートな人間アドレシング)の頭字語だ。プライベートというのは、カメラと個人の携帯電話がコミュニケーションするけれども、そのときにIPやMacのアドレスなどに相当する個人データはいっさい送信されない、という意味だ。この技術が依存するのは、そんな具体的なデータではなく、動きのパターンから人物の所在を突き止める方法だ。だからその通信にハッカーが割り込んだとしても、人の物理的な位置はわからない。

美術館の通路を歩いていると、自分が知らなかった絵に目が止まった。ガイドは団体客の世話に追われている。お金を払わなかったので、オーディオツアーのヘッドホンは使えない。その作品の前で考え込んでいると、突然スマホのブザーが鳴り、その美術作品とそれを描いた画家についての詳しい情報を、自分の手のひらの中で知ることができた。

そんなことができるために研究者たちは、テーマパークなどで使われている方向性オーディオ(directional audio)に似た技術を使う。その技術は、ライブのビデオデータを分析して、歩行者の個々の動きのパターンを同定する。そしてそれが、絵画の前など特定の範囲にあれば、その映像を捉えているカメラの位置(“モーションアドレス”)へ、解説のアナウンスを流す。ユーザーのスマートフォンは、モーションアドレスが自分の位置とマッチしたら、解説メッセージを受信する。

この技術は、このように美術館の作品解説などに役に立つだけでなく、歩行者を犯罪から護ることもできる、と研究者たちは考えている。

コンピューターサイエンスの助教授でこの技術の共同開発社であるHe Wangは、声明文でこう述べている: “われわれのシステムは監視カメラと人間を結ぶ橋になる。犯罪や事故の多い地区で監視カメラをこの技術で強化すれば、たとえば“あなたをつけている不審者がいる”などと、警告することができる”。

テクノロジーをフルに利用する監視社会に対しては批判の方が多いが、カメラがあなたを見守っていてくれることには、利点もありそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa