ビズリーチの「HRMOS」から2年ぶりに新サービス、働く人とチームのパフォーマンス最大化を支援

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社内の人事関連のデータを一箇所に集約することで、活躍する人材の行動や成果を人工知能が学習し、働く人にとってよりよい環境を機会を創出する戦略人事クラウドーービズリーチが一大プロジェクト「HRMOS(ハーモス)」の構想を発表したのは約2年前のことだ。

2016年6月に第1弾の「HRMOS採用管理」をリリースして以降大きな動きはなかったけれど、水面下では基盤となるシステムを時間をかけて開発していたようで、本日2年ぶりに新たな構想とプロダクトが明らかになった。

ビズリーチは8月28日、今後のHRMOSの世界観を伝えるブランドサイトを公開。合わせてチームのパフォーマンスを向上させる2つの新サービス、目標管理ツールの「Goal」とフィードバックツールの「Spotlight」のトライアル版をリリースした。

HRMOS Coreを中心に2つのモジュールを提供

前回からアップデートされたHRMOSでは「Human OS」をコンセプトに掲げ、基盤となるデータベース「HRMOS Core」を軸に2つのモジュール(サービス群)を提供する。

ひとつが企業単位で導入するHRサービスを集めた「HRMOS for COMPANY」、そしてもうひとつがチームのパフォーマンスを向上させる「HRMOS for TEAM」。今まで提供してきたHRMOS採用管理は前者に、そして今回発表したGoalとSpotlightは後者に属する。

HRMOSに集まった人に関するデータを学習・分析して、従業員にとってより良い環境や機会を提供するという考え方自体は変わっていないそうで、その構成や位置付けが少しブラッシュアップされた形だ。

ビズリーチ取締役CTOの竹内真氏に話を聞いたところ、従来ほとんどの会社で埋もれてしまっている日々の小さな行動データに着目したことが、HRMOS for TEAMの開発に繋がったのだという。

「人が普段働いている中で具体的にどんなことをやっていて、その結果がどうだったのか。そのような日々の細かい行動はほとんどの会社でデータ化されていないし、そもそも記録すら残っていない。結果的に通期や半期で評価をされる際に、小さな行動や結果はほぼ対象にされておらず、埋もれてしまっているのではないか。そこをもっとうまくサポートしたいという思いから始まった」(竹内氏)

これまで可視化されてこなかった日々の小さなデータをいかに集め、それによって働く人がいかに毎日モチベーション高く働けるようにサポートできるかがHRMOS for TEAMのコアとなる考え方だ。

ここに含まれるのは2〜3人の小さなチームから使える複数のツール。従業員エンゲージメントやピープルアナリティクスといった文脈で紹介されるもので、様々な側面からチームとそこで働く人のパフォーマンス最大化を支えることを目的としている。

目標管理のGoalとフィードバックのSpotlight

そのひとつであるGoalは、コミュニケーションやコラボレーションの要素を入れた目標管理システムだ。

設定された目標に対して日々の進捗をインプットし、直感的に可視化できるダッシュボード機能を搭載。各メンバーの目標をチームで共有してアドバイスを送ったり悩みを相談できる。

「通期とか半期が終わってどうだった?ではなく、日々のプロセスをログに残して確認できるようになる。目標が達成できた要因、達成できなかった要因など小さな行動を集積し、活用できるのが特徴だ」(竹内氏)

特にスタートアップなどではプロダクトの方向性やそれに紐づく個人の目標が急に変わることも珍しくない。全員の目標がチームに共有されることで、お互いの目標が変化した際にもフォローし合えるだけでなく、質の高い目標設定へと導くアシスト機能や目標設定の形骸化をふせぐリマインド機能も備え、個々人の目標管理をサポートする。

もうひとつのSpotlightはGoal以上に粒度の小さい行動を可視化するフィードバックツール。たとえば「今日の会議でのプレゼンがすごく良かった」など、メンバーのちょっとした“いい仕事”や“取り組み”に対するポジティブなフィードバックをSNS感覚で送り合うのが基本的な使い方だ。

同サービスではメッセージのほかに拍手を送ることも可能。これらのアクションがフィードやダッシュボードを通じて他のメンバーにも共有されることで、チームへの小さな貢献に対する賞賛がどんどん広がっていくような効果もある。

これは竹内氏も話していたけれど、既存のプロダクトだとFringe81の「Unipos」に近い。もっともUniposとは違ってSpotlightの場合は成果給などに紐づいていないため、フィードバックを誘発するハードルが高くなる。

この誘発の仕掛けにはかなり検討を重ねたそうで、たとえばSlackやGoogleカレンダーといった外部ツールとも連動し、そこから得られる情報を基に社員が投稿したくなるようなリマインド機能を取り入れた。

一例をあげると、カレンダーから一緒に会議やイベントに参加するメンバーの情報を吸い上げ「この会議で○○さんを賞賛するような出来事はありましたか?」と通知する、といった具合だ。この辺りは心理学や行動経済学などアカデミックな観点も取り入れているという。

その一方でGoalにしてもSpotlightにしても機能の数に関しては必要最低限のものに絞り、画面のデザインなども含めてシンプルな作りになっている。

「現場の従業員やマネージャーがストレスなく使えるような設計を意識している。人事に言われて無理やり使うのではなく、自分たちから入力したくなるプロダクトにしたい」(HRMOS事業部の事業開発部で部長を務める貝瀬岳志氏)

今までこぼれ落ちてしまっていた日々の行動を可視化

「実際に使ってみると、今まで掴み取れずにこぼれ落ちていた情報がたくさんあったことに気づく。そのような小さな行動をデータとして保存し分析することで、日々の働く時間をもっと良くしたい」と竹内氏が話すように、GoalとSpotlightに関してはビズリーチ内で数ヶ月テスト的に運用。ある程度の利用頻度と効果が確認されたため、まずは今回トライアル版として公開に至ったという。

各ツールはそれぞれ単体でも使うことが可能。今後は一部の企業へのテスト導入を経て、2019年の初頭を目処に正式版をリリースする予定だ。

冒頭でも触れた通り初めてHRMOSの構想を公開し第1弾プロダクトをリリースして以来、同プロジェクトからは久々に大きな発表となった。

「全体の基盤となる裏側のHRMOS Coreを作り上げるのに2年かかってしまったというのが正直なところ。ただ2年かけたからこそ、どんな情報が集まってきてもコアの中で結合できる基盤ができあがってきた」(竹内氏)

このHRMOS Coreもビズリーチ社内ではすでに動き始めているそうで、テスト導入の後「来年のリリースを目標に進めている」という。