HP、薬品を「プリント」して抗生物質試験をスピードアップ

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米国では毎年少なくとも200万人が「スーパーバグ」と呼ばれる耐性菌に感染し、2万3000人以上がこの感染が直接原因で死亡していると疾病対策センター(CDC)は伝えている。そこでHPのバイオハッカー技術チームはCDCと協力して、抗生物質を「プリント」するバイロットプログラムに取り組み、抗菌薬耐性をもつ菌の蔓延を防ごうとしている。

HP D300eデジタルディスペンサーは、通常のインクジェットプリンターと同様の仕組みを利用するが、インクの代わりにさまざまな組み合わせた容積ピコリットルからマイクロリットルにわたる薬品を研究目的に調剤する。

こうした菌が急速に拡散する理由の一つは、抗生物質が誤って利用されたためである場合が多く、その結果バクテリアは既存の薬品に対する耐性を獲得する。CDCは全米の医療従事者がこの技術を利用して問題を解決できるようにすることを願っている。

「ひとたび薬品の使用が認可されると、耐性が生まれるまでのカウントダウンが始まる」とCDCの抗生物質耐性調整戦略部門の科学チーム責任者、Jean Patel医学博士が声明で言った。「人々の命を救い、守るためには全国の病院でこの技術を利用可能にすることが不可欠だ。このパイロットプログラムによって、われわれの最新の薬品が継続的に利用され、基準となる研究成果が医療従事者の手にわたることを期待している」。

3Dバイオプリンティング分野は、過去数年に急成長しており、今後10年はこのペースが続くだろう。その主な理由は研究開発のおかげであると市場調査関係者は言っている。

さらに、潜在的価値の高い抗生物質耐性の研究によって、現在治癒可能な疾病の治療手段がなくなり寿命が縮まるという恐ろしい未来の到来を阻止できる可能性がある。

現在HPのバイオプリンターは研究所や医薬品メーカーで使われており、たとえばGileadではエボラウィルスに用いられる薬品の試験に利用されている。プリンターはさまざまなCRISPR(クリスパー)応用研究にも利用されている。CDCは、これらのプリンターを抗生物質耐性(AR)検査所ネットワークを通じて全米に広がる4つの地域で使用し、新たな薬品の抗生物質耐性感受性テストの開発を行っていく計画だとHPは語った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook