ナイズ
CAPS

iPadで問診、医師と看護師の働き方改革を目指すCAPSが資金調達

次の記事

UberのパートナーFairはソフトバンクから3億8500万ドルの投資を受け世界の自家用車に変革を起こす

写真中央がCAPSで最高医療責任者を務める白岡亮平氏

CAPSは12月20日、第三者割当増資による500 Startups Japanからの資金調達を発表した。調達額は1億円を超えない額。

同社は、かかりつけの医療機関向けの総合支援サービス「プライマリケア・クリニックチェーンマネジメント」を提供する創業4年目の企業。これはクリニックを開業する際の不動産の選定・取得から、経営システム、電子カルテの構築・運用、医師や看護師の募集をまとめてアウトソージングできるサービス。365日、夜間対応も可能な診療体制を支援する。

現在は、CAPSの最高医療責任者・白岡亮平氏が理事長を務める医療法人社団ナイズ向けにサービスを提供中だ。ナイズは、西葛西、北葛西、亀有、代官山、紀尾井町、柏の葉の首都圏6拠点でクリニックを運営しており、のべ16万人以上(2017年実績)の患者がいる。CAPSとしては当面、同サービスを導入しているナイズの拠点を増やしていく方針だが、将来的にはほかのクリニックへの提供も積極的に進め、2021年に20拠点、2024年に50拠点、2030年に150拠点を目指す。

白岡氏によると「診療所は全国に10万拠点ほどあるが、その95~96%が個人経営」だそうだ。個人経営のクリニックでは、カルテの記録や保管、医師や看護師のシフト管理、給与計算、患者の予約管理など、医療行為以外の業務を院長や少数の看護師が自ら行うこともある。働き方改革が叫ばれる中、これらの業務負担により夜間診療が難しいうえ、時間外労働時間を減らせないのが現状なのだという。

ネット経由の予約システムはもちろん、問診のシステムも提供

ナイズでは、「プライマリケア・クリニックチェーンマネジメント」の導入により、1時間あたりで診療できる患者数を68人から、最大1516人に増やせたそうだ。具体的には、問診にiPadを活用することで時間短縮を実現している。問診はウェブ経由でも利用できるため、移動中にスマホで問診を済ませることも可能だ。白岡氏によると「ナイズでは、受付、問診、診察、会計のそれぞれの業務にかかった時間をログとして記録しており、どこで待ち時間が多く発生しているかを分析して最適な人員の配置を実現している」とのこと。現在、医師や看護師の時間外労働は月10時間以内で、離職率も低下したそうだ。

さらに小児科がメインの西葛西では21時まで、亀有と柏の葉では20時30分まで、北葛西では20時までの夜間診療を実施している。一般的に18時~22時の診療は「時間外加算」のため診療報酬点数が上がり、クリニックを個人経営するうえでのインパクトは強い。患者にとっては診療費は少し上がるものの、会社帰りでも医師の診断を受けれるという直接的なメリットのほか、蓄積された各種データにより自分の健康維持に役立てられ、病気の予防にもなる。「プライマリケア・クリニックチェーンマネジメントの導入により、セルフメディケーションで治療できる患者を増やしたい」と白岡氏。

500 Startupsから資金調達を受けた理由について白岡氏は「資金調達なしでもサービスの運営を続けられるが、500 Startupsとの提携で知名度を上げて優秀なエンジニアを確保するのが1つの狙い」とのこと。過酷な労働環境としてメディアにも頻繁に取り上げられる医療の現場が、こういったサービスの広がりで改善されることを期待したい。