Facebook、ARメガネ開発中をあっさり認める

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「そうだよ、もちろん取り組んでるよ」。LAで開かれたTechCrunchのAR/VRイベントで、私がARメガネを開発中か尋ねた時、FacebookのARのヘッドFicus Kirkpatrickはこう答えた。「ハードウェアのプロダクトを開発中で、前に進めるつもりだ…そうしたメガネを現実のものにしたいし、実現に一役買いたいと思っている」。

ARメガネの計画についてFacebookから返ってきた答えの中で今回が今までで最もクリアなものだ。そのプロダクトはFacebookにとってメーンストリームのコンピューターデバイスを所有するチャンスとなるかもしれない。

今月、FacebookはPortalスマートディスプレイという、同社のR&D特別組織Building 8のラボで生まれた初の自社ブランドガジェットをローンチした。ハードウェア開発はいま回転中だ。ARについて、Kirkpatrickは「いま発表できるプロダクトはない。しかし、ヘッドセットの将来で役割を担ってほしい、本当に注目せずにはいられない最先端の研究をしている多くの優秀な人材を抱えている」と話した。

戦いは始まっている。Magic LeapThalmic LabsのようなARスタートアップは独自開発した初のヘッドセットやメガネを発売し始めている。Microsoftは初期のHoloLensプロダクトのおかげでリーダーとみなされていて、その一方でGoogle Glassはまだ企業向けに開発が進んでいる。そしてAppleは自前のヘッドセット開発を加速させるためにAkonia HolographicsVrvanaといったARハードウェアデベロッパーを買収した。

テクノロジー面での進歩と競争はどうやらFacebookのタイムテーブルを早めたようだ。2017年4月にさかのぼるが、CEOのMark Zuckerbergは「我々は、最終的にメガネが欲しくなるということを知っている」と言い、しかし「我々はいま、欲しいと思うARメガネをつくるサイエンスやテクノロジーを持ち合わせていない。おそらく5年、あるいは7年以内だ」と説明した。彼はまた「我々は、今欲しいと思うARプロダクトをつくることはできない。だからVR構築がそうしたARメガネにつながる道となる」とも語った。FacebookのOculus部門はARメガネのポテンシャルについて広範に語ったが、同様に先のことという扱いだった。

しかし数カ月後にARメガネに関する同社の特許申請Business Insiderが見つけた。レンズにメディアを反映させるのに“二次元スキャナーがついたウェーブガイドディスプレー”を使っていると詳細が報道されている。CheddarのAlex Heath記者は、テーブルの上に置かれたチェスボードのような物体の表面にARを映しだしたり、あるいは遠隔会議のために何かに人物を映しだしたりするためのプロジェクターを使ったプロジェクトSequoiaにFacebookが取り組んでいる、とレポートしている。これらは、Facebookの中でARリサーチの段階が過ぎたことを物語っている。

先週The Informationは、FacebookのReality Lab(以前のOculusリサーチ)でカスタムARコンピューターチップをつくる、経験あるエンジニアを求める4つの求人情報を見つけた。その1週間後、OculusのチーフサイエンティストMichael AbrashはFacebookのVR会議での30分におよぶテクニカル要旨発表の最中に「いつでも買えるわけでないディスプレーテクノロジーがARには必要だ。だから我々は新たなディスプレーシステムを開発する他ない。そのシステムというのはVRを異なるレベルへともっていく可能性を有している」と手短に言及した。

しかしKirkpatrickは、FacebookのARの取り組みは単にVRヘッドセットの複合現実機能だけではないとの見方を明らかにした。「我々がたった一つのデバイスに向かっているとは思わない。また、誰もが四六時中VRに浸るReady Player 1のような将来になるとも思わない」と語った。「思うに、家で逃避的で没頭感のある体験をしたり、どこかに自分自身をトランスポートするのにVRを使ったりといった、今日のような暮らしを続けるのではないだろうか。しかし、あなたがつながっているような人々や、あなたがしていること、アプリの状態など全てが一緒に持ち運べて、外出先でも使えるようポータブルでなければならないと考えている。それが、我々がARについて考えていることだ」。

OculusのVRヘッドセットとFacebookのARメガネはソフトウェアを共有できるかもしれない。それはユーザーが馴染みやすいインターフェースをつくる一方でエンジニアリングをスピードアップするする可能性がある。「そうした全てのことが、何らかの方法でソフトウェアレベルで一点に集中するだろうと私は考えている」とKirkpatrickは語った。

FacebookのARの問題はというと、家の中にPortalのカメラを設置することについて人々が持つのと同じ、プライバシーの懸念に直面するかもしれない、ということだ。VRヘッドセットがフィクションの世界をつくる一方で、ARはユーザーの現実世界の環境についてデータを集めなければならない。これは、Facebookが家の中だけでなく我々がすること全てを監視下に置き、そのデータをターゲット広告やコンテンツレコメンデーションに使うかもしれないという懸念を引き起こすかもしれない。こうしたFacebookに特有の懸念はFacebookの一挙一動に向けられる。Magic Leapのような曇りのないクリーンなスタートアップや、Appleのようにプライバシーをしっかり管理している大企業の方が、ユーザーに使用してもらいやすいかもしれない。おそらくFacebookは、同社がARをやるに値すると人々に思わせるために、他ではできないようなことがこなせる最高クラスのガジェットを必要とするだろう。

TechCrunchセッション、AR/VRイベントin LAでのFicus Kirkpatrickのフルインタビューは以下で閲覧できる。

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(翻訳:Mizoguchi)