2018年米国トップ10のベンチャー投資

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米国企業3社が2018年、1回の投資ラウンドで10億ドル超を調達した。米国のスタートアップが調達した額は今年、初めて1000億ドルを超えると予想されている。

大方の場合察せられることだが、そう、ソフトバンクがこれらのラウンドの多くに関わっている。今年のベンチャー投資トップ10をみてみよう。

Epic Games: 12億5000万ドル

Fortniteがオリジナルのリリースからわずか1年で絶対的な現象となったことを考えると、プライベート投資家がこのゲームを手がけたEpic Gamesに資金を注入したがったのは驚きではない。10月、Epic GamesはFortnite帝国を成長させ続けるために、12億5000万ドルをKKR、Iconiq Capital、Smash Ventures、Vulcan Capital、Kleiner Perkins、Lightspeed Venture Partnersから調達し、企業価値が150億ドルになったと発表した。ゲームFortnite単独で2018年の売上に20億ドルもたらすと予想され、登録プレイヤーは2億人とされている。

ノースカロライナ州ケーリーに拠点を置くEpic Gamesの巨額の資金調達は、ゲーミングやeスポーツのスタートアップがまさに飛び立つための資金調達をした中で抜きん出ていた。Crunchbaseによると、この業界におけるグローバルのベンチャー投資は2018年上半期に75%増の7億100万ドルとなった。Epicのラウンド、そして今週あったDiscordの1億5000万ドルの資金注入、6月以来のいくつかの資金調達を考えると、2018年下半期は間違いなくこの分野での記録を更新する。

Uber: 12億ドル

2018年最大のラウンドの一つは、今年初の大きなファイナンシングの一つだった。公平を期すためにいうと、ソフトバンクによるUberへの12億ドルの投資にかかる交渉や、これに関する報道は2017年にあった。しかしディールが公式にクローズしたのは1月だった。このディールは多くの理由でとても大きいものだった。まず第一に、このディールによりUberの創業者で前CEOのTravis Kalanickは億万長者になったー単に書類上だけではない。そして、ソフトバンクはこの配車サービス大企業の大株主という立場におさまった。

このラウンドにより、サンフランシスコ拠点のUberがこれまでに調達した額は200億ドル超となり、評価額はおおよそ720億ドルとされている。Uberは2019年第一四半期に予定している株式公開の書類を密かに提出している。

Juul Labs: 12億ドル

2018年最も噂になった企業の一つ、Juulはプライベート投資家のTiger GlobalやFidelityなどから2018年半ばに12億ドルを調達した。そして今月、ティーンエイジャーの間で人気のこの電子タバコメーカーは評価額380億ドルのMarlboroメーカーから128億ドルの投資を受け入れた。Juulは、主力商品そのものや、若い世代へのマーケティングに関する倫理、そして倫理の欠如で大きな議論を巻き起こしただけでなく、前例がないほど素早く価値を増やした。Juulの企業価値は、VCによる初のラウンドから7カ月で100億ドルを越したーこれはFacebookより4倍早い。

公衆の視線や規制にさらされること、またAltria Groupとのパートナーシップの完結が予想れる2019年は、サンフランシスコ拠点のJuulにとって興味深い年になりそうだ。Altria Groupとのパートナーシップは、 JuulのCEO、Kevin Burnsによると、すでにJuulが成功している「大人の喫煙者への切り替えの加速をサポートする」ものとなる。

Magic Leap: 9億6300万ドル

かなり資金調達しているバーチャル・リアリティ企業Magic Leapを抜きにして、今年最大のVCディールについての総まとめにはならない。フロリダ州のプランテーションにひっそりとある創業8年のMagic Leapは、ラウンドに次ぐラウンドを実施し、ハードウェアとソフトウェアを開発するために20億ドル超を調達している。企業価値を63億ドルにした、今年の大きなラウンドの主要投資家はTemasekとAT&Tで、AT&Tは米国において今夏始まるMagic Leapプロダクトの独占的“ワイヤレス配給者”となると発表した。Google、Alibaba、Axel SpringerもまたMagic Leapを支援している。

Magic Leapは今年、最大のVCディールの一つを行なっただけでなく、ようやく旗艦商品となるMagic Leap One ARヘッドセットを消費者向けに出荷し始めた。ここに至るまでには長い時間がかかっているー実際、数年だ。あまりにも時間がかかり、多くの人が噂のヘッドセットが陽の目を浴びるかどうか疑った。しかし今、ヘッドセットは48州で購入可能となっている。ただし、その価格は2000ドル超もすることは、言及するに値するだろう。

Instacart: 6億ドル

Instacartは食料・日用品を米国の全世帯に届けると言う高い目標を持っている。そしてそれを達成するには多くの現金を必要とする。Y Combinatorスタートアップアクセラレーターを2012年に完了させて以来、毎年VCによる資金調達を行なっている。10月、InstacartはD1 Capital Partnersが主導するラウンドで6億ドルを調達し、評価額を76億ドルにした。サンフランシスコに拠点を置き、これまでにCoatue Management、Thrive Capital、Canaan Partners、Andreessen Horowitzなどから16億ドルを調達している。

InstacartのCEO、Apoorva Mehtaはこのスタートアップがあまり資金を必要としなかった当時、TechCrunchに対し、これは“御都合主義”の戦い以上のものだ、と述べている。結局マーケットは加熱し、Instacartは規模を拡大するという野心的な計画を持っていて、Amazonというすごい競争相手がいる。IPOに関しては、Mehtaは「兆しが見えてくるだろう」と言った。

Katerra: 8億6500万ドル

ソフトバンクの2018年最初の大きな賭けの一つは建設テクノロジーだった。Vision FundからKaterraに8億6500万ドルの資金を拠出し、これによりKaterraの評価額は30億ドルになった。カリフォルニア州のメンローパークの外側に拠点を構えるテックスタートアップKaterraは、建物の開発、デザイン、建設を手がけている。1月に実施したプロジェクトのための資金調達のとき、KaterraはTechCrunchに対し、住宅から病院、学生寮に至るまで新たな建物建設の予約金が13億ドル超にのぼったことを明らかにした。Katerraはプライベートエクイティ王だった3人によって2015年に設立され、これまでにソフトバンクやFoxconn、Greenoaks Capitalなどから計11億ドルを調達している。

6月、Katerraはオフサイト製造テクノロジー専門のKEF Infraと合併し、インドと中東マーケットで事業を開始すると発表した。

Opendoor: 7億2500万ドル

ソフトバンクが今年支援したOpendoorの2つの大きな投資は計7億2500万ドルで、企業価値は25億ドルとなった。このディールでソフトバンクは、オンライン不動産マーケットプレイスであるOpendoorの少数株を取得し、5人いる業務執行取締役のうちの1人であるJeff HousenboldをOpendoorの取締役メンバーにおいた。このラウンドでOpendoorの累計調達額は10億ドルを少し超えたーそのほとんどは2018年に実行された。2014年に設立されたサンフランシスコ拠点のこのスタートアップはFifth Wall Ventures、GV、Andreessen Horowitz などにも支援されている。

TechCrunchのConnie Loizosによると、HousenboldはOpendoorの共同創設者でCEOのEric Wuと一緒に働くことを望んでいた。「彼が(ソフトバンクに)加わった時、僕にすぐ連絡をくれて知らせてくれた。一緒に働く機会があれば、と言っていた」とWuは語った。

Lyft: 6億ドル

Lyftは今年を忙しいと年とすることができた。6億ドルを調達して評価額を151億ドルにしただけでなく、バイクシェアリングのMotivateを買収し株式公開の書類を提出した。Logan GreenとJohn Zimmerによって2012年に創業されたこの会社は、長らくUberと競争を展開してきた。そしてこの競争は2019年の早い時期に予定されているIPOレースでも続けられることになりそうだ。

Uberよりずいぶん小さく、米国とカナダのみで事業展開しているLyftは、KKR、Mayfield、Didi Chuxing、Floodgateなどから50億ドル近くの資金を調達している。

サンフランシスコに拠点を置き、過去2年は米国マーケットで急速に事業を拡大し、また自動運転車両の開発という野望も追求している。

Automation Anywhere: 5億5000万ドル

このリストの唯一の驚きが、創立15年になるロボティック工程オートメーションのプロバイダーAutomation Anywhereだ。同社はシリーズAで計5億5000万ドルを調達し、そのほとんどはソフトバンクのVision Fund、NEA、General Atlantic、Goldman Sachsによる。このラウンドでAutomation Anywhereの企業価値は26億ドルになった。PitchBookによると、カリフォルニア州サンノゼに拠点を置く企業のための支援制度の初ラウンドとなった。

TechCrunchとの話の中で、Automation AnywhereのCEO、Mihir Shuklaはソフトバンクの創業者でCEOの孫正義氏がいたからソフトバンクに魅了された、と語った:孫はビジョンを持っていて、働き方や旅行の仕方を変える基礎プラットフォームに投資している。我々はそのビジョンを共有している。

Peloton: 5億ドル

Pelotonの成長は2018年に爆発した。4000ドルのトレッドミルを発売し、オリジナルのフィットネスストリーミングコンテンツを倍増させ、エクイティ資金調達でさらに5億ドルを調達して評価額を50億ドルにした。「フィットネスのNetflix」と呼ばれる、ニューヨークに拠点を置くこのスタートアップは、John Foleyによって設立されて以来、6年間で10億ドル近くを調達した。L CattertonやTrue Ventures、Tiger Globalなどが支援している。

UberやLyftのように、Pelotonも2019年に株式公開することが予想されている。 Foleyは今年初めウォール・ストリートジャーナルに対し、固まった計画は持っていないが、2019年というのは株式市場デビューするのに「大いに理にかなう」と語っている。

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(翻訳:Mizoguchi)