WiFiチラシ

タウンWiFiが成果報酬型集客ツール「WiFiチラシ」をリリース——企業へWiFi設置メリットを提供

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通信キャリア各社が大容量のデータ通信プランの提供を始めて2年ほど経つが、月額料金はまだまだ高め。リーズナブルな通信プランを選び、月末になる度に通信キャリアの速度制限を受けるユーザーにとっては、スマートフォンのデータ通信量節約は、いまだに悩みの種だ。

タウンWiFi」は、そうした悩みを解決するためのWiFi自動接続アプリ。接続可能な無料の公衆WiFiを探して、自分でいちいち設定しなくても自動で接続・認証してくれる。2016年5月にリリースされ、2018年10月末時点でアプリ利用者は450万以上。日本以外にも34カ国でサービスを提供し、国内外のWiFiスポットにログインが可能となっている。

TechCrunch Tokyo 2016のスタートアップバトルで審査員特別賞を受賞した、タウンWiFi代表取締役の荻田剛大氏は、「どこでも無料でWiFiに接続できる世界を実現したい」としてサービスを展開してきた。

だがそこでネックとなるのが「小売店などのオーナーにWiFi設置への意欲が湧かないこと」。

「これまでタウンWiFiは『WiFi利用者が利用しやすいように』ということを前提に開発を進めてきた」という荻田氏。今年に入って、コンビニやカフェのオーナーなど、WiFiを提供する側の人たちと会う機会が増え、話を聞いていて「WiFiオーナーがWiFi設置の利益を享受できていない」と感じるようになったそうだ。

「WiFiオーナーは、自店のWiFiがどれぐらい使われているのか、どれくらい集客と収益につながっているのかを把握できていない。WiFi接続のために月々5000円とか1万円とかを負担しているのに、その効果が分からない状況だ。ユーザーだけでなく、『WiFiを入れて良かった』とオーナーにも思ってもらいたい。そうすることがWiFi設置数が増えることにつながる」(荻田氏)

そこでタウンWiFiが打ち出したのが、11月29日にリリースされた成果報酬型集客ツール「WiFiチラシ」だ。

WiFiで集客、来店検知で効果測定も

タウンWiFiでは、7月に「WiFiパーソナライズ接続機能」を追加。これまでに蓄積してきたWiFiの混雑状況や接続速度とユーザーの利用状況に関するビッグデータを掛け合わせ、ユーザーの属性や時間帯により接続を自動判定することで、より快適なWiFi環境を提供する仕組みを基本機能として搭載した。また、8月には自動ログインの対象地域を世界34カ国へ拡大。これらは、「ユーザーに不便な体験をさせない」という、いわば“守り”の施策だ。

これに対して今回リリースした「WiFiチラシ」は“攻め”の施策、と荻田氏はいう。

WiFiチラシは、WiFi設置店舗がタウンWiFiのユーザーを対象に、スマートフォンのプッシュ通知の形で来店を促すメッセージ、すなわち「デジタルチラシ」を配信する機能だ。メッセージは、ユーザーの性別・年齢以外に、店舗からの距離や来店経験の有無・頻度を設定して配信することができる。

冒頭にも挙げたが「WiFiオーナーはWiFi設置のメリットを感じ切れていない」と荻田氏は話している。これまでにWiFiオーナーがユーザーにアピールできていたことは「認証完了ページにPRページを表示すること」ぐらい。だが楽天インサイト(旧・楽天リサーチ)が2018年に行った「フリーWiFi広告効果に関する調査」によれば、フリーWiFiを利用するユーザーの約9割は、PRページについて「記憶に残らない・役に⽴たない」と答えていて、この方法はあまり有効ではないことが分かっている。

「WiFiを導入し、タウンWiFiでユーザーが接続することで集客につながった、という実感がWiFiオーナーにできれば、WiFiがどこでも使える世界がより近づく」(荻田氏)

WiFiチラシの利用料金は、初期費用・固定費は無料、来店数に応じた金額のみがカウントされる成果報酬型だ。自動的にABテストを行うことで、来店した人の中からメッセージを見なくても来た人の数を引いて、集客効果を算出するという。

「観光協会やカフェのオーナーと話していると『紙のチラシでは費用対効果が分からない』と言う声が挙がる。WiFiチラシなら、リアルタイムにリーチが分かり、来店状況も分かる」(荻田氏)

テスト導入を行った企業・団体からは「初めて効果が分かる集客手法を手に入れた」「非会員の潜在客が来店客に変わったという効果を実感した」「完全成果報酬型で費用対効果が明確。新規顧客も来場し、手ごたえを感じた」といったコメントが寄せられているそうだ。

荻田氏は「WiFiを入れるだけで集客効果が分かるとなれば、タウンWiFiを使う動機になる。『WiFiを入れる店なら、必ずタウンWiFiを使う』というようなツールとしていきたい」と語っている。

「WiFiを使いたいユーザーは今後、2020年のオリンピックに向け、インバウンドで伸びると思う。旅行者は店でゆっくりしているときにWiFiを使いたいはず。でも日本では個店でWiFiを提供していないところが多い。これはメリットが分からないからではないか。このサービスの提供でメリットが分かるようになれば、より『どこでもWiFiが使える世界』を実現できる。そういう使命感を持ってやっている」(荻田氏)

「タウンWiFiは今後も提携先の電通や国際興業との連携で、新しいサービスやツール開発を進める」と荻田氏は話す。「WiFiチラシによる集客情報以外でも、ユーザーの導線や、ほかにどういう店を利用しているかが分かる。個人を特定しない範囲で提携先に提供し、分析した結果をWiFiオーナーにも提供していく」(荻田氏)