VisaとMastercard、米国での取引手数料を値上げへ

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Wall Street Journalによると、VisaとMastercardは米国内でのカード取引にかかる手数料の値上げを検討している。VisaとMastercardは売上の大部分を少額の処理手数料から得ている。値上げは小売店やフィンテック企業に影響を与える可能性がある

われわれがクレジットカードやデビットカードで支払うと、店はカードを発行した銀行に少額の手数料を支払う。その銀行はさらに少額の手数料をカードネットワークを運用している会社に支払う。

多くの場合カード発行者とカードネットワークは別の会社だ。たとえば、ChaseはVisaカードを発行しており、カード取引のたびに客から手数料を受け取り、Visaに少額の手数料を支払う。American Expressのようにカードネットワークを運営しつつ自身でカードを発行している会社もある。

WSJによるとMastercardとVisaは4月に手数料を値上げする予定で、Visaはそのことを正式に認めている。1回の取引毎の手数料はほとんど気が付かない程度だが、たちまち累積していく。手数料はVisaどMastercardに巨額の売上を生み出し、大型店舗にとっては大きな出費となる。

これは消費者保護の問題に発展する可能性がある。なぜならこの手数料のために消費者は高い金額を支払う結果になることが多いからだ。VisaどMastercardの交渉相手は主に金融機関だが、その金融機関も手数料の取り分が欲しい。手数料が売り手に波及するのはそのためだ。

売り手は顧客の大部分がカードで支払うことを想定している。その結果全員にとっての価格が上がり、現金で払ってもデビットカードでもクレジットカードでも同じ値段になる。

一般にクレジットカードの手数料は高く、ポイントや特典があるのはそれが理由だ。銀行は手数料が欲しいので有利な特典で客を引きつけようとする。また、手数料は米国の方がヨーロッパよりずっと高く、それは不正行為が多いためだ。偽造を防止するためのチップ・アンド・ピン方式を米国が採用したのはヨーロッパより何年もあとだった。

手数料の値上げは消費者やフィンテック・スタートアップにも影響を与える可能性がある。チャレンジャーバンク(ネット取引主体の新興銀行)の多くは収入源の一つとして手数料に頼ってきた。それはヨーロッパのフィンテック・スタートアップのN26やMonzo、Revolutなどが潜在市場として米国に目をつけている理由でもある。こうして取引手数料の上には大きな産業が出来上がっている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook