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旅をしながらIT業界で働く「世界中の」デジタルノマドに医療保険を提供するSafetyWing

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SafetyWingのco-founder、Sondre Rasch氏

急増するデジタルノマド、足りていなかった「医療保険」

旅をしながら遠隔勤務で仕事をする主にフリーランスのデジタルノマドはこの世界に「2500万人ほど」存在する。そう語るのはデジタルノマドに医療保険を提供するスタートアップSafetyWingの共同創業者、Sondre Rasch氏。数字は同社が算出したものだ。

32歳の彼自身も、もともとはデジタルノマドで、ノルウェー国会ストーティングで政策顧問として務めた後、サンフランシスコを拠点とするまでは様々な国の都市で働いていた。

彼いわく、「2ヵ月に1回、国に戻って行わなければならなかった」ノルウェーの旅行保険の更新が面倒で、「自分たち自身が欲しかった」からこそ、SafetyWingの1つ目のプロダクトである、デジタルノマド向け医療保険「SafetyWing」を開発するに至った。

ちなみに、Rasch氏が以前に立ち上げたKonsusは2016年冬季、SafetyWingは2018年冬季のY Combinator出のスタートアップだ。

デジタルノマド向け医療保険「SafetyWing」とは

SafetyWingは月額(4週間、28日)37ドル(米国では68ドル)の保険料で、北朝鮮などの一部の国を除いた約180ヵ国で使える医療保険を提供する。これは年齢が18歳から39歳の場合であり、他の年齢層は値段が変わってくる。

SafetyWingは巨大保険会社である東京海上と提携し、プランを運営している。Deductibleは250ドル、上限額は25万ドル。外来や処方箋はカバーするが、予防治療や特病などは対象外となっている。旅行保険も兼ねているので、旅行中断や、荷物紛失、政治的理由による避難などもカバーする。

「すでに旅の途中」でもSafetyWingに登録することができ、サブスクのように、終了日を設定しない限りは28日ごとに更新されていく。また、90日ごとに、母国でも30日間(米国では15日間)は保険が適応される。生後14日から10歳までの子供も、追加料金なしで、大人1人につき子供1人、家族単位だと子供2人まで、追加コストなしでSafetyWingがカバーする。

SafetyWingの利用者の国籍を多い順にランキングにすると、1) アメリカ、2) カナダ、3) UK、4) オーストラリア、5) ドイツ、6) ノルウェー、7) ブラジル、8) スペイン、9) フランス、10) イタリア。

旅先に選ばれる国のランキングは、1) タイ、2) インドネシア、3) ベトナム、4) マレーシア、5) スペイン、6) アメリカ、7) UK、8) メキシコ、9) カンボジア、10) 日本。

デジタルノマドに適した国や都市に関してより詳しく知りたい方は、短期で不動産をレンタルするスペインのスタートアップSpotahomeがリリースしているランキングや、デジタルノマドが次の目的地を見つける際に利用する代表的なサイトNomad Listを覗いてみてほしい。

今後も増加が見込まれるデジタルノマド、SafetyWingの今後の展開は

Rasch氏の実感では、5年から7年ほど前からデジタルノマドの数は急速に増えてきたという。

「テクノロジーの発展によりオンラインで働くことが容易になった」(Rasch氏)。

ビデオチャット、Slack、Dropbox、Google Docsなどのツールの台頭が、デジタルノマドたちのフレキシブルなワークスタイルを可能にした、と同氏は話す。

これまでに5000人以上のデジタルノマドがSafetyWingに登録してきた。だが、「まだまだ序章にすぎない」(Rasch氏)

2035年には10億人ものデジタルノマドが存在するというアナリシスもあり、「どこからでも働けるのであれば、住み心地がよく生活費の安い都市に引っ越すのは当然だ」と語るRasch氏は、今後SafetyWingの更なる需要拡大を見込んでいる。

そして同社は今後、SafetyWingにアドオンを追加していく一方で、「グローバルセーフティネットをオンラインで実現する」ため、新しいプロダクトを開発している最中だ。

Rasch氏いわく新プロダクトは「世界中で使える健康保険」。SafetyWingはフルタイムのリモートワーカーを世界中に抱えており、同社オフィスが存在しない国で働く社員にも福利厚生を充分に与えたいが、「あまり良いオプションがない」とRasch氏は話す。

同様な悩みを抱えるスタートアップに向け、この新プロダクトを2019年中にリリースする予定だ。

「このプロダクトであらゆる国のユーザーを獲得していく。インターネットに国境がないからこそ、プロダクトもボーダーレスでなければならない」(Rasch氏)