数秒審査、翌月払いの決済サービス「Paidy」が伊藤忠らから約60億円を調達——対面決済サービスも予定

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決済サービス「Paidy(ペイディー)翌月払い」を提供するPaidyは7月12日、伊藤忠商事やゴールドマン・サックスらを引受先とする第三者割当増資により、総額5500万ドル(約60億円)を調達したことを明らかにした。

同社の発表によると今回はシリーズCにあたるラウンドで、リード投資家である伊藤忠商事からは4200万ドル(約46億円)の出資を受けているとのこと。なお同社は2016年7月のシリーズBラウンドでSBIらから1500万ドルを調達。これまでのシリーズAからCラウンドまでの調達額は総額で8083万ドル(約 88 億円)になるという。

Paidyは2014 年10月のサービス開始。事前の会員登録が不要で、メールアドレスと携帯電話番号の入力だけでオンライン決済ができるサービスだ。わずか数秒でAIが審査を実行(平均では0.5秒なのだそう)。SMSもしくは自動音声で案内する認証コードによって本人確認を行う。

Paidy代表取締役社長の杉江陸氏は「インスタントクレジットサービス」や「オルタナティブクレジット」という表現をしていたが、まさに必要になったそのタイミングで面倒な審査なく決済に使えるのが最大の特徴となっている。

決済代金は翌月まとめてコンビニや銀行振込などで支払う仕組みになっていて、一括払いのほか分割払いにも対応。2018年6月末の時点でアカウント数は140万口座を超えた。

一方の導入企業にとってはクレジットカードを持っていない、もしくは利用したくないユーザーの新しい決済手段となり、新規顧客の獲得やコンバージョン率向上の施策にもなりうる。加盟店ネットワークは約70万サイトに上るという。

杉江氏の話ではもともとファッション分野で導入が進んでいたが、最近ではデジタルコンテンツなど物販以外の領域でも拡大。合わせてマガシークやDMMなど大型の加盟店が続々と加わるようになってきたため、ここ半年で売り上げが2倍に成長しているそうだ。

同社ではまず今年度中に300万口座の獲得を目指すほか、対面取引決済に対応するサービスも提供する予定。具体的には「QRコード決済への対応」(杉江氏)を考えているようで、調達した資金も活用しながら急ピッチで開発を進めていくという。

さらにもう少し先の目標に「2020年までに1100万口座の獲得」を掲げていて、いずれは決済以外の金融サービスに着手する意向もある。

「そのくらいの規模になると、単なる決済サービスではなくエコシステムプレイヤーとしての役割が求められてくる。お金を払う部分だけではなく、金融の別の側面もカバーしていきたい」(杉江氏)

今回の資金調達は杉江氏いわく同社の「成長のギアをあげるためのもの」であり「半年で2倍ではまだまだ足りない」と考えているそう。リード投資家である伊藤忠商事とは、同社が手がけるサービスとの相互送客や加盟店開拓などで連携を取っていく方針で、国外での展開も含めてさらなる成長を目指していくという。