Uberが2018年に自動運転とeVTOLの開発に使った費用は512億円

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4月11日にUberが提出したIPO趣意書によると、同社は昨年、自動運転、空飛ぶ車(eVTOLとして知られる)、その他の「テクノロジー・プログラム」の研究開発に4億5700万ドル(約512億円)を費やし、未来的なテクノロジー(まだしばらくは人間のドライバーに頼ることが予想されるが)に今後も集中的に投資を続ける。

UberのR&D費用は、自動運転車両部門であるUber ATGで発生している。同部門内のeVTOL部署Uber Elevateと他の関連するテクノロジーで、R&Dコスト全体の3分の1を占める。Uberの2018年のR&D費用は15億ドル超だった。

Uberは木曜日にS-1書類を提出したが、そこには来月株式公開する同社の基本的な考え方が示されている。この書類提出は、競争相手のLyftが上場デビューしてから1カ月もたたずに行われた。Uberはニューヨーク証券取引所にティッカーシンボル「UBER」で登場する見込みだが、公開価格はまだ明らかにされていない。

長期的にみて自動運転車両(AV)は株式公開の重要な部分を担うとUberは確信している。すなわち、AVは安全性を高め、乗車体験をより効率的なものにし、顧客が払う運賃を下げると考えている。

しかしUberは、どのように、そしていつ自動運転車両を展開するのかについてはIPO趣意書では慎重なトーンで記している。前CEOのTravis Kalanick(トラヴィス・カラニック)がAVを同社事業が抱えているリスクと呼んだ、Uber ATGの初期とは大きな差だ。

Uberは、「ハイブリッド・オートノミー」の長い期間があり、当面同社の主要事業は人間のドライバーに頼り続けるだろう」と主張している。たとえ、自動運転タクシーが展開されても「現在の交通、複雑なルート、異常な気象条件を含む」状況に対応するために人間のドライバーがまだ必要だ、としている。人間のドライバーはまた「十分に利用できる状態で、フル自動運転となっている車両が対応しきれない」コンサートやスポーツイベント、その他のかなりの需要を伴うイベントで必要とされるだろう、とUberはS-1書類に書いている。

以下にS-1書類からの抜粋を示す。

来るべき自動運転車の将来に向けては、ハイブリッド・オートノミーの長い期間があり、その期間中、自動運転車両は特異な利用ケースで徐々に展開される一方で、ドライバーが消費者の需要の大半に対応し続けると考えている。特異な自動運転車両の利用ケースを解決してから、我々は実際に自動運転車両を展開する。

Uberは、ハイブリッドオートノミーは人間のドライバーと自動運転車両が共にプラットフォームにあるというやや奇妙な過渡期のバランスを取るのに最適だ、と主張している。

「ゆえにドライバーは必須で、他社にはないアドバンテージであり、長期的に我々の大事なパートナーであり続ける」と書いている。

Uberの予想や控えめなトーンにかかわらず、同社は自動運転車両を前に進めている。

Uber ATGは2015年にピッツバーグでCarnegie RoboticsとCarnegie Mellon Universityからの研究者わずか40人で設立された。しかし今日ではUberATGはピッツバーグに加え、サンフランシスコ、トロントにもオフィスを構え、1000人超の従業員を抱える。

UberはS-1のリスク要因セクションに、自動運転車両テクノロジーの開発や商業展開ができないかもしれない、または競争に敗れるかもしれず配車・配達事業を脅かすかもしれない、としたためている。

自社にとっての最大の脅威についてのUberの見方は特に興味深い。Uberは競合する可能性のある12社近くの名前を挙げた。そこにはWaymoやGM Cruise、Zooxといったお馴染みの企業から、May MobilityやAnthony Levandowskiの新会社Prontio.ai.など、あまり知られていないスタートアップも含まれている。そのほかS-1に名前が挙がっているのは、Tesla、Apple、Aptiv、Aurora、Nuroだ。Fordの子会社Argo AIはリストにはない。

ATGはこれまでに250台以上の自動運転車を製造し、Volvo、トヨタ、Daimlerの3社と提携している。これは、UberのAVに対する複数の戦略を示している。

UberはVolvoと最初の契約を結んだ。2016年8月に発表された合意では、UberはVolvoの車両を所有し、そこにAVテックを搭載して、自社ネットワークで展開する計画だ。

Daimlerとの提携はまったく正反対だ。2017年1月に発表されたこの提携では、Daimlerは同社のAV車両をUberのネットワークに提供することになっている。これはLyftのAptivとの提携に似ている。

最後にトヨタだ。2018年8月に発表された比較的新しいこの提携はVolvo、そしてDaimlerのケースを合わせたようなものだ。Uberは、自社のAVテクノロジーをそれ用につくられるトヨタ車に統合してネットワークで展開することを想定している、と話している。

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(翻訳:Mizoguchi)