ソフトバンク東証1部上場、終値ベースでは6兆強の時価総額にダウン

次の記事

Teslaの中国工場と失われた成長機会

ソフトバンクグループの通信子会社ソフトバンクが12月19日、東京証券取引所第1部に上場した。初値は1463円、終値は1282円と公開価格の1500円を下回る価格で、初日の取引を終えることとなった。初値ベースでは7兆35億円と7兆を超える時価総額だったが、終値ベースでは6兆1370億円となっている。とはいえ、ソフトバンクグループが調達した資金は初値ベースで約2兆6000億円と、国内では過去最大規模の金額となった。

ソフトバンク代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮内譲氏は、15時30分から行われた上場記者会見でまず、12月6日に起こった通信障害について謝罪。「事象発生を重く受け止め、再発防止策の徹底を図る。サービスの安定的な運用に取り組む」と述べた。

その後、これまでの事業展開について「PCのインターネット回線、携帯電話、スマートフォン、そしてIoTやAIと、パラダイムシフトを経ながら会社自体を大きくしてきた。厳しい環境にあった日本テレコム、Vodafone、ウィルコム、eアクセスなどを束ねて再生してきた」と説明。「逆境に強い」と自社を評価した上で、「我々自身がより自分自身を強化し、事業基盤を拡大して革新的なサービスを提供してきた」と述べている。

今後の施策では「Beyond Carrier戦略」の推進に言及。「スマホ契約数の拡大、オペレーションの効率化、付加価値の提供と、5Gを含めたネットワークを使った新しい事業を通信事業としてやっていく。と同時に、その上での新しい事業をビジョンファンドが投資する先とも連携しながら、日本に最も合う事業を新規事業として取り入れ、これから事業を大きく増やす」と話していた。

新しい取り組みでは、PayPayについて、まずセキュリティコード入力回数の上限が設けられていなかったことによるクレジットカードの不正利用について謝罪。「改良は完了している」と説明した。12月4日から実施された100億円キャンペーンについて「名称認知、サービス理解、利用意向でもトップを獲得。日本のQR決済を広げるチャンスとみている」と述べた。

2月に日本上陸を果たしたWeWorkについても「11カ月で8拠点を展開。これは世界でも最速のスピードで、大変受け入れられている。今後も力を入れて、コミュニティをベースにした働き方の環境を一気に広めたい」と話した。

さらにトヨタとの提携で実施するモビリティサービスMONETについては、年度内の事業開始を予定している、とあらためて述べ、「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)をはじめ、“アズ・ア・サービス”で展開するものは、確実にネットワークプラットフォームを使う。我々にとって親和性の高いビジネスができる」としている。

ソフトバンクは上場にともない、決算情報を発表(PDF)。2019年3月期の売上高は3兆7000億円、純利益は4200億円と、前期を4.8%上回る利益が見込まれている(国際会計基準)。2019年3月期の配当については、連結配当性向85%の2分の1程度を目安に金額を決定する方針だという。

また、12月6日に起こった通信障害の詳細と対策については、代表取締役 副社長執行役員 兼 CTOの宮川潤一氏が説明を行った。

11カ国同時に発生した通信障害の原因は既報の通り、LTE交換機のソフトウェア不具合(証明書の有効期限切れ)であるとし、暫定的な対策として、商用設備における証明書の「有効期限」総点検、ラボ試験による将来の日付での動作確認実行、旧ソフトウェアによる緊急立ち上げ手順の時間短縮かを図ると説明。

また、恒久的には証明書の確認・更新を可能とするソフトウェアの切り替え、システムアーキテクチャの見直し、交換機のマルチベンダー化による対策を実施すると述べた。