東南アジアでビジネス版Facebook目指す「freeC」が正式公開、仕事情報やニュースを一箇所に集約

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「例えるならビジネス情報に特化したFacebookのようなもの。就職やクラウドソーシング、イベント、ニュースといった情報を個々の興味や専門性ごとにセレクトし、必要な情報が1つのプラットフォームで得られるサービスにしていきたい」

そう話すのは東南アジアでビジネスSNS「freeC」を開発するfreecracy代表取締役社長の国本和基氏だ。同社は本日12月6日、これまでβ版として運用していたfreeCの正式版をリリースした。

ビジネス情報が一箇所に集約、シームレスに応募も可能

freeCは個々のユーザーの関心にマッチしたビジネス関連の情報がリアルタイムに配信されるプラットフォームだ。

特徴は従来複数のサービスに散らばっていたキャリアやクラウドソーシング、ニュース、イベントといった情報を一箇所に集約していること。なおかつ自分の元に届いた仕事情報については、サービス上でそのままシームレスに応募できることだ。

現在軸となっているのは“仕事”をベースとした人と企業のマッチングで、この部分だけを見ると日本におけるWantedlyのようなサービスと近しいかもしれない。人材を採用したい企業は給与やスキル、仕事の条件だけでなく、企業のカルチャーや働く人の声などを企業ページに投稿。ユーザーはそれらの情報から企業の特徴をチェックする。

今すぐに転職したいという顕在層ではなく潜在層をメインのターゲットとしたサービスで、フォロー機能などを通じて徐々に距離感を近づけられる環境を整備。求人情報に限らずニュースやイベント情報に対するユーザーの反応などを踏まえ、各ユーザーが興味を持ちそうな企業をレコメンドできる仕組みを開発している。

ビジネスモデルは企業とユーザーがマッチングしたタイミングで1回50ドルの収益を受け取るマッチング課金型。9月15日にβ版をローンチしてから3ヶ月弱で約3000名が登録、企業数についても日系企業を中心に50社を超えた。

プロダクトの拡充を目的として8月にはデジタルハリウッドのほか、起業家兼エンジェル投資家の森田宣広氏やBASEでCTOを務める藤川真一(えふしん)氏から1550万円を調達。人材紹介企業との連携も進めていて、Pasona Tech Vietnamなど6社とは業務提携も結んだ。

原体験はベトナムで自身が直面した採用課題

開発元のfreecracyは2018年8月に国本氏らが設立したスタートアップ。もともとデジタルハリウッドが運営する起業家の育成を目指したプログラミングスクール「ジーズアカデミー」の同期メンバーが集まってできた会社で、現在は日本人とベトナム人の混合チームになっている。

国本氏はアビームコンサルティングや事業会社を経てベトナムで起業。4年間教育系の会社を経営した後、日系の教育企業へ売却した経験を持つ。それからHRTech関連のスタートアップを経由して、再びベトナムで立ち上げたのがfreecracyというわけだ。

freecracyの中心メンバー。中央が代表取締役社長の国本和基氏

freeCのアイデアも、ベトナムで1社目を起業した時に感じた課題からきている。

国本氏によるとベトナムではWantedlyを始め近年日本でスタートアップが手がけるような新しい概念の求人サービスが登場しておらず、旧来型の転職サイトと転職エージェントが主流になっている。

それもあって人材広告を出すと応募がなくても一定の金額が必要になる一方で、成果報酬モデルの人材採用では年収の20〜30%がかかり、全てのポジションで依頼することができなかったという。

「freeCのモデルは広告と成果報酬の中間。ユーザーが気になる企業に応募すると、企業側では連絡先を除いたユーザーのプロフィールや興味のあるジャンルがわかり、話してみたいと思った時(マッチングした時)に課金される。この仕組みなら自分が以前課題に感じていたことを解決できるのではないかと思って始めた。ベトナムでは日本ほど新しい切り口のサービスが生まれておらず、既存のプレイヤーはそこまで差別化できていない。ユーザー・企業双方にとって新しい選択肢を提供したい」(国本氏)

そもそも既存のサービスでは、ユーザーと企業が継続的な関係性を築くことが難しいという問題もあった。そこに対してもSNSに近い仕組みを取り入れることで、双方が中長期的に繋がれる仕組みを作ろうとしている。

またユーザー側の情報収集の手段として、現在ベトナムでは20〜30代を中心にFacebookを活用するのが一般的になっているそう。1日に2時間ほどFacebookを使って情報を集めているユーザーも珍しくなく、Googleで検索するような感覚で、Facebookの検索機能が使われたりするのだという。

「基本的には能動的に何かの情報を集めるというよりは、Facebookをメインに流れてくる情報を受け取る文化が根付いている。Facebookではプライベートとビジネス双方の情報が溢れているので、ビジネスに関するものを切り出し、自分に合った仕事の情報を得られるサービスを作れれば需要があるのではと考えた」(国本氏)

ビジネスSNSと言えばグローバルでは「LinkedIn」のイメージも強いけれど、欧米と東南アジアではカルチャーやニーズが異なるので、現地に合わせたサービスが必要になるというのが国本氏の見解だ。

まずはベトナムからスタートし、今後はインドネシアやタイなど東南アジアにサービスを拡大していく計画。日本企業と東南アジアの高度人材のマッチングにも力を入れていきたいという。