技術シーズと共同創業者をマッチングする「Co-founders」、Beyond Nextが開設

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独立系アクセラレーターのBeyond Next Venturesは、大学などの技術シーズ・研究者と経営人材とをマッチングするプラットフォーム「Co-founders」を開設。3月1日からの正式サービス提供に向けて、2月18日、事前登録受付を開始した。

Beyond Nextは2014年8月の創業以来、ファンドやアクセラレーションプログラム、社会人向けの起業家育成プログラムなどを通じて、大学・研究機関発の技術シーズに対する創業支援や投資に取り組んできた。

技術シーズの事業化にあたって、大きな課題のひとつが「経営幹部となる人材が見つからない」ということだ。Beyond Nextではこれまでにも、スタートアップの経営人材不足に対応できるよう、自社内にヘッドハンターと採用支援の専任担当者を抱え、1500名を超える経営人材候補の人材プールを構築。創業前後の研究開発型スタートアップへ経営者候補を紹介している。

Beyond Next Ventures代表取締役社長の伊藤毅氏は、「シリコンバレーをはじめ、欧米ではベンチャーキャピタル(VC)が投資先に人材を紹介するということが、VCの役割として一般化しており、ヘッドハンターを抱えて経営幹部人材を紹介することや、採用支援をすることがVCの機能となっている。日本でも、最近そうした動きがようやく現れてきたが、キャピタリストが自分の人脈で紹介するといったケースが多く、機能として提供できるところはまだ少ない」と説明する。

Beyond Nextは、これまでの取り組みによる実績やノウハウを集約し、今度はオンラインでもマッチングサービスとして提供することで、より多くの技術シーズ・研究者と経営人材との出会いを支援したい考えだ。

Co-foundersでは、技術シーズ・研究者と経営者候補とをオンライン上でマッチングするだけでなく、研究者にはセミナーや個別相談を通じた、組織構築・採用コンサルティングなどを提供。経営人材にも経営者としてのキャリア構築支援を行い、オフラインでも創業チームづくりを支援する。

サービスの登録対象は、シーズの事業化に向けて創業メンバーや仲間を求める大学・研究機関所属の研究チームや、創業前後のスタートアップ。研究分野は、創薬・医療機器・再生医療・ヘルスケア、デジタルヘルスや人工知能、ロボット、食料、農業、バイオ、素材、エネルギー、宇宙などの「ディープテック」と言われる先端技術の領域が想定されている。

また、経営者候補の方は、技術系スタートアップの創業メンバー・アドバイザーなどとして創業チームに参画することに興味を持つ人を登録対象としている。

サービス開始後、当面はBeyond Nextが選抜した創業前後の技術シーズ・研究者約20チームに向けてマッチングサービスを提供。その後順次、掲載する技術シーズ・研究者と経営人材の登録を拡大していく予定だ。

同社のHR支援チームマネージャーで、Co-foundersを立ち上げ、運営に携わる鷺山昌多氏によれば、北米でもネットサービスなどの領域では、経営者候補のマッチングサービスの例があるそうだが、ディープテックの領域ではあまり同種のサービスはないという。そこには日本特有の「アカデミアと経営人材との距離が遠い」という事情があると鷺山氏は話す。

「そのため技術シーズが芽吹きづらい。またこれは、起業家を志す人にとってももったいないことだ。Co-foundersは経営者候補のキャリアのつかみ方としても革新的なサービスだと考える。このサービスでの出会いが、0→1を作る画期的な事業を起こすための入り口となれれば」(鷺山氏)

Beyond Next Ventures 鷺山昌多氏(左)と中岡崇氏(右)。Co-foundersを立ち上げ、今後の運営に携わる。

Co-foundersは研究者・経営人材ともに、無料で利用可能。プロフィール登録後、Beyond Nextによる審査を経て、利用できるようになる。伊藤氏はCo-foundersを「直接の収益化は考えていない」と述べ、「ポテンシャルのある経営人材が研究者と出会うことで、ファンド活動にもよい影響を与えると考えている」と話す。

「当社の投資先でない技術シーズ・研究者にも使ってもらう想定。それで(アカデミア発シーズの事業化という)エコシステムのためのインフラとなれば」(伊藤氏)

鷺山氏は「転職マッチングサイトは多数あるが、Co-foundersでも、経営者候補の人材が『有望ですてきな研究者に会いに行こう』とカジュアルな出会いからキャリアを開くようになってほしい。研究者と経営人材とのミートアップは、(ハイテクスタートアップ分野の)コミュニティにもつながると考えている」と話す。

またコミュニティという点では、伊藤氏も「これまでのスタートアップコミュニティなどではつながりにくかった地方の研究者にも、サービスを活用してほしい」と話していた。