インターブランドジャパン
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上場1年未満のメルカリがトヨタやソニーが名を連ねる国内ブランドランキングにランクイン

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企業のブランディングを専門とするインターブランドジャパンは2月14日、「Best Japan Brands 2019」として日本企業のブランドランキングを発表した。インターブランドジャパンは、1974年に英国・ロンドンで設立されたブランディング専門会社の日本法人。企業のブランド価値を金銭的価値に置き換える独自の測定方法でランキングを作成している。この測定方法は、ISO(国際標準化機構)に認定されているものだ。

世界ランキングに日本企業は8社がランクイン

2018年に発表された「Best Global Brands 2018 Rankings」では1位から順に、Apple、Google、Amazon、Microsoft、Coca Colaとなっている。Facebookは9位だがGAFA勢の勢いとMicrosoftの底堅さを感じるランキングだった。

インターブランドジャパンが発表した「Best Japan Brands 2019」は、海外売上比率が30%以上の「Japan’s Best Global Brands Top 40」、30%未満の「Japan’s Best Domestic Brands Top 40」の2つに分かれる。なお、企業名=ブランド名ではないため、企業の海外売上比率が30%満たない場合でも、ブランドとして海外売上比率が30%以上の場合はグローバル 、その逆の場合はドメスティックに分類される。対象となるのは、財務状況が一般公開されている企業。調査期間は、2017年11月~2018年11月の1年間となっており、各社の第3四半期(2018年10~12月期)の業績は反映されていない。

インターブランドジャパンの代表取締役兼CEOの並木将仁氏

Japan’s Best Global Brands Top 40は1位から、TOYOTA(トヨタ自動車)、HONDA(本田技研工業)、NISSAN(日産自動車)、Canon(キヤノン)、SONY(ソニー)、MUFG(三菱UFJフィナンシャル・グループ)、Panasonic(パナソニック)、UNIQLO(ユニクロ)、Nintendo(任天堂)、SUBARUと続く。自動車メーカーがトップ3を独占したかたちだ。TOYOTAは11年連続でブランド1位となったほか、前年比プラス6%のブランド価値向上となった。3位のNISSANは、2018年11月に発生した金融商品取引法違反による元CEOのカルロス・ゴーン氏の逮捕が、来年以降どうブランド価値に影響してくるのか注目だ。

Japan’s Best Global Brands Top 40

上位40位でブランド価値成長が前年比で著しかったのは、15位のShiseido(資生堂)のプラス30%、Suzuki(スズキ自動車)のプラス23%、25位のYamaha(ヤマハ)のプラス20%、9位のNintendo(任天堂)のプラス19%、8位のUNIQLO(ユニクロ)のプラス19%となる。Nintendoは2017年度の連結海外売上高比率が75.3%で、企業価値は6億9600万ドルと試算。Nintendo Switchの引き続いての超大ヒットが貢献したと考えられる。

Japan’s Best Domestic Brands Top 40(10位まで)

Japan’s Best Domestic Brands Top 40では、NTT DOCOMO(NTTドコモ)、SoftBank(ソフトバンク)、au(KDDI)と大手キャリアがトップ3を占めた。4位以降は、Recruit(リクルート)、Rakuten(楽天)、Suntory(サントリー)、Asahi(アサヒビール)、Kirin(麒麟麦酒)、nissin(日清食品)、Japan Airlines(日本航空)と続く。

ドメスティック上位40位でブランド価値成長が前年比で著しかったのは、25位のZOZOTOWN(ZOZO)のプラス38%、KOSÉ (コーセー)のプラス27%、7位のAsahiのプラス25%、29位のMatsumotokiyoshi(マツモトキヨシ)のプラス21%、33位のNitori(ニトリ)のプラス21%。前述のように直近の10~12月期の業績などは考慮されていないため、ミキハウスやオンワードホールディングス、ユナイテッドアローズなどが次々と撤退したZOZOTOWNのブランド価値が来年どうなるのか、前澤社長の手腕に注目が集まるところだ。

ドメスティックブランドでは、40位にMercari(メルカリ)が初ランクインしたのも注目。先日の2018年7~12月期の連結決算の発表では、純損益44億7500万円の赤字を発表した同社だが、国内に限って言えば営業利益44億円と力強い。上場から1年に満たない企業がランクインするのは珍しい出来事だ。

メルカリの小泉文明取締役社長兼COO

発表会の後半では、そのメルカリの小泉文明取締役社長兼COOが登壇。まず小泉氏は、メルカリは2019年2月1日で6周年を迎えたことに触れ、米国を足がかりに世界戦略を継続することを明言。「今後は米国以外の地域への展開、国を超えたマーケットプレイスを構築したい」と語った。現状、米国で苦戦を強いられているが、流通総額8700万ドルと前年比(YoY)では70%近く伸びており、先日の決算発表会でも「流通総額が1億ドルに近づけば黒字化も見えてくる」と発言していた。なお、米国ではサービスのUI、ブランドロゴも変えるなど米国向けにローカライズして戦っている。小泉氏は、「メルカリを世界的ブランドに育てて、将来的にはベストグローバルランキングへのランクインを目指したい」と力強く語った。

国内については、1200万人超のアクティブユーザーがおり、40~50代やシニアの利用者も伸びている。そして、上場したマザーズ市場ではトップ3に安定して入っているとのこと。また、日本の隠れ資産(1年以上使われていないもの)は合計37兆円、国民1人あたり28万円という試算があり、メルカリは国内でまだ3倍ほどのポテンシャルがあるとコメント。最近では、新しい商品を買うときにメルカリを見て価格感を掴む人が増えているとのことで、自動車やブランド品などのように中古品を買うことによるネガティブな印象が薄まっていることを紹介した。

通常は上場セレモニーの際に5回打つ鐘を、メルカリ小泉氏は3回、インターブランドジャパン並木氏は2回鳴らした。

最後に2月13日に始まったばかりの子会社のメルペイのサービスについて触れ、「当初はiOSのみの対応となるが、メルカリ内の売上金を、銀行口座への振り込みだけでなくそのまま街中で電子マネーとして使える」と利便性を強調。PayPayやLINE PAY、Origami Payなど先行するモバイル決済サービスはキャンペーン合戦で殴り合いの攻防を続けているが、ここにメルカリが参入するのか、独自路線を進むのか、そして来年はブランド価値がさらに向上しているのか気になるところだ。