伊藤忠飼料
Porker
Eco-Pork

クラウド養豚システム「Porker」の販路拡大、Eco-Porkが伊藤忠飼料と協業へ

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モバイル養豚経営支援システム「Porker」を開発・販売しているEco-Porkは4月12日、伊藤忠飼料との協業を発表した。この協業により、伊藤忠飼料はPorkerの優先取扱権(有期契約)を国内飼料メーカーとして初めて取得。5月1日から伊藤忠飼料の販売ルートでの提供を開始する。

「Porker」は、スマートフォンなどのモバイル端末を用いて農場現場で発生するさまざまなデータを現場で入力することで、繁殖や肥育の状況把握から経営分析までを可能にするシステム。2018年9月から提供を開始しており、2019年3月現在で全国20農家、母豚規模で3万5000頭ぶんの農場で稼働中とのこと。

Eco-Porkは、昨年11月にTechCrunch Japanが開催したTechCrunch Tokyo 2018のメインイベント「スタートアップバトル」で、書類選考100社超から選ばれた20社のファイナリストの1社。そして、ファイナリスト20社からさらに6社だけが進出した決勝ラウンドにも残った1社。TechCrunch Tokyo 2018での最優秀賞は、選抜されたイエバエによって生ゴミや糞尿を約1週間で肥料・飼料化する技術を擁するムスカが獲得したが、実は最後までムスカと競っていたのがEco-Porkだ。

Eco-PorkのPorkerは、養豚におけるさまざまなデータを記録することで効率的な作業を実現するサービス。記録したデータはクラウドに保管され、スマホやタブレット端末などでいつでも参照できる。具体的には、種付けや妊娠鑑定などを同一の母豚でグループ化しておくことで、一度の入力でグループ単位の管理が可能になる。

HACCP認証に必要な記録項目や、さまざまな業務帳票のテンプレートも用意されている。HACCP認証とは、食品の衛生管理の各種ルールを遵守している企業などに与えられるもので、スーパーなどの小売業や食品メーカーだけでなく、最近では養豚業界など第一次産業にも認証取得が求められているそうだ。

Porkerは、体重測定装置や温度センサー、飲水センサーのなどのIoT機器との連携を考えたデータベース設計になっており、将来的にはこれらのIoT機器から取得したデータも駆使して、AIや統計解析による養豚場の経営分析なども進めていくという。現在の利用料金は、母豚1頭あたり年額600円+初期導入費用20万円〜。

伊藤忠飼料は、従来のアナログな養豚経営を効率化するためにPorkerの優先取扱権を取得。養豚業界では、豚舎で母豚カードと呼ばれるプレートやノートに産子数や離乳頭数などを手書きしたあと、事務所にあるパソコンに転記という作業が一般的だそうだ。また、養豚農家からの情報収集はFAXやパソコンに入力されたデータの参照など人の手を介して行うため、タイムラグや人的ミスが生じるという問題もある。Porkerの導入により、豚舎や母豚、同じ母豚から生まれたグループ化された子豚などの情報がクラウドに保存されるため、即時に情報を収集・分析できるほか、転記によるミスなども防げる。

養豚の効率化については、食肉加工メーカー大手の日本ハムが「スマート養豚プロジェクト」を2018年12月に発表。豚舎へカメラや温湿度などの環境センサーを設置して豚の飼育状況をリアルタイムで把握し、収集したデータを基に子豚の健康や母豚の交配可否などをAIで判別する技術の開発を進めるという。Eco-PorkのPorkerや日本ハムのスマート養豚プロジェクトで、養豚業界のクラウド化が進んでいる。