Reproとグッドパッチがアプリ成長支援の新サービス、2つの側面からアプリのUXを最適化

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モバイルアプリ向けの解析・マーケティングツール「Repro(リプロ)」を提供するReproと、UI/UXデザインを軸にクライアントワークや「Prott(プロット)」など自社プロダクトを展開するグッドパッチ

これまでTechCrunchでも何度か紹介してきたスタートアップ2社がタッグを組み、マーケティングとデザインの力でアプリの成長を支援するサービスを始めるようだ。

Reproは7月11日、グッドパッチと協業しアプリのプロダクト・マーケット・フィット支援サービス(PMFサービス)を開始することを明らかにした。

プロダクトとコミュニケーションの2側面からアプリのUXを最適化

「アプリのグロースハックで困っている企業が増えてきている中で、問い合わせを頂く機会も増えてきた。その一方でReproだけでは全てに対応できるわけではなく、歯がゆさを感じていた」—— Repro代表取締役の平田祐介氏は、今回の協業の背景についてそう話す。

Reproがこれまで手がけてきたマーケティングソリューションの特徴は、アプリに関するデータのIPO(インプット、プロセス、アウトプット)を一気通貫でサポートできること。

SDKを入れることでデータのインプットが始まり、リテンション分析やファネル分析を始めとした解析機能を用いてユーザーの行動を分析。生のデータを使いやすい形に加工することで、プッシュ通知やアプリ内のメッセージ表示などコミュニケーション施策を実行できるようにした。

2016年3月の資金調達時には世界18カ国・1400アプリで導入されているという話だったが、現在は59カ国・5000以上のアプリに導入されるまでに成長。2016年3月からはアプリの成長支援コンサルティングも提供することで、サポートの幅も広げてきた。

ただ平田氏によると、多くのアプリを支援する中で何度か課題を感じるシーンがあったそう。それがグッドパッチの得意とするUIに関するものだった。

「ReproはUIのスペシャリストというわけではない。データを分析することで『こうするともっとよくなる』と提案することはできるが、それをアプリのデザインに落とし込むことはできなかった」(平田氏)

今回新たに開始するアプリのPMFサービスは、アプリを成長期に導くことをゴールにUXを最適化するというもの。平田氏いわくアプリのUXはアプリが提供する機能やUIといった「プロダクト」と、プッシュ通知やポップアップなどを活用した「コミュニケーション」の2つの側面があり、両面を最適化することが必要なのだという。

PMFサービスではグッドパッチがプロダクト面を、Reproがコミュニケーション面を担当。両社の強みを掛け合わせることで、初期段階のアプリをスケールが見込める状態になるまで支援する。

プロダクトの最適化についてはまずReproの分析ツールを用いることで、継続率の高いユーザーに共通するアプリ内行動を抽出。それらの行動をしないユーザーがどこで離脱してしまっているかを特定し、要因を整理した上でグッドパッチが機能やUIを実装する。そして結果を定量的に評価するというサイクルを何度も繰り返していく。

コミュニケーションの最適化はこれまでReproが行ってきたもの。同社のツールやナレッジをフル活用して目標の設定からユーザー成長シナリオの作成、プランの実行、評価まで一連のプロセスをカバーする。

PMFサービスの導入第一弾は講談社の運営する「コミックDAYS」になる予定。まずはReproが単独で同アプリを支援するが、今後協業を進めていく方針だという。

世界の競合にようやく追いついてきた

Reproでは今回のPMFサービスに加えて、これから新サービスや新機能を出していく計画。会社としても5期目を迎えて新たなフェーズに入ってきているようだ。

「初期の顧客はIT企業が中心。そこからこの2年ほどで非IT系の企業も少しずつ増えてくる中で、各アプリのKPIを伸ばすお手伝いをするためにSaaSの提供だけでなく、専門チームによるサポート体制を強化してきた。プロダクトのアップデートも重ね、機能面では世界の競合にようやく追いついてきたという手応えもある」(平田氏)

現在同社が次のステップとして取り組み始めているのが、AIの活用による施策の自動化や効率化だ。

たとえば過去のデータを学習することで「もう少しで離脱してしまいそうなユーザー」を予測し、事前に防止策を実施するという実験をしたところ効果があったそう。このような予測機能のほか、各ユーザーごとにアプリの継続利用に繋がるコンテンツを自動でレコメンドする機能や、ユーザーごとにプッシュ通知の配信時間を最適化する機能なども開発中とのことだ。

並行して中国やシンガポールなどアジア圏を中心にさらなる海外展開を進める方針。プロダクトにおいても夏頃にWeb版の提供、その次のステージではIoTプロダクトの解析サービスも検討しているという。

「まずは世の中に流通しているアプリをどんどん改善したい。日本に限った話ではなく、外貨を獲得できるサービスとして世界で戦えるSaaSを引き続き目指していく。またReproが解決したいのはさまざまなデータのIPOに関する課題。自分たちが培ってきた強みはWebやIoTなどにも活用できるので、アプリマーケティングのみならず、デジタルマーケティングの領域でナンバーワンを狙っていく」(平田氏)