就活メンターズ
Orario

副業で就活生を推薦、学生・メンター・企業をつなぐ「就活メンターズ」

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学生向け履修管理アプリ「Orario」を開発・運営するOrarioは3月5日、就活生と社会人、そして新卒採用をしたい企業とをつなぐ就活支援サービス「就活メンターズ」をリリースした。

就活メンターズでは、メンターとして学生の就活支援を行いたい社会人と就活生とをマッチング。メンター登録している社会人は、企業のリファラル依頼に応えて、適切と思われる学生の推薦文を送ることで1推薦あたり500円、学生の入社が決まれば10万円〜の成功報酬が得られる。

メンタリングでは学生の課題に応じて、自己分析やエントリーシートの添削、面談練習などが行われる。対面だけでなく、ビデオ通話やチャットでのやり取りも可能だ。

メンターによる学生の推薦は社会人の「副業」という位置付けで、実施にあたっては、有料職業紹介免許を持つOrarioと雇用契約を結ぶ形を取る。

一方、企業の採用担当者は、採用したい新卒人材について「○○な学生を紹介してほしい」と就活メンターズに掲載すれば、その後はメンターからの推薦を待てばよい。掲載する内容は例えば「機械学習の研究をしていた学生を紹介してください」「1年以上の留学経験がある学生を紹介してください」「100名以上のサークルの代表学生を紹介してください」といった具合だ。

人事担当者にとってはスクリーニングやスカウト送信など、手間のかかる作業が省け、人材会社ではなく、社会人として現場で働くメンターによる情報が得られるのが利点だ。また、メンターが内定後、入社までのフォローを行うことで、学生の内定辞退を抑えることも期待できる。

企業が紹介報酬を支払うのは内定が決まった時点で、完全成果報酬型となっている。内定辞退が発生した場合には料金は返金される。

メンター登録の際には、Orarioによる本人確認、在籍確認などの審査が行われ、採用関係者や人材エージェントはメンターとして登録できないようになっている。これは学生が現役社会人による中立的な支援を得られるようにする、という目的のほかに、昨今問題となっている、OB・OGが訪問した学生に見返りを求めるセクハラ・パワハラなどの不祥事を防ぐための対策でもあるということだ。

またメンターとしての実績や、学生によるメンターのレビュー評価の公開も実施。今後メンターへの教育コンテンツの提供、メンターのスコアリングの仕組みやプレミアムメンター制度の導入なども予定してされているという。

Orario代表取締役の芳本大樹氏は、「推薦文をとにかく書いて『数打ちゃ当たる』ということではなく、メンターとしての質を担保する仕組みを投入していく」と話している。

「社会に出る人が在学生に還元する仕組みを」

Orarioは2016年6月の創業。芳本氏が既存サービスである履修管理アプリ、Orarioを開発したのは、立命館大学在学中のことだ。Orarioは、ユーザーである学生が自分のID・パスワードを使って大学サーバーへアクセスし、ウェブオートメーションにより時間割の生成に必要な情報を取得。スマホなどユーザーのデバイスにダウンロードして表示する仕組みだ。

現在、関東・関西の18大学に対応し、14万ダウンロードに達したOrario。芳本氏は「単にシラバス管理アプリというだけでなく、受講者同士でのノート共有やチャットなど、SNSのように使える点がポイント」とOrarioの特徴について説明している。

今後はOrarioを「大学生のためのカレンダーアプリ」として大幅アップデートする予定だという芳本氏。履修情報に加えてアルバイトやイベント、就活などの情報も入力できるようにすることで、同社としてはビッグデータビジネスにつなげたい考えだ。

Orarioが「新入学生が合格後の3月から4年生の3月までは使ってもらえる」サービスであるのに対して、就活メンターズは「社会に出る人が、大学に在籍する人に還元する仕組みを作りたい」として開発されたサービスだ。このため「(自動化、AIではなく)あえて人が関わる就活サービスとした」と芳本氏は話す。

就活メンターズ提供の背景には、2020年度から始まる新卒採用ルールの廃止と、副業の解禁とがある。

「今、企業が攻めの採用へとシフトする中で、新卒人材の通年採用も始まれば、人事担当者はさらに忙しさが増す。従来のOB・OG訪問といった社内リファラルから、他社に所属する人でも本当にいいと思った人材なら推薦できる他社リファラルも取り入れて、社外にもファンを増やす仕組みが必要となっていくだろう」(芳本氏)

また、OB・OG訪問は今、半数以上の学生が実施するという調査もあるのだが、1度の訪問で、その場限りでやり取りが終わる傾向にあるという。「これまでのOB・OG訪問では、長期のメンタリングで学生と企業を線でつなぐことができていなかった」と芳本氏。既存のOB・OG訪問マッチングサービスとは異なり、内定まで長期サポートすることで、無償のボランティアではなく報酬も得られる「メンターマッチングプラットフォーム」として就活メンターズを開発したと話している。

クローズドでサービスを提供していた2019年1月時点でのメンター登録者数は300人。これを「2020年1月には3000人に増やしたい」と芳本氏はいう。テストケースではIT系スタートアップを中心に採用されているとのこと。ある企業が学生向けに行った説明選考会の例では、エントリーから実際の参加に至ったコンバージョン率は、ウェブ経由の60%に対し、メンター経由では90%と高い割合だったそうで、これが「内定決定率にも影響するのではないか」と芳本氏は見ている。

芳本氏は「人材紹介は今後、会社から個人へと移っていく」として、個人と個人とのつながりで就活をサポートする就活メンターズの浸透にも自信を見せていた。