関税

投資家はまだ米国と中国の関係の根本を理解できていない

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今週末、ドナルド・トランプ大統領と習近平国家主席は、米国の対中関税の緊張緩和のようなものに合意した。アジアの株式市場は好意的に受け止め株価は上昇したが、その理由が私には解せない。加えて、Bloombergのスパイ報道の復活と、ベルリン空港についても取り上げる。

我々はTechCrunchで新たなコンテンツ形式を実験している。これは新たな形式の下書きのようなものだーこの記事で気にいった点、気に入らなかった点などがあれば筆者まで直接フィードバックしてほしい (Danny at danny@techcrunch.com)。

関税の猶予で中国の株式市場は上昇ーしかしなぜ?

トランプと習は関税の引き上げ実施を90日間延ばすことに合意し、また中国は米国の商品(特に農産物)の輸入を増やすことを提案し、2カ国の政権は長期的な合意に向けて地道に進めようとしている。

アジアにおいては、株価が回復した。中国と米国の貿易戦争が次第に激しくなるにつれ、中国の株式市場はここ数カ月間、低迷していた。一例として、Tencentの価値は1月のピーク時の3分の1を失った。また、香港市場でのZTEの価値は、今年初めの半分になっている。こうした企業の株式を考えたとき、関税の引き上げ猶予がしばしの休憩になるというのは、極めて道理にかなう。

しかし実際のところは、それほどでもない。ここに課題を挙げよう:一体何が変わったのか。私の意見では、マーケットは中国の経済だけでなく、米国のリーダーシップについてもかなり判断も誤っている。

Tencentのような中国株式は、関税のために値を下げたのではなく、中国における新たなビデオゲームのリリースを制限するという政府当局の規則によって下がったのだ。ビデオゲームはTencentのあらゆる売上の根幹であり、この業界における新規制はTencentの株式を関税戦争よりも壊滅させた。

中国政府が、派手に宣伝したソーシャルクレジットシステムVPN制限クラウドインフラ政策などを通じて国中の社会とテクノロジーへのコントロールの強化を続けるだろうというのは明白だ。そうしたコントロールは主に社会や経済の状態を一定に保つためだが、米国のインターネット企業が中国マーケットに入ってくるのを阻止するという大きな利点もある。

こうしたコントロールがなくなるということがどうしてあるだろうか。ホワイトハウスは夕食会についての声明文で、「トランプ大統領と習主席は、強制的な技術移転、知的財産の保護、非関税障壁、サイバー攻撃、サイバーによる盗み、サービス、農業に関する構造改革についてただちに交渉を開始することで合意した」と発表した(太字強調は筆者によるもの)。彼らは確かにこうした問題について話し合うだろうと思うが、何かが変わるかといえば、私はかなり懐疑的だ。

一方、ZTEの株価は今日、香港市場で10%近く上昇した。しかし実のところZTEにとって関税が重しとなっていたのではない。ZTEは、米国そして国際諜報同盟の国々から、ZTEの製品は中国政府のスパイ活動の最前線ではないかという疑いの眼差しがかなり向けられている。ZTEは、米国の輸出制限(主に産業スパイ活動への報復として)で今年潰れそうになった。ZTEとHuaweiは最近オーストラリアのようなマーケットから、そして今週末にニュージーランドからの締め出しに直面している。

こうした禁止令がなくなるということがどうしてあるだろうか。米国国家安全保障局はHuaweiとZTEが米国内で機器を展開することを認めないだろう。これまでと同様だ。かなり率直にいうと、中国の非関税障壁を取り払うためにHuaweiの米国展開を認めるという選択肢であれば、米国の交渉担当者は協議の場から立ち去るだろう思う。

ゆえに、マーケットは基本を誤判断している。21世紀で最も重要な経済関係について詳しくなったという点では良かったのかもしれないが。

Bloombergのスパイ報道は進行形

ワシントンポスト紙の批評家Erik Wempleは今週末、「Bloombergは中国のスパイチップのスクープでまだ調査を続けている」とレポートした。

[Bloombergの記者Ben]Elginと話をした人は、Bloombergの記者は“The Big Hack”報道を行なったチームではなかったと明らかにした、とErik Wempleのブログに語った。Elginがソースに語ったところによると、この目的は“真実を明るみに出すこと”だった;もしElginが10かそれ以上のソースから“The Big Hack”はハッキングの一部そのものだと聞いていたら、Elginが彼の指揮系統にメッセージを送っていただろう。

語っておくべきいくつかのポイントがここにある。

  1. 私はまだ最初の報道は正しかった、という(少ない)側に立っている。Bloombergはかなり厳しい編集コントロールを保っている立派な報道機関だ。この記事は、出すべきかどうか編集や弁護士による広範なレビューを受けているはずで、特に雑誌のフロントカバーを飾る記事は入念な扱いとなる。Bloombergはまだ記事を撤回しておらず、このことは記事の支えとなっているソースーそれが人だろうが書類だろうがーは用意周到なAppleやElemental、Amazonの主張を退かせることができるほど十分信用できるものだと思わせる。
  2. したがって、Bloombergが別のチームを使って何が起きているのかを理解するために追加の掘り下げた調査を行うというのは賢明だ。私のカンでは、この記事に関してさらに明らかになるものがありそうだ。
  3. 我々は、本当の意図についてのジャーナリストが外部に宛てた電子メールからあまりに多くのものを受け取らないように注意すべきだ。ジャーナリストは、外部宛ての電子メールで主要な質問をするとき、直接的に尋ねることはほとんどなく、微妙な調査作業の中においては特にそうだ。

この報道は私にとって今年最も魅力的な、ゆっくり進行しているニュースだ。この後どう展開し、結末を迎えるのか待ちきれない。

ベルリンの物価と空港についての観察

私は先週TechCrunch Disrupt ベルリンに参加していて、ベルリンを訪れるのは今回が初めてだった。ベルリンは、中国の反体制派の人にとってそうであるように先端を行く人の間ではトレンドとなっている街だ。なぜなのか、私にはわかる:知識人による文化的な機関から、路上販売されている安くて美味しい食べ物、リーズナブルな生活費まで、全てが魅力なのだ。

しかしベルリンの空港は、国家レベルの恥だ。ベルリンには2つの空港の名残があるが、3つめの空港Brandenburgはかれこれ20年近くも建設中で、いまだに開港できていない。中国を引き合いに出すが、中国は北京における2つめの空港を5年で完成させようとしていて、2025年までに乗降客7200万人近くをさばく予定だ。

しかし空港を通じて外につながっているワールドクラスの街を抱えることの予期せぬ副作用は、世界の金持ち層がその街にアクセスするのを阻んでしまうことだ。ある米国のVCが夕食時に私にほのめかしたところによると、ベルリンは来るのが“不可能”で、彼は“ほとんど”訪れない。米国の都市とベルリンを結ぶ直行便はかなり少なく、ほとんどの航空会社がアライアンスハブを通じて運航している(DeltaはSkyTeamのアムステルダムハブを通じているなど)。

スタートアップのことを話すとき、私は特に“インフラ”について語る。おそらく最も重要な教訓は利便性だ。直行便かどうか、スタートアップにとって初めての投資チェックか、そうした小さな利便性はかなり早く積み上がっていく。システムでの些細な摩擦は、企業やその地域にとって不釣り合い的に大きな結果を引き起こすことになる。

イメージクレジット: Thomas Peter – Pool/ Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)