TechCrunchっていったい何者なんだ?ーーTC Tokyo開催前に知っておいて損はない、僕たちの歴史

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TechCrunch Tokyoの開催まで、いよいよあと約2ヶ月というところだ。これまでにも僕たちはさまざまな形でTechCrunch Tokyoを紹介してきた。それらの記事はこちらのページにまとめてあるので、ぜひご覧頂きたい。でも、TechCrunch Tokyoの紹介記事がSNSのフィードに入ってきて、それを通してはじめて“TechCrunch Japan”というモノを知ったという人もいるだろう。だから、この記事では「そもそもTechCrunchって何?」という疑問を解消したいと思う。

What’s TechCrunch?

TechCrunchが産声をあげたのは2005年のことだ。創設者はマイケル・アーリントンという人物。彼はAchexというインターネット決済分野のスタートアップを立ち上げ、のちに約3200万ドルで事業を売却したという経歴をもつ起業家だ(ちなみに、マイケルはその事業売却で「ポルシェを買ってちょっとお釣りがくる」くらい儲かったらしい)。そんな彼が“個人ブロガー”としてシリコンバレーにまつわる情報をガリガリと書き始めたのが「TechCrunch」の起源となる。

もともとブログとして始まったTechCrunchでは、今でもそのブログ文化が受け継がれている。例えば、TechCrunchは根本的にはスタートアップやテックに興味のある“ブロガー”の集合体だ。その証拠に僕の名刺に書かれている肩書の日本語表記こそ「記者」だが、英語表記では「Blogger」だ。また、どんなニュースを記事にするかという点にもその独自の文化が色濃く残っている。

TechCrunchでは、編集長などのいわゆる“Big Boy”たちがトップダウン式に掲載するニュースを決めるというよりも、基本的に記者自身が興味・関心を持つ分野のニュースを記事化することが多い(もちろんニュースの重要度も考慮するが)。それと、おそらくTechCrunchは文体も特徴的で、新聞など旧来メディアのニュースに比べると、砕けた、というかフレンドリーな表現が多いと感じる人もいるだろう。

個人的な想いも混ぜながら話すと、TechCrunchは、文字通り立ち上がったばかりのスタートアップが最初にインターネットニュースの世界にデビューする場であって欲しいと思うし、これからもずっとそんな存在であり続けたい。たとえ、注目度が低くてなかなか大手メディアに取り上げられなかったとしても、最低限デモできるプロダクトやサービスがあり、それを見た記者が「面白いなあ!」と感じれば掲載する。そんなメディアでありたいと思うのだ。

What’s TechCrunch Japan?

さて、ちょっとばかり感情的になって前置きが長くなったけれど、そんなTechCrunchの日本版である僕たち「TechCrunch Japan」は2006年に創設された。トランス・コスモスでシリコンバレー投資を担当している西田靖さんがマイケル・アーリントンに直接許可をもらい、TechCrunch(US版)の記事を日本語に翻訳したのが始まりだ。それから数年間かけて、僕のような国内のスタートアップニュースを執筆する記者も徐々に増え、今では日本発のスタートアップ関連ニュースも毎日掲載されるようになっている。

その後、時が経つにつれてTechCrunch Japanの運営母体はトランス・コスモス、DESIGN IT!、AOL Japan、そして現在のOath Japan(旧AOL Japan)へと移り変わっていった。まあ、運営母体が変わっていった理由は「大人の事情」だと説明できる場合もあるし、そうでない場合もあるだろう。2008年のリーマン・ショックのときには、日本のスタートアップ業界も冷え込み、TechCrunch Japanもその煽りを受けて閉鎖しかかったこともあった。そのときは、当時TechCrunch Japanの主力ライターだったTHE BRIDGE共同創設者の平野武士さんが閉鎖の危機を救ってくれた。

TechCrunch Japanによる日本独自記事の掲載や、冒頭でお伝えした年に1度の大イベント「TechCrunch Tokyo」の運営が始まったのは、現在B Dash Venturesでディレクターを務める西田隆一さんが編集長に就任していた時代だ。西田さんは今のTechCrunch Japanの原型を作った人物だと言えるだろう。

その後、西田さんの後任として編集長に就任した現Googleの西村賢さんは、TechCrunch Japanの拡大に貢献した。この頃になると、国内の編集チームにも厚みが増す。特に、元副編集長の岩本有平さんが執筆した「WELQ問題」に対する一連の記事はTechCrunch Japanの名を世間に広く知らしめるきっかけとなった。また、TechCrunch Tokyoが始まった当初は来場者が600人程度の小さなイベントだったが、現在では2500人以上の来場者を数えるまでに拡大した。TechCrunch Tokyoに登場したスタートアップ企業の累計資金調達額は、現時点で約400億円というところだろうか。

そんなTechCrunch Tokyoも今年で8回目の開催となる。西村前編集長の後任として新たにジョインした、元週刊アスキー編集長の吉田博英による新体制になって初めてのTechCrunch Tokyoだ。

体制は変わった。でも、スタートアップ業界に興味をもつ人々が満足するようなイベントを作りたいという気持ちは変わっていない。今年も、すでに発表しているGitHub CSOのJulio Avalos氏dely代表取締役の堀江裕介氏Top Flight CEOのLong Phan博士HEROZ代表取締役CEOの林隆弘氏をはじめ、豪華なスピーカー陣を迎えてみなさんをお待ちしている。

通常4万円の入場チケットが1万8000円で購入できる「超早割」の期限は残り約2週間と迫ってきたので、ぜひこの機会に購入してほしい。

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