インスタ参入のUUUM代表インタビュー:創業2期目に踏んだアクセルと、時代に合わせた変化の重要性

YouTuberを中心にクリエイターのサポート事業を行うUUUM。彼らがインスタグラム・マーケティングのレモネードを買収し、これまでの主戦場であったYouTubeを超え、Instagramの領域にも参入したというニュースは先日お伝えした通りだ。

TechCrunch JapanではUUUM代表取締役社長の鎌田和樹氏にインタビューを実施し、2017年8月の上場から約1年というタイミングでの振り返りと、今回の買収の背景を聞いた。

創業2期目に踏んだアクセル

僕が子どもだった頃と比べると、若者のコンテンツ消費のあり方は大きく変わった。昔は、テレビという画面の中には“芸能人”と呼ばれるヒーローたちがいて、テレビ局が決めた放送時間に合わせてテレビの前に座ったものだ。でも今の若者たちにとってのヒーローはYouTuberに、テレビはスマホに移り変わりつつある。そして、視聴する時間とその内容も、彼らの思い通りに選択できるようになった。

そんな時代背景を追い風に、UUUMの数字は好調だ。2015年4Q時点での所属チャンネル数は1141チャンネル。それが、2018年4Qには5877チャンネルと3年で約5倍に増えた。3ヶ月間の合計再生回数も同期間で約20億回から約95億回へと、こちらも5倍近く増えている。決算数字も順調に推移し、直近の決算期である2018年5月期の売上高は117億円、営業損益も7億1000万円の黒字となった。

UUUM代表取締役の鎌田氏はこれまでの経営を振り返り、UUUMがこの成長曲線を描けた理由として、動画という“情報量が多いフォーマット”が時代の要請とともに定着し、2015年のいわゆる“動画元年”から市場自体が急速に成長したこと、そして、有名になるための手段としてメディアに載るのではなく、自分という存在をみずからの手で発信できる環境が整ったことをあげた。

でも、いま鎌田氏が言ったのはすべて外部環境の話だ。どれだけ鎌田氏が謙虚になろうとも、スタートアップを日々取材するTechCrunch Japanは、UUUMと同じように動画という領域に着目をし、そこでビジネスを成り立たせようとした人が沢山いたこと、そしてそれに失敗した人が沢山いたことも知っている。

個人が動画をアップロードするという、ある種クリエイターの“頑張り”に大きく依存するものを、UUUMがビジネスとして成り立たせることができた理由はなんだろうか。

鎌田氏はそれについて、「UUUMがこの領域をビジネスとして成り立たせることができたのは、早い時期からYouTubeからの広告収入や企業とのタイアップなどで“動画だけによる収益基盤”を築くことができたからです。他社では、動画は作ってもその制作費とインカムがずれてしまい、結果的にオプション的なビジネスとしてコマースなどを始める例が多い。また、各事務所それぞれに1〜2人ほどはいる有名なクリエイターを、先を見越して100人、1000人という単位で増やす努力をしてきたことも要因の1つ」と語った。

動画というフォーマットが求められる時代に合わせ、その動画で稼ぐ方法を模索し、収益基盤を作る。そして、すぐに次のサイクルを見越して有力なクリエイターを戦略的に獲得する。その投資を早い時期から行ってきたことが成長の要因だと鎌田氏は言う。