万引き防止AIが容疑者逮捕に貢献、日本のスタートアップVAAKが開発

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万引きを防止するAIが容疑者を検知したことがきっかけで、実際に容疑者が逮捕された——そんなニュースを紹介すると、「また中国やアメリカの話かな」と思われるかもしれない。

ただ今回は海外では無く、日本での出来事だ。万引きの現場は神奈川県のコンビニ。容疑者逮捕に貢献した万引き防止AIを開発したVAAKは日本のスタートアップだ。

VAAKが開発する「VAAKEYE」は防犯カメラの映像をAIで解析し、万引き犯特有の不審な行動を検知する万引き防止システム。人の詳細行動を認識する解析技術が強みで、歩幅や関節の動きなど100個以上のポイントを分析しているという。

もちろん似たような技術には以前から複数の企業が取り組んできた。ただVAAK代表取締役の田中遼氏によると、これまでは明らかな不審行動(犯罪心理で表に出てしまう行動)を認識することはできても、万引き犯の複雑な行動まで検知することは難しかったという。

VAAKEYEでは詳細行動を認識できる技術によって「いつ、どこで、どのような身体的特徴を持った人が、どのように万引きをしたか」を自動検知する仕組みを構築。万引き犯の決定的な犯罪行為情報を取得することで、警察へ情報提供することが可能になった。

今回のニュースはそれがまさに現実となった事例だ。VAAKEYEの実証実験を行なっていたコンビニにて、6台の防犯カメラで録画された3000時間分の映像を解析。そこで万引き犯の決定的な犯罪行為情報が自動検知されたためカメラの映像情報を警察に提供したところ、12月6日に逮捕に至ったという。

VAAKは2017年11月に設立されたスタートアップ。2018年4月には5000万円の資金調達も実施している(記事公開時には社名非公開のVCからとなっていたけれど、後にソフトバンク系のAIファンドであるディープコアの第1号投資先であることが明らかになった)。

これまで取り組んできたVAAKEYEの実証実験では10日間の映像から7件の万引き犯を自動検知して警察への情報提供に繋がったり、万引きによる商品ロスが75%以上削減された例もある。

「今後は犯罪の検知・予測をさらに強化し、より安全な社会の実現を目指す。映像証拠による逮捕が増えることで、(万引きの)抑止効果も高めていきたい」(田中氏)