スキャンで人間を判別、周囲を把握して動く自律移動型ロボット開発のSEQSENSEが10億円調達

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自律移動型ロボットを開発するスタートアップのSEQSENSE(シークセンス)は6月15日、三菱地所TIS、およびJAFCOが運営するファンドを引受先とする総額約10億円の第三者割当増資を実施したことを明らかにした。

SEQSENSEの創業は2016年10月。宇宙航空研究開発機構(JAXA)ではやぶさ、はやぶさ2のプロジェクトメンバーを務めた明治大学理工学部教授の黒田洋司氏らにより設立された。

今回の資金調達はSEQSENSEにとってシリーズAラウンドに当たる。同社は2017年4月、TISとジャフコから2億円の資金調達を実施している。また2017年度のNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)による「研究開発型ベンチャー支援事業/企業間連携スタートアップに対する事業化支援」にも採択されている。

SEQSENSEが開発する自律移動型ロボットは、レーザースキャナーを使った3次元マッピング技術でロボット周辺の環境をリアルタイムに把握し、スキャンの形状から人間も判別することができる。そのため、 あらかじめ地図情報を用意したり、GPSを使わなくてもスムーズに移動が可能。人が多く出入りするような商業施設やオフィスビルなどでの利用が想定されている。

SEQSENSEでは、2017年秋に警備ロボットのプロトタイプを開発済み。24時間の巡回警備が必要なオフィスビル、商業施設や空港などでの警備、管理、監視など、「高度なセキュリティレベルが求められるが人材の確保が難しい」という分野でニーズが高く、すでに警備会社やビルのオーナー、総合建設業者などから問い合わせが来ているという。

SEQSENSE代表取締役の中村壮一郎氏は「これまでは実証実験を進めてきた。その成果をもとに、調達資金で複数ロボットのクラウド連携への対応やAIによる人識別機能の精度向上など、プロダクトをビジネスとして成立させるための開発強化を行う。またフロントエンドやアプリケーション開発も進めていく」と資金調達の目的について説明。「今年度中にはセキュリティロボットシステムの商用化を目指す」としている。

また将来的には「ロボティクスで新マーケットを築き、高齢化や生産人口減などの課題に対応する」という企業理念に基づき、「新しい付加価値を提供し、生産性向上に寄与したい」と話す中村氏。「人間には人間しかできないことに集中できるよう、ロボットが人間に代わってできること、ロボットにしかできないことを提供していく」と述べる。

具体的には、人員不足のために直近で需要の高い、警備ロボット、警備システムの分野からサービス提供を始めて「ゆくゆくは物流や小売など、ほかの分野でも自律移動型ロボットの新しいマーケットを作っていきたい」と中村氏は話している。