Paul Gebhardt
Keatz
クラウドキッチン

ヨーロッパの「クラウドキッチン」のスタートアップ、Keatzが約15億円を追加調達

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クラウドキッチン」とは、DeliverooやUberEatsなどを活用した配達専門レストランのこと。クラウドキッチンは増え続けているが、そのうちの1社でベルリンを本拠地とするKeatzが新たに1200万ユーロ(約15億円)を調達した。

このラウンドを支援したのは、RTP Globalの主導ですでに投資しているProject A Ventures、Atlantic Food Labs、UStart、K Fund、JME Venturesベンチャーキャピタル。2018年5月に調達した700万ユーロ(約8億7000万円)に続いてさらに調達した資金をもとに、Keatzはヨーロッパでクラウドキッチンを展開していく予定だ。

2016年春にスタートしたKeatzは現在、ベルリンのほかアムステルダム、マドリード、バルセロナ、ミュンヘンとヨーロッパ各地で10カ所のクラウドキッチンを運営している。従来型のレストランでは店舗に多額の費用をかける必要があるが、同社はその費用をかけずに配達に適したフードを販売している。

Keatzの共同創設者、Paul Gebhardt氏はTechCrunchに対し次のように語っている。「フードの配達に残された最後の課題は、フードそのものだと考えています。デリバリーフードに着目するのではなくホスピタリティを重視している企業が妥協して販売しているフードが少なくありません。昔からある実店舗のレストランには、ホスピタリティというビジネスモデルがあります。ホスピタリティとは体験と立地であり、フードをその場ですぐに食べることです。既存のハンバーガーショップは、Deliverooの自転車が15分かけて運んだり、配達用のバッグの中でひっくり返ってしまうかもしれないことを考慮してフードを作っているわけではありません」

Gebhardt氏は「Keatzは配達専用のフードに特化し、15分以上の配達に耐える容器を設計することでこの状況を変えている」と語る。これはフランスのTasterといったクラウドキッチンのスタートアップにも共通することだ。Keatzには配達専用フードのブランドが8つあり、すべてが同じキッチンを共有して作られている。

「私たちのキッチンのほとんどは100〜200平方メートルの広さで、半径1〜2キロメートルの地域に配達しています。配達は、Deliveroo、UberEats、Glovo、JustEat、Delivery Hero、TakeAwayといった既存の配達プラットフォームに任せています。フードは配達に耐えられる優れた容器におさめられ、温かい状態で届くのです」とGebhardt氏は語る。

テイクアウトフードの未来についてGebhardt氏はこう語る。「最終的にはロボットが調理した料理をドローンが配達することになるでしょう。しかし自律型フードデリバリーよりも近い将来にあるのは、自律型キッチンです。『高度自動化キッチン』の構築は、Keatzのビジョンの中で大きな割合を占めています」

「ドローンで配達するよりも、キッチンを反復的に自動化するほうがずっと簡単です。自動化の多くの部分はコンピュータ技術の問題です。Keatzの既存のクラウドキッチンもすでに、Wi-Fi接続のコンベクションオーブンやソフトウェアで制御する調理プロセスなど、従来型のキッチンよりずっと自動化されています。結局、高品質のフードを提供できるかどうかはオンデマンド製造の問題です。UberEatsでブリトーを注文する顧客は、20分後に温かい食べ物が届くことを期待しています。私たちはこのことを技術的な挑戦で解決しようとしています」

つまりKeatzのクラウドキッチンは「工場経営」と同じようなものだと考えられる。自律型キッチンのハードウェア自体を開発するのではなく、BMWが自動車製造工場を建設する企業と協業しているのと同じように厨房設備やオートメーション企業と協業しているとGebhardt氏は言う。

Gebhardt氏は、市場より高額な給与と広範囲にわたるトレーニングの機会を従業員に提供していることにも言及し「キッチンの自動化を目指す一方で、引き続き雇用も維持していきたいと考えています」と補足する。現在Keatzはヨーロッパの10カ所のキッチンでおよそ200人を雇用している。

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(翻訳:Kaori Koyama)