Oculus Go
Oculus Quest

Oculusが「法人向け」を強化、「Quest」の提供とデバイス設定・管理のツールを発表

次の記事

片想いでも傷つかない、FacebookがデートアプリにSecret Crushを追加

米国時間4月30日、サンノゼのマッケナリー・コンベンション・センターで開催された、Facebookのデベロッパー向けカンファレンス、「F8 2019」。

VRヘッドセットの「Oculus Quest」と「Oculus Rift S」を5月21日に発売開始するとマーク・ザッカーバーグ氏が発表し、会場は大盛り上がりだった。コンシューマー向けのゲームも、もちろん魅力的だけれど、ビジネス向けのOculusに関する新発表も興味深いものだった。

F8で開催されたセッションでは、FacebookのEnterprise Ecosystem担当のIsabel Tewes氏とEnterprise PMのAndrew Mo氏が、Oculusのビジネス向けサービス「Oculus for Business」の、Oculus Questが追加された新バージョンを、今秋より提供開始すると発表した。

「VRヘッドセットは従業員のトレーニングを『効率化し効果的にする』ためのツール」(Tewes氏)

Enterprise Ecosystem担当のIsabel Tewes氏

「テクノロジーは急速に、職場の『あり方』を変貌させる。ツールは常に進化していていて、過去に発明されたツールは、私たちにとって必要不可欠なものとなった。VRもそのようなツールになるだろう」(Tewes氏)

Tewes氏はそう話し、実際に仕事の現場でどのようにVRが活用されているのか、説明を始めた。

1つの例がウォルマート。アメリカだけで100万人もの従業員を抱えるウォルマートは、従業員にVRトレーニングを提供している。内容は、買い物客が殺到する「ブラックフライデー」を含む、「どのような状況」でもフレンドリーな接客を提供するために必要なスキルを磨くためのシミュレーション。ウォルマートはVRによる教育訓練を提供するSTRIVRと手を組みVRトレーニングを提供している。

STRIVR / Walmart

ウォルマートとSTRIVRは昨年に実証実験を開始。200箇所で12種のトレーニングシミュレーションを試みた。「効果的だ」と認められ、2018年の終わりには17000台のOculus Goを全米の4700店舗に導入。今では50ほどのトレーニングプログラムが用意され、2019年中には100万人もの従業員がVRヘッドセットを活用したトレーニングを受ける予定だ。

STRIVRの調査によると、従来の従業員トレーニングと比較し、VRを活用した場合は、訓練にかかる時間が40%削減、そして70%の従業員が従来のトレーニングを受けたスタッフと比べ高いパフォーマンスを発揮した、とTewes氏は説明する。

また、Tewes氏は、Oculusとジョンソン・エンド・ジョンソン インスティテュートのパートナーシップも併せて発表した。医療従事者に対してトレーニング機会を提供するジョンソン・エンド・ジョンソン インスティテュートは今秋よりOculus Questを使ったトレーニングの提供を開始する。VR手術トレーニングシステムのOsso VRとの実証実験という形でのスタートとなる。

Osso VR

Osso VRの調査によると、従来の従業員トレーニングと比較し、VRを活用した場合は、パフォーマンスが230%向上する、とTewes氏は述べた。

また、Osso VRの別の調査では、膝の手術のシミュレーションにおいて、従来の訓練を受けていた生徒はアドバイスを求めながら11分39秒、VRでの訓練を受けていた生徒は6分29秒で、全てのプロセスを完了したという。

Oculus for Businessを通じ従業員にVRトレーニングを提供している企業(一部)は以下の通り。

関わっているデベロッパー(一部)は以下の通り。

「トラック1台分のOculus Questが届いて、そのセットアップを担当する羽目になった自分の姿を想像してみてほしい」(Mo氏)

Enterprise PMのAndrew Mo氏

Mo氏は「大企業にも対応が可能な」、デバイスのセットアップとマネージメントのためのソフトウェアツールを発表。

このソフトウェアツールは、多くのOculusデバイスのセットアップ、マネージメントを一括で行えるもの。

セットアップ用のアプリ(Bulk Device Setup App)を使うことで、Bluetoothで複数のOculus QuestをWi-Fiに接続し、ビジネス向けソフトウェアを全てのデバイスに同時にインストールすることが可能だ。

デバイスのセットアップが完了したら、マネジメント用のプラットフォーム(Device Management Web Portal)を使い、設定を変更したり、アプリを管理したりすることができる。デバイスがWi-Fiに接続されている限り、どこでも調整を行うことが可能だ。

デバイスをグループ分けして管理することも可能。

故障した場合、その管理プラットフォームで状態を確認、カスタマーサポートに連絡し、代用機を依頼することができる。

Oculus for Businessでは、Oculus Goは599ドル(64 GB)、Questは999ドル(128GB)となっている。この値段には1年間の製品保証、ソフトウェア、そしてカスタマーサポートが含まれる。だが、2年目以降、ソフトウェア利用には年間180ドル(ヘッドセットごとに)が必要だ。

Questを投入しサブスク化することで、Facebookは対エンタープライズを強化していく。