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AI画像診断で医療現場を変えるエルピクセルが30億円を調達、オリンパスや富士フイルムとタッグで事業加速へ

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医療や製薬、農業といったライフサイエンス領域の画像解析ソリューションを開発する東大発ベンチャーのエルピクセル。同社は10月29日、オリンパス、CYBERDYNE、富士フイルムなどを引受とする第三者割当増資により、総額で約30億円を調達したことを明らかにした。

今回調達した資金を基に、AI活用の医療画像診断支援技術「EIRL(エイル)」を中心としたプロダクト開発を加速する計画。合わせて国内外での市場開拓ならびに販路構築、それらに伴う組織体制の強化などにも取り組むという。

同社は2014年3月の設立。過去には2016年10月にジャフコ、Mistletoe、東レエンジニアリング、個人投資家らから7億円の資金調達を実施している。

なお今回エルピクセルに出資したのは以下の企業だ。

  • オリンパス
  • CYBERDYNE
  • テクマトリックス
  • 富士フイルム
  • SBIインベストメント
  • CEJキャピタル(CYBERDYNE子会社)
  • ジャフコ

これまでも何度か紹介している通り、エルピクセルは東京大学の研究室のメンバー3名によって創業されたスタートアップ。研究室時代から培ってきたという画像解析技術を活用してライフサイエンス領域で画像解析システムの研究開発を行ってきた。

特に力を入れているのが医療分野における研究だ。東京大学や国立がん研究センターをはじめ複数の医療機関とタッグを組み、人工知能を活用した画像診断支援技術・ソフトウェアの開発に取り組んでいる。

それをプロダクト化したものが2017年11月に発表したEIRLだ。近年CTやMRI、内視鏡などの医療機器の高度化が進み、医療現場では取扱う医療画像のデータ量が急増している。EIRLは現場で膨大な画像に向き合う医師をサポートするためのプロダクト。画像診断支援技術を通じて見落としや誤診を防ぎ、効率的な医療の実現を目指している。

今回の調達はこれらの動きを一層加速させるためのものだ。法令ほか必要な手続きを経て、同社の技術が医療機器として使用できることを目指すほか、国内外の市場開拓と販路拡大に取り組む。また医療現場へのスムーズな導入とアフターケアの充実を見据え、いくつかの調達先とは業務提携も進める計画だ。

たとえばオリンパスとはこれまでも内視鏡・顕微鏡画像診断支援のAI技術開発に関する共同研究に取り組んできた。両社では今後の業務提携も視野に入れ、新たな協力体制についても協議していくとしている。

富士フイルムに関しても4月に提携し、同社の医用画像情報システム上でエルピクセルの診断支援AI技術を利用できるサービスの開発に着手済み。まずはエルピクセルのAIエンジンを富士フイルムの内視鏡システムで活用するためのシステムを開発し、AI技術の共同開発も検討する。

またCYBERDYNEとは本日付で業務提携を発表。双方の技術を複合融合し、疾患の早期発見・診断・治療に向けた医療ビッグデータ解析の開発強化を目指す。