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欧州委、Facebookに警告「消費者権利に関する利用規約、年内見直しを」

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【編集部注】米国版では現地時間9月20日に公開された

Facebookの対応にしびれを切らしつつある消費者問題を担当する欧州委員会のトップは、Facebookに対し利用規約が欧州連合(EU)の消費者保護ルールに沿うものになるよう、年末までにさらなる変更を加える必要があると警告した。

委員会はまた、Airbnbは12月までに利用規約に追加変更を加えることに同意したとも述べた。

欧州委員会はこの2年間、テックやソーシャルメディアのプラットフォームの利用規約が市民の消費者の権利を侵害していると、指摘してきた。

2月、消費者の権利を尊重する措置を拡充させる必要があると、多くの企業に対して警告した。7月には、委員会はEU消費者保護当局と一緒になってAirbnbに変更を促した。

同時に、委員会はEUの消費者ルールを近代化するためにアップデートを行なっている。EUの法律を改正するためには欧州理事会の賛同を得なければならないが、その欧州理事会を通じて欧州議会と加盟国のサポートも得られれば、と考えている。

「各国の消費者保護当局の取り組みには敬意を表するが、時として国単独の力は企業と協力して進めていく上で十分なものではない」とコミッショナーのVera Jourovaは今日ツイートした。「それゆえに我々が提案する#NewDealForConsumersは消費者保護当局の権限を強め、説得力のある制裁を持たせる」。

Reutersの報道では、TwitterもまたEUの消費者保護法に則って利用規約を変更しなければならないと委員会から警告を受けた。

委員会の広報は、Twitterにかかる懸念は、コンテンツの削除、アカウントの廃止、またそれらをいかにユーザーに知らせてアピールできるかに関連した規約だと述べた。

欧州共同体のテック大企業に対する無情ともいえる糾弾は、戦略的な政治的手段だ。というのも、原因を改め、ルール変更への理解を得るために注意をひきたいからだ。

しかし、明らかにソーシャルメディア大企業は現EU消費者保護ルールを遵守するためにさほど努力はしていないようだ。

“オンライン上でのEU消費者の公正な扱い”を確かなものにするための各社の取り組みについて、今日の記者会見Jourovaは新たな見解を示した。Airbnbの最近の利用規約はコストについて十分に明らかではなく消費者をまだミスリードしている、Facebookの利用規約はユーザーのデータがいかにサードパーティに渡されるか明らかではない、というものだ。

Jourovaは、この件で2年間も話し合いを続けてきて、“我慢も限界だ”とFacebook警告した。

Airbnbについては、ホストのいる施設での1泊あたりのトータル費用が“購入”する前に消費者によりわかりやすいものになるよう、年末までに変更を加えることにAirbnbは合意した、とJourovaは説明した。

「7月にあった質疑を経て、Airbnbは価格の透明性を高めると我々に通知してきたーこれにより、消費者が最終料金や追加料金を前もって知ることができる。Airbnbはまた利用規約にも変更を加える。たとえば、消費者は利用可能な法的救済策を使うことができるということ、個人に害を及ぼすようなことがあれば消費者はホストを訴える権利を有することを明らかにする」とJourovaは述べた。

「EUの消費者はまた、オフライン、オンラインどちらでの物の売買においても同様の権利を保障されなければならない」とも付け加えた。「我々はオンライン販売のための特別な規則は有していなかったが、我々が常々言っているのは、オフラインのルールがオンラインにも適用されるべき、ということだ。こうした考えのもとに、EU消費者にサービスを展開するための契約にまだギャップがみられることからAirbnbやFacebookに是正を求めている」。

Jourovaの声明での言及に対し、Airbnbの広報は我々に対し「Airbnbは信頼と透明性の上に成り立つコミュニティというのが、指摘の重要な部分だ。ゲストは予約する前にサービス料や税なども含めた全ての料金について知らされるべきで、ゲストのためにこれが一層クリアになるよう喜んで欧州委員会と協業する」と語った。

Facebookの場合、委員会はさらなる改善を求めている。特に、サービスの主な特徴と、Facebookがユーザーの情報を共有するサードパーティとの関係にかかる利用規約についてさらなる透明性を要求しているー実際に提供されているサービスが互いにどのようにリンクしているか言明すべきと言っている。ここでいうリンクとは、消費者データの利用は消費者がサービスを利用するにあたり当然のこととされているという事実と、商業利用を目的に行われているデータやユーザーコンテンツの搾取(ターゲット広のサードパーティーへの提供すによる)の関連性だ。

欧州委員会は、Facebookの利用規約では、ユーザーがFacebookをやめた後もユーザーのコンテンツに対しFacebookは永久的なライセンスを保有するということについても快く思っておらず、「これはフェアではない」と言っている。

加えて、ユーザーがアップロードしたコンテンツについてFacebookが有する権利についても、サインアップするときに十分に目立つように表記していない、と考えている。

他にもある。Facebookの規約では、ユーザーのコンテンツの削除や一時停止、アカウント廃止の義務について明確になっていないと非難していて、曖昧なフレーズしか利用規約に盛られておらず、消費者が前もって通知されるかどうかも明らかではない、と指摘する。

委員会はまた、消費者の選択肢が一部でははっきりとアピールされていない、と注意喚起もしている。

そして、Facebookが利用規約を自社に有利になるようにしているのも快く思っていない。これはEUの消費者保護ルールに反するとしている。その消費者保護ルールではあってはならない不公平な規約というものを、“販売者またはサプライヤーが契約に記載された正当な理由なしに一方的に契約規約を変更しようとすること”と定義している。

Jourovaは、FacebookとAirbnbが追加の変更を提案する期限は10月18日、としている。その変更は委員会と、この問題に取り組んでいるEU消費者権利の消費者保護コーポレーションネットワークによって吟味されることになる。10月18日期限というのは、12月までに最終的な履行の受け入れを視野に入れてのことだ。そして新たな規約は1月から発効する。

さらにJourovaはFacebookについて、直近のFacebookとのミーティングは“建設的”だったと述べたが、Cambridge Analyticaスキャンダルは“Facebookがユーザーの個人データをいかに扱い、そしてアプリやゲーム、クイズのクリエイターといったサードパーティーといかにつながっているかをそんなに多くの人が把握していなかったという正真正銘の注意喚起となった”と指摘した。

「Facebookがユーザーのデータをサードパーティーが利用できるようにしていたことを、多くの人は知らない。たとえば、Facebookはユーザーがアップした写真やコンテンツについて、それをユーザーがアカウントから削除した後ですら、完全な著作権をもっている。」とJourovaは続ける。そして、「Facebookの利用規約ではユーザーデータがFacebookに属するようになっていることを知り“とても驚いた”という多くのFacebookユーザーと語り合ってきた」とも述べた。

「だからこそ、Facebookにはユーザーに対し、サービスがどのように運営され、どうやって収益をあげているのかを完全に明らかにしてもらいたい。Facebookは欧州に3億8000万人ものユーザーを抱え、そうしたユーザーに対しより責任を持ってほしい」。

「Facebookにはまた、Facebookのサービスを使用することの重大性を理解しようとする人に対し真摯に向き合うことを期待したい」とも加えた。「私はこの件についてイライラしてきていることを隠すつもりはない。なぜなら、我々はFacebookと2年も話し合いを重ねてきた。求めているのは遅々とした進展ではない。そんなのはもう十分だ。ほしいのは結果だ」。

Jourovaの今日のコメントに対し、Facebookの広報は次のような声明を我々に電子メールで送ってきた。

人々はFacebookで貴重な一瞬を共有している。そして我々は皆にとって利用規約がクリアでアクセスしやすいものにしたい。我々はFacebookの利用規約を5月にアップデートしたが、これには消費者保護コーポレーションネットワークとEU委員会がその時点で提案してきた変更の多くが含まれている。当社のチームはいま、Facebook上で何が許され、何が許されないかについて、また人々が有する選択肢について、より明確に認識している。我々は消費者保護コーポレーションネットワークと委員会のフィードバックに感謝する。今後起こりうる問題を理解し、適切にアップデートするため、引き続き緊密に協力したい。

今日の記者会見でJourovaは、EUは“統一した制裁”を持つ必要がある(GDPRのおかげで、データ保護違反について制裁はある)として、拘束力を持たせるために消費者権利違反へのペナルティ制度を提起した。

統一した制裁は、4月に採用された委員会の消費者向けの新政策だーこれは現在、2つの欧州関連団体に検討してもらうため、そして(委員会の希望としては)サポートしてもらうために、提案されている。

Jourovaは、「提案は“広範にわたって消費者の権利の履行を改善させるもの”であり、これを来春までに実現させるためにも欧州議会や加盟国が規制や現状をただちに受け入れることを心から願っている」と述べた。

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(翻訳:Mizoguchi)