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Walmartにとって今が打倒Amazonのとき

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さあこの…ウルトラワイドモニターを見よ

Amazon Primeはeコマースで絶大な影響力を振るってきた。しかしこのオンラインの巨人はいま綻びをみせつつある。会員価格、そして専門性のなさ、加えて競合サービスの登場だ。最大の競争相手であるWalmart にとってはPrimeのようなサービスでAmazonを攻撃する絶好のときだ。

Primeが抱える問題はこうだ。Amazonはこのサービスの魅力を維持するために、絶えずPrimeプログラムに投資をしている。しかしそうして追加されたサービスは多くのユーザーにとっては余分なものであり、それらのサービスを利用したかどうかにかかわらずPrimeメンバーは会員料金を払わなければならない。

もちろん、それはAmazonの戦略の一環だ。もし顧客が料金の支払いをやめないとわかっていたら、顧客が利用しそうな他の購読サービスを模倣するのにお金をつぎ込むことができ、結果として自分の懐にもお金が入る。たとえば、Primeビデオとミュージックは明らかにNetflixやHBO、そしてSpotifyやApple Musicを意識している。それらも利用している人は、なぜ似たような2つのサービスにお金を払うのか、ということになる。そしてどちらかを選ぶとしたら、PrimeよりHBOをやめることを選択する方が簡単なのだ。

しかし、それは今までの話だ。何年もの間、Primeの会員料金が上がる一方で、他のサービスがどんどん良いものになるという事態をユーザーは目の当たりにしてきた。ストリーミングサービスや充実のコンテンツが急激に増え、Primeユーザーは往々にしてそれらの蚊帳の外に置かれている。

写真のストレージはどこも無料ではないか?Twitch Primeは何百万もの働く世帯にとって本当に使えるものか?加えて、Prime Originalsはエミー賞にランクインするようなものではない。しかし、それでもやはりPrimeであり、多くの人に必要とされている

現実的に、このデッドロック状態を崩せるのはWalmartしかいない。Amazonとそっくり同じやり方ではなく、シンプルでより何かに特化したもの、そしてPrimeサービスにかかる諸々のこと(配送、セールス、基本的なメディアなど)を低価格で提供し、と同時に顧客にオンラインショッピングの利便性はそのままにどのサービスを利用するか選ぶ権利を保証するというやり方でだ。

Primeに対抗してWalmartが提供するサービスにはどんなものが含まれるか。Walmartはすでに多くの商品の配送を無料にしている。店舗でのピックアップも無料だ。これはまったく難しい話ではない。こうしたサービスをより良くするには何があるか。全商品を対象とし、いくら以上ならという条件もない2日以内の無料配達、食品雑貨や貴重品の配達、テレビ・音楽配信の基本セットもしくはいくつかの既存サービスとの提携、 Black Fridayセールにいち早くアクセスできる(加えてSam’s Clubdのような子会社での特典)といった実在店舗での会員限定の販促キャンペーンなどが挙げられる。

Walmartの実在店舗を活用した相乗効果というのが重要だ。しかしそこに行き着くためにはちょっとした想定外のこともあるだろうし、微妙なバランスというのもあるだろう。とはいえ、核となる店舗に一定の来客があるというのは大きなアドバンテージで、この点においてAmazonには配達するか、ロッカーを設置するかという手段しかない。

Walmartの新サービスの動きは、すでに取り組みが始まっている。宅配におけるスマートロック会社との試験事業があり、またストリーミング配信も噂されている。無人の自動精算機(アカウントを持っているともっと便利)、既存の食品雑貨の配達提携の見直しなどもある。これらは、Amazonのサービスを真似たり、あるいはAmazonのサービスと同レベルあるいはそれ以上のものになるよう既存のサービスを改善したりすることで実現され、消費者に直接つながるロイヤルティサービスにシフトする動きのようだ。


Microsoftによる独立型のスマートデバイスの噂もあるが、これはグーグルとの間ですでに結ばれている音声注文パートナーシップと競合する可能性がある。それでも、音声アシスタントというのはホットな分野で、リビングルームからの注文という面でAmazonと勝負したいなら、WalmartはAlexaに対抗する手段を模索しなければならない。可能性としてあがっているShopifyの買収では、Walmartはより多くの消費者にアクセスできるようになるだろう。

そうしたWalmartのサービスはいくらになるだろうか。もし年間50ドルであれば、ちょっとした騒ぎになるかもしれない。Amazonの年間120ドルを考えれば、60ドルというのがその半額で、50ドルはかなりの“太っ腹”設定となる。

消費者からすれば、そこで節約できたお金をNetflixのような別の購読サービスに使おうか、ということになる。皮肉なことに、これは消費者がかつてAmazonで行なったように、自らをWalmartに囲い込むことになる。というのも、そう簡単に利用するサービスを変更することはできないからだ。だが、確かに払う額以上のものを得ることができるだろう。

当然のことながら、Walmartからすると50ドルというのは全サービスを提供するのに見合う額ではない。しかし、競合他社から顧客を奪いながら数年かけてロイヤルティーブランドを構築すると考えれば、資金を投入する価値は十分にあるといえる。

サービス導入のタイミングも慎重に検討していて、おそらく、ホリデーシーズンの少なくとも3カ月前には発表するだろう。登録から最初の3カ月は無料にし、その後料金が発生する。Walmartにとって多額の経費となるが、乏しい予算の消費者がAmazonをやめたようにはならないはずだ。消費者はWalmartの利用を続け、商品を選んでカートに入れるだろう。

Walmartはこのサービス導入で経営リスクを抱えるということにはならないだろう。むしろ、今積極的に取り組むのはまったく正しい判断だ。この件について、Walmartはまだ一切明らかにしていない。おそらくAmazonが一年で最も忙しい時期を迎える前に正式発表し、そこでははっきりと「こちらの方がいいサービスだ。いま切り替えよう。そして過去は振り返らないで」とうたうだろう。

ここで現実的な疑問がある。そのサービスの名称はどんなものになるだろう。MartLand?  WalSmart? いや、あるいはWal Streetになるかも?

イメージクレジット: NurPhoto / Contributor / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)