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Templarbit

Y Combinator出身のサイバーセキュリティー・スタートアップTemplarbitが日本参入

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左から、Bjoern Zinssmeister氏、Matthias Kadenbach氏

Y Combinator卒業生のコンビ、Bjoern Zinssmeister氏とMatthias Kadenbach氏が率いるサイバーセキュリティー・スタートアップTemplarbitは今月、日本市場にプロダクトを展開することを発表した。10月2日よりTemplarbitの全機能をあらゆる日本企業が利用可能となった。

Templarbitはソフトウェアをサイバー攻撃やデータ漏洩から保護するAIを使ったセキュリティー・ソリューション「Templarbit」を開発・提供している。最近では205 Capital、そしてY CombinatorやLightspeed Venture Partnersから3億円を調達した。

Templarbitはサイバー攻撃からアプリケーションを守るセキュリティー特化型プラットフォームで、Cross-site Scripting (XSS)、インジェクション攻撃、クリックジャッキング、DDoS攻撃などからアプリケーションを保護し、早期の脅威検知や脆弱性検査を可能とする。AIがデータを分析し、拡張性のある防御を構築。 同社の独自データと機械学習モデルを組み合わせ活用することによって実現されている。

Templarbitはその気軽さも1つの特徴だ。アプリケーションサーバーにエージェントをインストールすることで簡単にアプリケーションスタックへとデプロイできる。アプリケーション層を通過したデータをTemplarbitが分析し、不審な動きなどは管理画面にリアルタイムにレポートされる。

Templarbitが日本市場に参入したのにはワケがある。TemplarbitのCEOであり共同創業者のZinssmeister氏は「日本は非英語圏で最も多くのサイバー攻撃を受けている国の一つ」だからだとその理由を説明した。

「翻訳ツールの進化により、ハッカー達はより簡単にウェブサイト上で何が起こっているのか理解することができるようになった。ここ数年で日本でもサイバー攻撃が急増したのはそれが原因だ。だが、日本では残念ながらサイバーセキュリティーに対する投資が充分に行われていないと考えている。小規模な地方の銀行などはプロのハッカー集団などに対応するための準備が整っていない」(Zinssmeister氏)

アメリカでは2013年に顧客のクレジットカードとデビットカードのアカウント約4000万件が盗まれたTargetの事件が引き金となり、多くのECサイトがサイバーセキュリティーに大きな投資をしてきた。それを踏まえた上で日本とアメリカを比較すると「日本は6年から8年ほど遅れているのでは」とZinssmeister氏は警告する。

Zinssmeister氏は12ヵ月に渡り日本市場参入への準備を進めてきた。ローンチに際し同氏は「日本のテクノロジー業界、特に東京のテック・コミュニティーは非常に寛大でお互いにサポートしていることを知り、私達もその恩恵を受けてきた」とコメント。「日本では競合が少なくセキュリティー分野のニーズが高い。だが、国外初のマーケットとして日本は選んだことは私たちにとっては非常に難しいチャレンジとなるだろう」と付け加えた。

「アメリカの創業者は国外の文化に関する理解が乏しい。ヨーロッパやオーストラリアと同じ戦略で日本に挑むのは筋違いだ。日本の特殊なビジネスカルチャーを深く理解する必要がある。アメリカと違い日本では人間関係が重要で“推薦”が必要となってくる。それが原因で多くの米国企業がこの国で苦戦するのでは」(Zinssmeister氏)

Zinssmeister氏は10年ほどカリフォルニア州に住んでいるがドイツ出身だ。ヨーロッパと日本のビジネスシーンはある意味で「保守的」だという共通点があり、日本でビジネスを展開する上で彼自身のバックグラウンドが大いに役立っているという。ローンチまでの準備は数年かかると予想していたが、12ヵ月で日本でのベースを築き上げることに成功した。

そんなZinssmeister氏は4ヵ月に一回ほどのペースで日本に訪れている。今では大手テック企業やEコマース、スタートアップなどを含む数々のビジネスがTemplarbitに興味を持ち始めているという。「私たちはまだ小さな会社だが、Templarbitの独自性と美しいUIが高い評価を得ている」(Zinssmeister氏)日本では特にUIのシンプルさ・使いやすさが重要視されていると同氏は話していた。

Templarbitはデータ漏洩やサイバー攻撃などの情報をまとめたBreachroomというブログを運営していたりもする。同社は日本ではまだローンチしたばかりだが、今後の成長を大いに期待したい。Templarbitではスタートアップ向けのプラン「Startup Security Program」も用意されているので、これも注目を集めるにはもってこいのフックとなるだろう。