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TikTokの親会社ByteDanceがスマホを開発しているという噂

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世界でもっとも企業価値の高いスタートアップであり、世界的に人気の動画アプリTikTokの運営会社ByteDanceにとって、この2カ月間は何かと忙しかった。北京に本社を置く同社は、仕事の共同作業アプリLark、インスタントメッセージ・アプリFeiliao音楽ストリーミング・アプリなどなど、アプリの品揃えを次々に増やしてきたが、ついに、ハードウエアの世界への野心的な一歩を踏み出そうとしているようだ。

Bytedanceは、自前のスマートフォンの開発を計画している。Financial Times(有料版)は、2つの情報筋からの話として伝えている。ByteDanceの広報担当者は、この件に関してコメントを控えたが、中国のインターネット企業の間では、ユーザー数を増やす方法として、最初から自社アプリをインストールしたスマートフォンを販売するスタイルが長期にわたって人気だったことから、その噂に特段の驚きはない。

しかもByteDanceには、もっと多くのユーザー獲得チャンネルを開拓しなけらばならない差し迫った事情がある。Bloombergの記事によると、この2年ほどで急速に成長したByteDanceだが、昨年、中国での広告収入低迷の煽りを受け、目標収益の達成に初めて失敗している。

ByteDanceよりも前から市場にいる企業の中に、自撮りアプリのメーカーMeituがあるが、同社は写真編集アプリなどの自社製アプリ一式をあらかじめインストールしたスマートフォンを開発した。先日、その部門はXiaomiに売却され、Xiaomiは女性ユーザーや新規ユーザーの獲得数を増やそうと試みている。Snowが所有するカメラアプリB612やByteDanceのFaceuも、Meituのすぐ後に迫っている。

中国のインターネット業界の黎明期においては、その他の企業は、多くの資産を持たないアプローチを好んだ。Baidu、Alibaba、Tencentは、中国の技術界を牽引する企業として、まとめて「BAT」と呼ばれているが、彼らはみな、Android ROMをカスタマイズして使っている。これなら、スマートフォンのメーカーがプリインストールした市販のROMよりも、多くの機能が使える。

Alibabaの野心は、2016年のMeizuに対する5億9000万ドル(約650億円)の投資からも伺える。このEコマースの巨人は、携帯端末メーカーのためにオペレーティングシステムを注文生産するという冒険に打って出た。最近では3月、WeChatのオーナーであるTencentが、ゲーム用スマートフォンのメーカーRazerと手を組んで、ハードウエアをカバーする数々の構想に挑むことにした。

 

TikTokの親会社ByteDanceは無料音楽ストリーミング・アプリの立ち上げを計画(本文は英語)

ByteDanceのスマートフォン開発には、以前から兆候があった。同社は、1月、スマートフォンのメーカーSmartisanからいくつかの特許を買い取り、従業員も数名引き抜いたことを認めている。しかしその当時、同社は、この取り引きは「教育ビジネスを研究するため」と話していた。Smartisanの事業は教育とはほとんど関係ないことを考えると、この声明はおかしい。少なくともこの提携は、このモバイルインターネットの新興企業にハードウエア開発能力を与えている。

事実、Financial Timesの情報筋は、ByteDanceの創設者Zhang Yimingは「ByteDanceのアプリがあらかじめインストールされたスマートフォンを長年夢見ていた」と伝えている。とは言え、これは非常に厳しい戦いになるはずだ。少なくともスマートフォンの売り上げが低迷し、Huawei、Vivo、Oppo、Xiaomi、Appleといったメーカーがしっかりと堀を固めている中での過酷な競争となる。

ByteDanceは、モバイルアプリの帝国を築いたお陰で、古巣を遠く離れても有利な立場にいられる。同社は、世界的な足場をしっかりと固めることに成功した数少ない(最初だと主張する人も多いが)中国のインターネット系スタートアップのひとつだ。TikTokは、この数カ月間、世界のアプリランキングのトップの地位を保っている。しかし、世界のより大きな市場では、障害物に悩まされてもいる。

アメリカでは、連邦取引委員会が子どものプライバシー保護ための法律に違反したとして、TikTokに罰金を科したTikTokの近年の成長をおもに支えているインドでは、不法なコンテンツが含まれているとして、政府から一時的にアプリを使用禁止にされるという問題が降りかかった。

中国企業にはセキュリティー問題がついてまわるとするワシントンの懸念があるために、アメリカ市場に浸透するのは難しいかも知れないが、インドには現在、中国ブランドがひしめいている。Counterpointの調査によれば、第一四半期はXiaomiを筆頭とする中国メーカーが、インドのスマートフォン市場の66パーセントという大きなシェアを握っているという。ということは、ByteDanceは、同盟を組むであろうSmartisanと共に、インドの地元ライバルのみならず、故郷の市場で見慣れた顔ぶれとも戦うことになる。

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(翻訳:金井哲夫)