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デジタル資産の安全性を監視するExpanseが78億円を新たに調達

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創業6年目でサンフランシスコを拠点とするExpanseが初期の投資家たちや有名な個人投資家たちから新たに7000万ドル(約78億円)を調達した。同社は「グローバルインターネット攻撃界面」と同社自身が呼ぶ場所を、顧客のために特定し監視する支援を行う企業だ。

以前からの投資家であるTPG GrowthがこのシリーズCラウンドを主導し、NEA、IVP、そしてFounders Fundといった以前からの投資家たちも参加した。しかし同社はまた、Founders Fundの共同創業者ピーター・ティール氏、マイケル・デル氏、元IBMのCEOサム・パルミジャーノ氏、メディア起業家アリアナ・ハフィントン氏、そしてTurner EnterpriseのCEOであるテイラー・グローバー氏らからも直接小切手を引き出した。

彼らはExpanseのどういう点に興味を引かれているのだろうか?(同社は以前Qadiumという名で知られていた)。まず第一に、寄せられている支持である。グローバルインターネットプロトコルアドレス(すなわち、コンピュータネットワークに接続されている各デバイスに割り当てられている数値ラベル)のインデックス作成を、他者よりも先に開始してしまえば、競合他社が追いつくのは困難だということが明らかになったのだ。

実際に、CVSやPayPalをはじめとする多数の大企業が、パブリックなインターネットに接続され広範囲に分散されたデジタル資産の管理を支援するために、現在同社のサービスとしてのソフトウェア(SaaS)を使用している。共同創業者で最高経営責任者(CEO)のティム・ジュニオ氏によれば、Expanseは売上高を前年比で3倍、契約数で4倍にしつつある。その目標に向かって、現在100万ドル以上の契約にサインアップした10以上の顧客が居ると彼は語っている。「VCたちは、(年間経常収益が)100万ドルから1000万ドルになるまでにかかる時間を検討したがりますが、私たちの場合には22ヵ月かかりました。これは(現在は公開企業になったクラウドストレージの) Boxと同じくらいの早さです」。

その収益の多くはまた、国務省、国防総省、エネルギー省などはもちろん、米陸軍、米海軍、米空軍などを含む米国の連邦機関からも来ている。同社によれば、そうした機関がExpanseと結んだ契約は、まとめると1億ドル以上になるという。

ティール氏がこうした政府機関への導入に一定の役割を果たしたのかと尋ねてみたところ(ティール氏がドナルド・トランプ氏の大統領選で助言したことは有名である。そしてティール氏の主任スタッフだったマイケル・クラツィオス氏は現在米国のCTOを務めている)、ジュニオ氏はExpanseの投資家たちは全員顧客の紹介に協力的であり、あらゆる助言を惜しむことはなかったと語り、その中でもティール氏は同社のために特別な働きをしてくれたと答えた。

一方同社は、パッチが適用されていないIoTデバイスのような、ネットワーク上のセキュリティリスクを、顧客が特定できるように支援していることで知られてきたが、現在同社は、より費用のかかる隣接した問題の追求も行っている。例えば顧客の重要サプライヤーが脆弱性を取り込んでいないこと(商用クラウドプロバイダーや共用ホスティング設備を通したものも含む)を確認するといったものだ。

最終的に、Expanseが現在監視しているデータを集約したものを、売り始める日を想像するのは容易だ。おそらくは関連セクターごとの単位で。とはいえジュニオ氏はExpanseは現在「その方向には進んでいません」と語っている。今のところ、現在のビジネスを牽引している最大の力は、多くの安全ではない状況を生み出している、あらゆる種類の企業のデジタルトランスフォーメーションである。より多くのビジネスがクラウドに移行するにつれて、従業員たち(自社のあるいは合併で新規に加わった従業員たち)が、必ずしもポリシーを熟知していたり従ったりすることを期待できないという危険が発生する。そして機密データを許されていない場所に動かしてしまう危険も生じるのだ。

終わりの見えないこの流れがExpanseの勢いを説明するのに大いに役立つ。すでに同社は、サンフランシスコ、ワシントンDC、ニューヨーク、そしてアトランタの各オフィスに150人の従業員を擁している。その最新の投資ラウンド(このことでExpanseの総調達額は1億3500万ドルに達した)を受けて、同社はその運用を、既に行われている範囲を超えて広げていく計画も立てている。それらの市場には、英国、カナダ、オーストラリア、そして日本が含まれている。

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:sako)