Appleには悪いけど、まだiPhoneを買い換える気になれない

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先週、Appleの売上高見通し下方修正の報告を聞いて、TechCrunchの同僚Ron Millerは、古いiPhoneの買い替えに時間がかかったことを皮肉まじりに謝罪した。

彼はついに、3年以上も使っていた(でもまだ使える)iPhone 6を、ピカピカのiPhone XR(750ドル以上)に大枚を投じて買い換える腹を決めたと書いている。最後の最後まで考えて、虎の子の1000ドルを叩きつけ、最上級のiPhone XSを購入したのだ。

ゆえに、かの有名なAppleの高級品としての魅力も、その程度だということだ。

Appleにとって、もっと悪いニュースがある。私は、今でも自分の(まだ使えるが、バッテリーとメモリーはヒーヒー言っている)iPhone 6sを買い換えられずにいる。なぜなら、これがぜひ言いたいのだが、Appleがヘッドホンジャックを廃止してしまったからだ。それが、利便性を貶め、選択の幅を狭めている。

私の小さい耳には、iPhone付属の全共用サイズの純正ヘッドホンが上手く入らない。音質は悪くないのだが、今でも使えずにいる。ヘッドホンは、歩き回っても耳にしっかり収まっていてくれないと困る。首を捻るごとに耳から飛び出して、そのたびに入れ直さなければならないようでは、汚い言葉を使わずに言うなら、あまり便利じゃない。

そしてそう、それがワイヤレスのAirPodsにも採用されている。私は、本当に使えるヘッドホンが完成するまで、ずっと熱心に開発を続けてもらうべくAppleに金銭的な貢献をしたいつもりでいるのだけど、正直言って、私にすれば、あれは悪手だった。

ヘッドホンに関して、Appleは小柄な人間のことは考えてないと言い切れる。仕方なく私は、何種類かのサイズのイヤーチップ(いつもいちばん小さいのを選んでいる)が付属しているカナル型ヘッドホンを使うはめになっている。つまり、適切なサイズのヘッドホンを使うためには3.5ミリのヘッドホンジャックが必要となる。これは好みの問題ではない。それでなければ困るのだ。

3.5ミリのヘッドホンジャックがあれば、もっと高音質なヘッドホンに投資することも可能になるのに。

だが、Appleの考えは違うようだ。ヘッドホンジャックを捨てたときのAppleのメッセージから判斷すると、私の小さい耳に、あれをとにかく無理にでも突っ込まないといけないらしい。冗談じゃない!

もちろん、iPhoneを買い替えて、付属の変換ケーブルを挿入すれば、ライトニングポートを3.5ミリのヘッドホンジャックに(再)変換すれば私の要求は満たされるが、この変換アダプターは単独に買えば9ドルの代物で、本来払わなくてもいい「アダプター税」だ。

なんだかんだ言ってもiPhoneは高級品だ。過去に戻るために欠かせない余分なアクセサリーを買わなければならないのは、進歩とは思えない(この苛立たしい金食い虫に、もっとふさわしい言葉は「余計な物」だ)。

それに加えて、ヘッドホンを使いたいときは、毎回あの馬鹿らしいやつが必要であることを思い出さなければいけない。そのイライラと面倒臭さは半端ではない。

おまけに、Appleの美学を愛する者として、あの変換ケーブルは100パーセント、まったくもって目障りだ。

さらに言わせてもらえば、Appleライトニングと3.5ミリ・ヘッドホンジャックの変換アダプターは、サードパーティー製のリモートコントローラーとは相性が悪い。ヘッドホンに付いている音量調整ボタンは誤動作しがちだ(星1つのレビューをすべて読めばわかる)。

AppleがMacBook AirからSDカードポートを廃止したことについては、触れずにおこう。しかし、新しい仕事用パソコンに買い換えた後のあの「いつもながらのメチャクチャな状況」に対処するための出費と苛立ちのことを思うと、本当に使いたいポートのことはすっぱり忘れようという「勇敢」な意思は砕かれてしまう。

TechCrunchには、ヘッドホンジャックがないと困るという人間が私の他にもいる。同僚のGreg Kumparakも12月に書いているが、彼は2年経ってもまだ3.5ミリ・ヘッドホンジャックが恋しいという。「あれは幸せな時間を与えてくれて、決して邪魔になることはなかった」とヘッドホンジャックの喪失を嘆いている。

あんな変換ケーブルが消えてなくなっても、誰も文句は言わないはずだ。

TechCrunchのMillerは、バッテリーがダメになってしまったのと、充電ケーブルがボロボロになってしまったために、愛用の古いiPhoneを買い換えざるを得なくなった。

私のiPhone 6sも、バッテリーがダメになりかけている。オリジナルのバッテリーは2017年に交換した(欠陥品だったためAppleが無償交換してくれた)。しかしある日、そのiPhoneが初めての「予期せぬシャットダウン」を起こし、「ピークパフォーマンス性能」がオンになったとの通知が表示された。

いわゆるパフォーマンス管理機能と呼ばれるそのオプションは、意味がよくわからないと消費者グループから責められAppleを窮地に立たせたため、現在のiOSではデフォルトで無効になっている。

もちろん、有料でバッテリーを交換することはできる。新しいiPhoneを買うよりは、ずっと安上がりだ。または、もっと安上がりな方法として、モバイルバッテリーを持ち歩くという手もある。

家に忘れて出かけたときに、どっちが困るだろう。バッテリーか変換ケーブルか?

少くとも、モバイルバッテリーがあれば、1日にiPhoneが使える時間は長くなる。そうなれば、利便性は高くなるだろう(頼まれれば友だちのスマートホンに充電してやる社会的貢献というボーナスもある)。

私なら、あのいまいましい変換ケーブルをどこにしまったかを常に憶えておかなければならないよりも、断然、カバンの中にモバイルバッテリーを入れておくほうを選ぶ。

いつだってすぐに皮が剥けてしまうAppleの充電ケーブルの問題を脇に置けば(これは交換すれば済む話)、もうひとつの問題は、今のiPhoneのストレージだ。もうほぼ満杯になっている。

Appleは、空き容量が少なくなると、有料のクラウドストレージを勧めてくる。しかしそれも、いらないデータを消去して、外付けのハードドライブを買って、ストレージの大半を占領している写真データを移せば済む。

それで、iPhone 6sはスッキリと出直すことが可能だ。

率直に言って、生まれ変わったiPhone 6sが正常に動くなら(バッテリーの不具合は横に置いて)、現行のものとそれほど変わらず、一部の重要な機能は私にとって迷惑で不便な高級機種を大枚はたいて買うよりは、そっちのほうがずっと魅力的だ。

しかもこれは、環境に優しい選択でもある。変換ケーブルが増えれば、不要な電子製品のゴミも増えるということを忘れてはいけない。つまり、この押しつけ変換ケーブル地獄は、地球に害をもたらすということだ。

ひとつの規格ですべてを満足させることなどあり得ないのだが、高級志向へとどんどん膨らんでゆくApplの方向性を合わせて考えると、「買い替えより再利用を」という今や常識になりつつある現状から、Appleの哲学がずれていっているように思えてくる。

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(翻訳:金井哲夫)

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